ウクライナ アメリカ国務省グローバル・エンゲージメント・センターによるファクトチェック

アメリカ国務省グローバル・エンゲージメント・センターはロシアの主張をファクトチェックして下記をデマとしている(Fact vs. Fiction: Russian Disinformation on Ukraine、2022年1月20日、https://www.state.gov/fact-vs-fiction-russian-disinformation-on-ukraine/)

内容はともかく、当事者が行うファクトチェックってどうなんだろう? と思いますね。

●アメリカ国務省グローバル・エンゲージメント・センターのファクトチェック
・ロシアとウクライナの関係では、加害者はウクライナとウクライナ政府関係者である
・欧米はウクライナを紛争に押しやっている
・ロシアの戦闘部隊の配備は、自国の領土内での単なる部隊の再配置に過ぎない
・米国はドンバスでの化学兵器攻撃を計画している
・ロシアはウクライナのロシア民族を守っている
・NATOは冷戦終結後、ロシアに対して陰謀を企て、ロシアを戦力で包囲し、拡大しないというはずの約束を破り、ウクライナが同盟に加盟することでロシアの安全保障を脅かしている
・欧米は外交を避け、制裁などの手段に走る


●ほぼ同時期にEUのEast StratCom Task Forceが選んだ7大デマ
・現在の緊張状態は、ウクライナとその同盟国である欧米諸国が執拗に攻撃的な行動をとった結果である。ロシアは自国の正当な利益を守るために何もしておらず、この紛争に責任はない。
・ウクライナが、同国東部のロシア語を話す住民に対して残虐行為を行っている証拠がある。ロシアが介入しなければならないのは、少なくともウクライナとロシアが「一つの国家」であるからである。ウクライナは単にロシアの「特権的影響力の範囲」に属しているだけだ。
・EUや欧米はウクライナに関心がなく、見捨てているのだから、ウクライナはロシアに頼るべきだ。
・現在の危機は、NATOと西側諸国のせいである。彼らが同盟を拡大しないという約束を守っていれば、ロシアは脅威を感じなかっただろう。
・NATOの積極的な拡大により、ロシアは「敵に包囲された」状態となり、自衛する必要がある。
・ロシアは現在のウクライナの緊張状態に責任はない。ウクライナはミンスク合意を意図的に破り、欧米はウクライナをさらに武装させている。ロシアは国境を守ることで迅速に対応する必要がある。西側が挑発しているのだ。
・EUは弱く、無関係である。なぜわざわざEUと話す必要があるのか?

微妙に違うのが興味深かい。


*ウクライナ関連記事
ロシアのプロキシの動き(https://note.com/ichi_twnovel/n/n19a4403a66fa)
ロシアが繰り広げるツイッターによる世論操作 Mythos Labsの「Investigating Twitter Disinformation in Ukraine」シリーズ(https://note.com/ichi_twnovel/n/n710a86012263)
発見された雑なボット活動(https://note.com/ichi_twnovel/n/n3c78e44e0a34)

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