#10 【商品レビュー】Levi's/デニムジャケット
1.いきさつ
以前からGAPのデニムジャケットを持っていたのだが、なんだかシルエットがオーバーサイズ過ぎると感じてしまっていた。そこでジャストサイズのものを欲しいと思っていたのだがなかなかタイミングがなかった。渋谷と表参道を結ぶキャットストリートにあるLevi'sの店舗(店員さん曰くアジア最大の店舗とのこと)にて2点購入で10%オフのキャンペーンをやっていたので友人とともに何か良いものでもないかと見に行くことにした。
2.購入
店員さん曰く、今っぽいサイジングであれば少しオーバーサイズでも良いが、オーセンティックなスタイルで長く着続けたいのであればジャストの方が良い、と言われたのでSサイズを選択。カラーも長く着て自分だけの色落ちを楽しめるようなワンウォッシュ以外に加工のかかっていないものを選んだ。個人的には3rd〜4thのデザインが一番好みで、完成されていると感じるのである意味最強の1着である。
ちなみに豆知識のようなことだが、Levi'sのアイデンティティの1つである赤タブは現行で主に2種類存在し、一般的なLevi'sというロゴが印字されているものと1/10の割合で作られるという®のマークのみが印字されているものがある。インターネット上の情報によれば赤タブ自体がLevi's専用のデザインであることを示しているとのことだそうだ。私が購入当日に履いていた501もその®のみの赤タブだったこともあり、たまたま陳列してあった®のみの赤タブのジャッケットを購入した。
3.レビュー
実際着てみると新品なだけあってそれなりに硬い生地感で、むしろデニムらしさを感じることができて良い。アイビー的なタイドアップしたボタンダウンシャツ/チノパン/ブレザーの着こなしのブレザーをこれに変えるだけでカジュアル感やこなれ感が演出できる。まだまだ色も濃いのでスマートさを残したまま丁度いいカジュアル感を差し込めることがポイントだ。また、春〜梅雨にかけての暑いような涼しいような時期にはポロシャツなどの上に羽織ると温度調節という素晴らしい機能も発揮してくれる。「夏に着るには暑く、冬に着るには寒い」と革ジャンと並び中途半端なアウターと言われることも多いデニムジャケットだが、デザインも秀逸で色味も様々な服装に適応できることも含め、案外使えるような気がするのは私だけだろうか。
4.総括
デニムジャケットというものはスタンダードなアイテムなのでどの製品も同じようでいて、しかし案外気に入るものが少ないのだが、さすがはLevi's、パイオニアとして完成されたタイムレスな製品を作っていると感じた。時代に流されない、古き良きアメリカの雰囲気をふんだんに醸し出すLevi'sのデニムジャケットは紛れもなく名品の1つだろう。
P.S.
デニム生地のエイジングに関して色落としの技術めいた話が盛んに語られる現在だが、私は少しそのような流行に反抗したい。ヴィンテージのジーンズの色落ちは偶然の産物であり絶対に意識されたデザインではなかったはずだ。話を大きくすれば自分の生き様や生活を反映するのがジーンズ/デニムであるとすればそれらのシワや色落ちは彼らの生き方の反映であり、着たいときに着て、洗濯したいときにする、そのような生活密着型のスタイルがジーンズ/デニムの楽しみ方だと個人的には思う。
筆者:吉本伊吹