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botanical artist :10Q10A


1. **ボタニカルアートを始めたきっかけは何ですか?**

植物を通して、何か人の役にたつ活動を考え始めたのは、小学校の時にお客様のご自宅の植物のお世話を家主が旅行中に世話をするサービスを始めた辺りだったと記憶しています。

植物と人の生活が混雑し、絡み合い、ある種、家族のようでもあり、同時にインテリアでもある何か、特別なポジションに植物があるんだな、と、その時強く認識しました。

その後、生物全体に興味を持って、幾つかの植物の育成や株分などをしたり、花道を体験したりしながら、少しずつ少しずつ、自分なりに植物と一緒に暮らす感覚を磨いています。


2. **あなたの作品にインスピレーションを与えるものは何ですか?**

空間と存在と植物ですね。

植物は人為的ではない、何か、独特な形状を持っていたり、存在自体がアートしているので、まず前提として、彼らを活かす事は決定事項です。

あとは住環境やオフィスなど、彼らが存在する空間について考えます。

そして最後に、どう存在させるか、で鉢の形状や素材などを選びます。
今は、その人工物に持続可能性や環境友愛性を持たせるようなテーマに沿って、作品を作っています。



3. **ボタニカルアート制作のプロセスについて教えてください。**

まずは植物と出会って一緒に暮らす処から始まる事が多いです。
例外としては写真作品やドライフラワー、プリザーブドフラワーなどがありますが。

写真作品は一時の時間と空間の共有、ドライフラワーなどは命を途切れさせて、その形状を記録可能な状態にする作業なので。

それ以外は、まず、ともかく、一緒に暮らします。

人間の環境で生きる事に適していない株が落ちたり、販売用に無理に単一に揃えられた子達から個性を蘇らせたり、をする期間を過ごします。

それから作品をとして、形になっていく感じです。

お客様とも、これからも一緒に暮らしていける、そのままの個性で生きている姿をお客様と共有できたら幸いです。



4. **使用する素材や技法にこだわりはありますか?**

植物達に対しては一目惚れか、流通の中で弾かれた子達の救済か、のいずれかの出会いになります。特に品種などにこだわりはありませんが、塊根、多肉、サボテン、チランジアなどが多いですね。

組み合わせる人工物に関しては基本的に環境配慮を常に重要視して考えています。

例えばコンクリート製の鉢植えを作成する際は建設時の廃材と雨水と、また農業残土から、雨水で洗い出した骨材を用いて作成したりしています。

また残土採石にダイヤモンドコアで穴あけ処理を行い植木鉢に仕上げたりもしています。
これから、もっと沢山の技法や素材を試していきたいです。


5. **特にお気に入りの作品や、思い入れのある作品があれば教えてください。**

先ほど例に挙げた雨水で作るコンクリート(=Rain concrete series)は今後も色々と可能性追求をしていきたいシリーズです。
植物自体には、どの子も個性があり、思い入れがあります。

技法に関してはやはり、鉱物×雨水で色々と作れる幅を増やしていきたいです。



6. **作品の販売を始めた理由は何ですか?また、その経験について教えてください。**

元々は対面販売型のお花屋さんをやりたかったのですが、コロナ禍で計画が頓挫してしまいました。
そこから、暫くは自分と植物達の暮らしと戯れ、実験の日々が続いていて、その内、それが作品という形をとるようになり、実店舗が無理ならEコマースでって、形になりました。

今後は対面型のイベント出店なども考えていきたいと思っています。



7. **ボタニカルアートの中で、特に力を入れているテーマやモチーフはありますか?**

やはり環境友愛性の高い作品作りをする事は重要視しています。

ボタニカルアートという枠に囚われずに自然環境とバランスをとって暮らす事、その生き方自体に経済的利得を生み出す仕組み作りをしようと考えているプロジェクト「soil & stone factory」という事業を保有しています。

現状では私の自宅での実験段階にあるのですが、すでに木材ゴミと生ごみの排出0は達成しています。また、猫を飼っているのですが、彼らに関連するゴミの排出も0になっています。

木材や紙ごみは焚き火用の薪にして、生ごみや猫の排泄物はミミズコンポストで処理し、農作物の肥料にしています。

農業地で出る残土や砕石も結局は作品作りに活かすので、ゴミ0+農作物+作品という流れの中で作品を作っていく事が重要なテーマになっているかも知れません。


8. **今後挑戦してみたい技法やテーマはありますか?**

soil & stone factoryの取り組みを流通させられるようにしたいです。
今までの収益点は残土から洗い出した砕石材を用いたコンクリートの提供や、残土引受に限られてきましたが、今後はコンポスト用のミミズが住んでいる培養度、木廃材から作り出した薪や、その薪を燃焼して得られる灰なんかも流通させられたら、楽しいと思っています。

また、それらの循環の中で植物と暮らす為の作品作りそのものも、カルチャースクールとして、出来た作品だけでなく、作る体験も流通させたいと考えています。



9. **作品を通じて伝えたいメッセージや感情は何ですか?**

伝えたい、という訳ではありませんが、持続可能性と表現と経済性の両立は共有していきたいテーマではあります。

SDGsで唱えられるような物事がミクロでも、ちゃんと経済的に機能する事、その中で自分らしくある事、は作品に関わる全ての人と分かち合えたら良いな、と思っています。




10. **ボタニカルアートを通じて、どのような未来を描いていますか?また、読者やファンに伝えたいことがあれば教えてください。**

生きて、活かして、作って、回して、形にして、再利用して、自然と人間が関わり合い、人らしく暮らしながら、自然の中にも混じっていく。

そんな世界観を目指して、制作を続けていきます。


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