好きなマンガを人に言えない

吸血鬼すぐ死ぬというチャンピオンで連載されている漫画のアニメ化が決定した。

以前友人に猛烈に推され、半強制的に読まされたことがある。それはまぁ強引で「どこからでも読める系のギャグマンガだから!1話だけでも読んで!」の一点張りだった。根負けした僕は友人が一番面白いと言っていた”Y談おじさん回”を読んだ。
『面白くない…』初めて読んだ感想はこれだった、もちろん友人には「面白いね~」なんて言ったが、内心面白いとは感じなかった、というよりわからなかった。
それもそのはずでキャラ設定や世界観がわからないまま僕は読んでいたのだ。わからないに決まっている。
改めて後日全巻借りて読むことになったのだが、その時は理解でき、ちゃんと面白かった。

”どこからでも読める系マンガ”には落とし穴がある、僕のようにキャラ設定や世界観を理解していないまま読むと面白くはならない。

こち亀も設定を理解していなければ『え?警官じゃないの?』『中川って金持ちなの?』『電極スパークってなんやねん』となる、まぁ、僕も電極スパークについてはよくわからないが…。
神様が出てマリアが性転換したりと、やりたい放題なマンガなので例として悪い、そもそもこち亀に設定なんて無かった。

何はともあれ、”前提条件”をわかっていないと面白さがわからないモノは多々ある、落語とか歌舞伎とかネ、ほらね、伝統芸能を出せばなかなか否定できないでしょ。

マンガを人に勧めるとき、大まかな設定→自分が好きな理由の順で話す。ここで僕は日和ってしまう、『自分の面白いと思うカ所=相手が面白いと思うカ所ではないよな?』『この緻密な設定を端的に伝えられてるのか?』と…、自分のエゴを人に見せるほど傲慢になれない、見せてもいい、見せてくれと言われているのに…。

いつの日からか、本当に好きなマンガを人に言うことをやめてしまった。
だいたい、”マンガが好き”とだけ言っただけなのにジャンルも聞かず、ストレートで好きなマンガを聞くような強引な奴らは人の話など聞いていない、早々に流して「え~、逆に最近面白いマンガ見つけたんですか?」とパスを投げ返して、うんうんと聞いていた方が賢い処世術だと知ってしまった。

映画や小説などにも同じことが言えるのだが、マンガが好きです=意気投合とはならない。そこには細かいジャンル分けがされており、さらに流派があるように見える。お菓子が好きと言っても和菓子好きと洋菓子好きがおり、さらに、きのこ派たけのこ派がいる。ちなみに僕は和菓子好きのたけのこ派だ。

強引な人からの強引な質問に直球で答えてはいけない、いや、別に言ってもいいのだが、言ったところであまり伝わらなかったりする可能性が高い、もちろん人によるが…。その人は単なる話のきっかけが欲しいだけで、語りだしてほしい訳ではない。なので今流行っていたり、万人ウケするような入り口の広いマンガを相手が求めていたりする。

ただ、そんな事はわかっているが、そこで素直に流行りのモノを口に出したり、相手の好みに合わせることが出来ない、矮小なプライドを守り、相手にマウントを取りたい僕は必殺の言葉を発する、「好きなマンガですか、ん~、結局ブラックジャックですね~」


僕の本当に好きなマンガ?
あ~…、鬼滅の刃です。



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