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世界一のユニコーンByteDanceの成長が止まらない

2020/4/18 The Economist 「ByteDance is going from strength to strength」より


新型コロナウィルスが多くのティーンエイジャーを部屋に閉じ込める一方で、彼らはますますTIKTOKにのめり込んでいます。

このショートビデオアプリは、3月だけで1億回以上ダウンロードされています。

10億人近いユーザーが、WHOからの緊迫した情報と共に、このアプリでおふざけビデオを楽しんでいるようです。”#Coronavirus"のビデオは世界中で53億回以上も閲覧されています。


この2年、TIKTOKの急激な人気上昇は、北京のIT企業であるByteDanceに世界中からスポットライトを浴びせることになりました。ByteDance(バイトダンス)は中国人のコンピュータサイエンティストであるZhang Yimingによって2011年に設立されました。

未上場企業”ユニコーン”世界一のバイトダンスは、時価総額は10兆円ともいわれています。日本を代表するトヨタ自動車の時価総額の半分ほどです。どれだけこの新興IT企業が高い評価を受けているかがおわかりになると思います。

アップルを除き、欧米諸国・中国でそれぞれ1億人以上のユーザーを抱える唯一の企業であるバイトダンスは、急速にYouTubeやInstagramからユーザーを吸収していっています。


そして、バイトダンスは止まる気配がありません。

既に退職した社員によると「ハエがむらがるように」6万人を超える社員がバイトダンスのオフィスで矢継ぎ早に新しいアプリをローンチしています。

この1年間、多国籍企業のソフトウェアサービス(Lark)、インド・インドネシアの音楽ストリーミングサービス(Resso)、中国ではWeChatに対抗するためのメッセージングアプリなど、様々なサービスを開始しています。

さらに、新型コロナの影響により、様々な企業が従業員をレイオフするなかで、それを飲み込むかのようにバイトダンスは世界中で1万人以上を雇用し、今年最大で3万人を雇用する予定です。


世界制覇を目指す中国企業はこれまでに例もありましたが、単なる買収攻勢ではなく、欧米諸国のユーザーから支持を得るプロダクト・サービスを展開してきたバイトダンスは、それのどれとも違います。

加えて、バイトダンスは投資家にも外国人を積極的に受け入れてきました。将来的にアメリカでの株式上場を目指す中国企業が使う”Sina structure"というもので、これは外国人からの投資を許可するためのものです。株主の80%は外国人で、役員の5人のうち4人は外国人です。(中国人の一人は創業者です)

つまり、バイトダンスは他の中国メガテック(アリババ、バイドゥ、テンセント)に影響を受ける度合いが低いといえます。


ではバイトダンスは一体いくら稼いでいるのでしょうか?

非公開企業ゆえに、財務内容は開示されていませんが、投資家からのリーク情報によれば、売上高は1.5兆円から2兆円ともいわれています。これは、既に上場しているウーバー、スナップチャット、ツイッター三社の売り上げ合計を超えています。

コロナウィルスによる不況にもかかわらず、バイトダンスは今期売り上げ2.5兆円を予想しており、もしこれを達成すれば、Facebook初期と比較して3年先をいっていることになります。そう考えると、この急成長ぶりが実感できます。


もちろん、アメリカ巨大IT企業が黙って手をこまねいているわけではありません。Facebookの「Lasso」やYouTubeの新サービスも始まると言われています。それにまして、バイトダンスの最大の敵はアメリカ政府になりそうです。

アメリカ政府は、アメリカ人ユーザーの情報が中国政府にわたっていないか心配しています。Musical.lyというアプリ(アメリカ・ヨーロッパに6000万人のユーザー)のバイトダンスによる買収を、阻止しようとしています。


TIKTOKは、「アメリカ人ユーザーの情報を不正に利用することはない。また中国政府により影響を受けることもない」という声明を発表しています。現在検討されている香港市場への上場が実現されれば、いくらか透明性は増すことでしょう。

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いろいろ問題があるのかもしれませんが、これだけの勢いのある企業を生み出す中国はやはりすごいと思います。

アメリカのアイビーリーグと呼ばれる一流大学でも、トップ層は白人と中国人ばかりです。残念ながら日本人は見る影もないそうです。

日本からも再び、アメリカ政府から警戒されるレベルの世界企業が生まれて欲しいと思います。

そしてその株を買いたい(笑)

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それでは、本日もお気に入りのマネークリップをポケットに忍ばせて散歩に行ってまいります。

引き続きよろしくお願いします。


本日のマネークリップ


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