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今日のお散歩。朝活への憧れ。漢文とイカルチドリ。

松さん(仮名)の朝は私の憧れです。毎朝4時や5時にはご近所の道一帯のゴミ拾いをされて、公園にお散歩に行かれて、そのあとお花と猫のお世話をされます。
車も丁寧に磨いて、スーパーの開店時刻になると自転車で買い出しに向かいます。
私は松さんのそんなさっぱりと美しく気持ちの良い生活をとても素敵と思っています。
今朝、
私『おはようございます。』
松さん『おう!おはよう。』
私『髪切りました。』後ろを向く。私は最近ロングヘアからショートカットにしたのです。
松さん『ああいいじゃない、いいじゃない、スポーツウーマンだからね。』
私『うふふ、ありがとうございます。いってきます。』
松さん『いってらっしゃい』

という会話でした。歩きながら、スポーツウーマンだからねという言葉に、じんわりきて、楽しい気分になりました。
松さんは豪快でいつも笑っていらして優しくて、いつもお話しした後に私はにこにこ、うふふ、そしてじんわりとはてな・・・?・・となり考えさせられます。

たとえば
『おお今日はメガネか、いいなあ!アインシュタインみたいだな!』
とか、夢を見て早起きしちゃったんですとお話しすると『俺の夢か?』
なんて仰って笑わせてくださいます。

お花にとっても優しくて、お家のまわりで沢山のプランターにお花が植えてあります。丁寧に花がらを摘み取って、お水をあげています。
なんていうお花ですか?とお伺いすると、笑って『知らない』と仰っていました。あれは?これは?とお伺いすると、『全部知らない』と仰っていました。
私は全然ものが憶えられないとき、そんな自分にへこむので、松さんの堂々とした知らないにすごく勇気をもらいました。

いつも適当で最高な優しい松さんです。ふふ。


私のめがね。最近のおしゃれなフレームのが欲しい。おしゃれなめがねでおしゃれになりたい。とも思うけど、この子が好き。この色がお気に入り。


そして河原へ着くと、滝さんにお会いできました。
私は河原の縁に座っている滝さんにおはようございますと近付きました。
『あっ髪切ったんだ』
と気付いてくれました。とっても嬉しくて、
『はいっ!そうなんです。どうですか?』
とお尋ねしたら
『今日はねえ』と鳥のお話しをされるご様子でしたので、
『あっ違いますっ鳥じゃなくて私の髪ですっ』
と、見て見てって頭をフリフリしたら、滝さんは笑って、
『ああ、いいです。さっぱりしましたね。かわいい。』
と仰ってくださいました。
私はかわいいと言って貰ったので嬉しいっ!!ってなりました。
そして隣に腰を掛け、改めて『今日はなんの鳥が見れましたか?』とお伺いしました。

あの川の縁のところに腰掛けます。


今日はイカルチドリについて教えていただきました。
滝さんの相棒の大事な双眼鏡を貸していただいて、見せて貰いました。
でもいくら探しても全然見当たりません。川の中洲の石のはじっこにいるよと教えてもらっているのに、ころころした石しか見えません。
『これが見れたら鳥の観察一級だよ。』と仰るので・・・くうう一級になりたい!!
すると滝さんが写真を撮って拡大して見せてくれました。イカルチドリは小さくて、白と灰色をしていて本当に石のような色合いでした。目がくりっとしていて、黄色い足ですっと立ち、じっと遠くを見ていました。
こういう鳥なんだ!と分かり双眼鏡を覗くと不思議!さっきまで全部石だったところにちゃんと鳥がいました。
かわいいです。とっても嬉しいです。


視界で見ていても実は見えていないそうですよ。と滝さんは仰いました。
見るということは“意識”とのこと。

鳥はその色で風景に溶け込んでいるけれど、いる。
意識を通して見るそう。

意識を使うことで初めてものごとが認識できる。その通りだ!と思いました。


言葉をひとつ教えていただきました。

本文(書き下し文):心焉に在らざれば、視れども見えず

読み:こころここにあらざれば、みれどもみえず

通釈:心がはりつめていないと、(目では)視ていても(それが何であるか)見分けられず

『新釈漢文大系 2 大学・中庸』69ページ、第三段

https://kokugonomado.meijishoin.co.jp/posts/677




私には見えているようで見えないものが沢山あります。それはほとんど。
優しい人の言葉からこうして大切なことを見つけ出すことができるのですね。


お話しをしながら、アオサギやカワウ、マガモ、イソシギを観察しました。

そして体調良くなった?とお気遣いをしていただきました。(私と滝さんは、私の調子が良くなったら川の上流に咲くタコアシという植物を見に行くお約束をしています。なぜなら私がタコ好きだから。)
『まだです。でも、心は元気です。こうして座るようになって、いつもは通り過ぎていたところに、沢山鳥がいることに気付いて、あそこにトンボも。だから良かったです。嬉しいんです。見れてなかったものに毎日いっぱい気付けて。』
と私は言いました。滝さんは
『またぴょんぴょん歩けるといいね。走ったりしてたもんね。ああ、僕も最近は足が悪いから自転車なんだけど、歩くのと自転車と違う。』
なにが違うんですか?とお伺いすると
『歩いている方が鳥が沢山見える。
・・・・・高速道路の標識ってとても大きいでしょう?スピードが速いと大きいものしか見れない。ゆっくりだと小さいものが見れるんです。』
と仰いました。
速いと小さいものが見れない。
『!!だから座ったり歩くと、小さな鳥を見ることができるんですね!!』

だんだんと日が高くなってきて、背中がぽかぽしてきました。

ゆっくりと滝さんと座って、双眼鏡で眺めていると、鳥の変化にも気が付くことができました。
イカルチドリは、もう一羽いることが分かりました。
二羽は寄り添って、川のとおく、同じ方を眺めながらじっと佇んでいました。

滝さんは
『じっとしてるからお腹がいっぱいなんだろうなあ。』
と仰っていました。

そう思って見ると、よりいっそう愛おしく、この二羽のひとときがとても大切に感じました。







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