民主主義の現在 D-10を進めるイギリスの思惑 Forget the G-7, Build the D-10

Forget the G-7, Build the D-10(Foreign Policy、2020年6月10日)
https://foreignpolicy.com/2020/06/10/g7-d10-democracy-trump-europe/

トランプがロシアにも参加してもらおうと言い出して混沌となったG7の代わりにイギリスが提唱するD10(G7にインド、オーストラリア、韓国を加えたもの)。Dはデモクラシーの頭文字だが、民主主義陣営というよりは中国やロシアと競争関係にある陣営と言った方が実態に近いかもしれない。中国とロシアが参加しているG20はすでに分断されている。
当面の主たる課題はファーウェイ抜きでの5Gネットワークと中国に依存しない安全なサプライチェーンの構築。ただし、このグループは目新しいものではなく、すでにワーキングレベルの会合は何度も行われていた。カナダ、ドイツ、イギリスがファーウェイ抜きでの5Gを考え、アメリカ、EU、日本がクリティカルな分野のサプライチェーンで中国に依存しない方向に向かっているのでタイミングはよかった。ただし、米国式のデカップリングではなく、協調的な方法を模索する。

イギリスはEU離脱以降、存在感とリーダーシップを保つためにもD10は重要だった。いまだに中身がわからないグローバル・ブリテン構想の中身にもなる。EUにとっても新しい接点ができる。

冷戦時代のNATOは、「ソ連を排除し、アメリカを引き入れ、ドイツを抑えろ」と言っていた。D10は、「中国をコントロールし、インドを引きこみ、アメリカを安定させる」ための戦略だ。

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