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星の形のにんじん


№111 今回紹介するお話

「2歳の時に母が癌で死んで、それから父子家庭で育っていたある日の遠足の時、友達の弁当に星型のにんじんが入っているのを見て・・・」

今回紹介するのは、父子家庭で育った男性が父の再婚をきっかけに、それまでの思い出と感謝を綴った投稿です。
※投稿時期に関して
2006年3月27日の投稿を確認しましたが、違っていたらごめんなさい。

このお話を元にしたYouTube動画がありましたので、併せて紹介していきます。

投稿内容

俺の母親は、俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。

まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。

この手の話でよくあるような、「母親がいない事を理由にいじめられる」なんて事も全然なくて、良い友達に恵まれて、それなりに充実した少年時代だったと思う。

こんな風に片親なのに人並み以上に楽しく毎日を送れていたのは、やはり他ならぬ父の頑張りがあったからだと今も思う。

あれは俺が小学校に入学してすぐにあった、父母同伴の遠足から帰ってきたときのこと。

父は仕事で忙しいことがわかっていたので、一緒に来られないことを憎んだりはしなかった。

一人お弁当を食べる俺を、友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれて、寂しくもなかった。

でもなんとなく、Y君のお弁当に入っていた星形のにんじんがなぜだかとっても羨ましくなって、その日仕事から帰ったばかりの父に「僕のお弁当のにんじんも星の形がいい」ってお願いしたんだ。

当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、「何でうちにはお母さんがいないの」なんてことも父には一度だって聞いたことがなかった。

星の形のにんじんだって、ただ単純にかっこいいからって、羨ましかっただけだったんだ。

でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えて、とても悲しかったらしい。

突然俺をかき抱いて「ごめんな、ごめんな」って言ってわんわん泣いたんだ。

いつも厳しくって、何かいたずらをしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。

同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いたっけ。

それからというもの、俺の弁当に入ってるにんじんは、ずっと星の形をしてた。

高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて「もういいよ」なんて俺が言っても、「お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ」って冗談めかして笑ったっけ。

そんな父も、今年結婚をした。

相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。

結婚式のスピーチの時、俺が「星の形のにんじん」の話をしたとき、親父は人前だってのに、またわんわん泣いた。

でもそんな親父よりも、再婚相手の女の人のほうがもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。

良い相手を見つけられて、ほんとうに良かったね。

心からおめでとう。

そしてありがとう、お父さん。

YouTube

このお話を元に作られた動画がありましたので、一部を紹介します。
※ご紹介する以外にも動画はあるようです。

【笑えるコピペ連発】2chショートまとめ

【2chショート】元銀行員

思い出のゆっくり2ch

ニコるん

さいごに

私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。

しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。
なお、掲載している画像は いらすとや 様、イラストAC様から頂きました。

最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。


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