見出し画像

みうらじゅんとはー「そこがいいんじゃない!」を教えてくれた人

生きてれば、「疲れたなー」「うまくいかないなー」ってことは往々にしてあると思います。そんなときわたしの救いになっているのが、みうらじゅんさんという人です。

というわけで今日は、「#みうらじゅん とは 」について書きます。


みうらじゅんさんの「マイブーム」

般若心経の文字を見つけて写経(=写真撮影)する「アウトドア般若心経」
(2018年3月 みうらじゅんフェスにて撮影)

「マイブーム」や「ゆるキャラ」という言葉。これらの言葉の名付け親はみうらさんだ。

みうらさんは、職業イラストレーターなど、と名乗っている。しかし何かのテレビ番組に出演したとき、ご自身でイラストレーターなどの「など」をやっていると言っていたくらい、イラストレーター以外の部分で活躍している人だ。

人から「今のマイブームは?」と聞かれてはそのときのマイブームを答えたり、作ったりしている。そのマイブームがまた面白い。

たとえば、いやげもの(貰っても嬉しくないお土産)ブームとか、とんまつり(とんまなお祭り)ブームとか、ゴムヘビブームとか、冷マ(冷蔵庫マグネット)ブームとか……。

「冷マ」ブーム
(2018年3月 同イベントにて撮影)

彼のマイブームは大抵「なんだこれ~~!」ってなるものばかり。

というのも、みうらさんにとってマイブームは趣味とは別で、自分が楽しむためにやっているわけではないのだ。人に「これがマイブームなんです」と言って笑ったり驚いたりしてもらう為にやっているような感じ。

みうらさんは、マイブームを一種の修行だと言っている。誰もやりたがらないようなことを、自分を騙しだまし続けていくこと。この「キープオン」ができるのってすごい、と心底思う。

わたしが、みうらさんのマイブームをいいなと思う一番の理由は、みんなが見過ごしている「何か」をたくさん集めて主役にして、照らし出してしまうところだ。ゆるキャラもそうで、自治体が地域のPRのために本気で考え生み出したキャラクターを集めて、「実はこいつらゆるいよね、かわいいよね」と世の中に引っ張りあげている。

……それってすごくない?見えなかったものを照らし出す魔法みたいだ、とわたしは勝手に思っている。


みうらさんに救われる理由

わたしがみうらさんに救われるのは、「そこがいいんじゃない!」を見つけてくれるところ。これも魔法じゃないけど魔法みたいな言葉で、ネガティブをポジティブにしてくれる。

仏像マニアで仏教に詳しい(マイ仏教という本まで出している)からか、みうらさんの言葉には仏教的な視点を感じることも多い。

自分探しより、「自分なんてものはない」と考える自分なくしもその一つ。みうらさんによれば、自分があると信じているからこそ、周りにどう見えているのか気になったり、色々な悩みが生じるらしい。

だから、自分を信じるよりも自分をなくして、相手の気持ちや環境を考えてみる方がいいという。私は私の生き方しかできないと、ある種あきらめることが肝心だって。

世の中の色々を諸行無常だと割り切って、嫌なこともできるだけ楽しくしようとするみうらさんの言葉を聞くと、自然と元気になれる。不安なときに使うらしい「不安タスティック」もそう。

自分の思い込みから一歩離れて、そこがいいんじゃないって笑えてくる。

頑張れって言わないのに、なんだか元気にしてくれるのだ。


みうらさんを好きになる本と映画と動画

みうらじゅんという人に興味を持った人に触れてほしい本や映画はこちら。

・さよなら私(本)

  「いいこともあれば、良くないこともある。始まりがあれば、終わりもある。そもそもは何もないところから生まれ、何もないところに帰っていくだけのこと。そんな変えようもない真理を何度も脳に言い聞かせ、生きるってあんがい楽しいかもって、逆に説得しようではありませんか。」(『さよなら私』)

「終わりあるはじめに」より、こんな一節で始まるエッセイ。自分探しより自分なくしをしよう、という意味での「さよなら私」。

ここでも出てくる「そこがいいんじゃない!」もそうだし、「人生を上手に暇つぶしする」とか「不安タスティック」とか、人生を楽しく、ネガティブな自分をポジティブにごまかして生きるヒントがたくさんある。スイスイ読めて面白いんだけど、実は真理を突いている!?と思える部分もあったりする。

「頑張れ」みたいな言葉や要素は全くないのに、読み終わると自然と元気が出る本。わたしみたいに気分がすぐ落ち込んじゃうような人にもおすすめ。

・色即ぜねれいしょん(映画)

みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督の青春映画。黒猫チェルシーの渡辺大知さんが主演で、彼の演技がまた良い。。

出会いがあって別れがあって、人のいる場所も気持ちも変わっていく青春時代が切り取られている。物質的なものは「空(くう)」であるという「色即是空」という言葉が印象的だった。

個人的には映画の方が好きなのだけど、原作の本も売ってる。本の巻末、解説部分にあたる銀杏BOYS峯田さんの文章も好き。原作や映画みたいに愛だしロック。

「色即ぜねれいしょん」はAmazonプライムなら無料で見られるのでぜひ。

そしてこれを見たら「アイデン&ティティ」も見てほしい!峯田さんが俳優デビューした映画で、脚本は宮藤官九郎さん。

・ほぼ日「みうらじゅんに訊け!シリーズ」(YouTubeより)

みうらさんと長らく親交のある糸井さんの会社「ほぼ日」でのインタビュー。東京編、就職編、エロ編、親バカ編、お金編…といろいろあるので、興味のあるものから見ていただければ。

ずーっと話してるんだけど、話上手で飽きない。


みうらじゅんとは?

わたしにとって「みうらじゅん」さんは、人間くさくてでも仏さまみたいで、ちょっと変で謎めいていて、見過ごされているものに価値を与えてくれる人。そんな「ない仕事」を仕事にし続けている人。



編集:円さん

#みうらじゅん #とは #日刊かきあつめ #サブカル #本  #

この記事が参加している募集

スキやコメント、SNSでのシェアうれしいです。ありがとうございます。いただいたサポートは、本、映画、演劇、寄席など自分の好きなものに注ぎ込みます!