見出し画像

【講座レポート】広島叡智学園 第2次選抜(グループワーク)対策講座2023 #2

こんにちは!公立中高一貫校対策のiBASEです。
全国の受検生から高い人気を誇る、広島叡智学園。11月に終えた第1次選抜を突破した合格者を対象に、第2次選抜(合宿形式のグループワーク)の対策講座の第2回が、2023年12月10日にオンライン(Zoom)で開講されました。

全3回の講座の2回目となる今回も、グループワークの実践課題に取り組むことを通して、たくさんの気づきや学びが生まれる場となりました。本記事では、講座の様子をレポート!受講生は振り返りの材料として、ぜひご活用ください。


多くの受検生が陥る”落とし穴”

毎年グループワークの対策を行う中で、多くの受検生が陥ってしまう落とし穴があります。それはグループで「有意義な話し合いをすること」以上に、「”手軽に”素早く結論を出すこと」を優先してしまうような状態のこと。こうして優先順位が変わってしまうと…次のようなことがグループに起こります。

●ある議論に対して「自分は違う意見だけれど黙っておこう」と、思ったことを言わない(言えない)
●十分に検討もされないまま、最初に出たアイディアがグループとしての結論になってしまう

そもそも「議論」というのは、参加しているメンバーそれぞれが違う見方・考え方を持っているからこそ成り立ちます。誰かとの対話によって、一人ではたどり着けない素晴らしい考えに至るために、協力して行うものです。グループワークという入試も、そうやって他者と協働することで「新しい知」を生み出す振る舞いを見ているので、上記のような「事なかれ」的な状況は、評価されるはずもありません。

しかし多くの受検生が「人と違うことを言う」ことの怖さを抱くのは当然のこと。また「場を乱すことをしてはいけない」という同調圧力を打ち破るのもまた、決して簡単なことではありません。では、どうやってこの「落とし穴」にはまらないようにするのか?今回の講座では、この点に焦点を絞ったワークに取り組みました。

意見の衝突を、どう乗り越える?

今回、受講生のみなさんに課された課題は、どう転んでも「意見が衝突する」ようなデザインがされていました。

授業進行用スライドより

受講生の皆さんは、架空のお祭り「iBASE FES」を運営し盛り上げる実行委員。そんな実行委員の「委員長」に誰を推薦するか?について、グループで話し合ってもらいました。候補はライオン・カメ・フクロウ・ウサギ・パンダの5名。それぞれが別々の性格や強みを持っているという設定で、受講生は割り振られた動物の推薦者として、議論に参加しました。

候補者の一例。それぞれに強みや弱みが設定されている。

受講生は議論の上、自分が推薦する動物を実行委員にしなければいけません。他の受講生の推薦する動物の特徴を受け取り吟味しながらも、自分の推薦者の強みは何か?弱みはどう払しょくできるのかーー受講生は頭をフル回転させながら、議論に参加してくれました。

最終的に、各グループで推薦する動物を1人に絞っていきます。
「そもそも、このiBASE FESって何を目指す祭りなの?」「一番、弱みを克服しやすい動物は誰だろう?」「逆に、一番委員長に向いていないのは誰だろう?」など、受講生自身が課題の解決に向けた問いを立て、その問いを対話によって解こうとする姿勢はとても頼もしく、底力を垣間見た気がしました。

グループワークを振り返る

ワークがひと段落した後は、今日のワークについて各グループで振り返りの時間を取りました。講師から提示されたのは、以下のような問いです。

グループワークの「振り返りの問い」

多くのグループが「多数決」によって結論を出したそう。「でも、それってほんとによかったのかな?」「みんな納得できたのかな?」「本当に一番いい答えにたどり着けたのかな?」など、各グループで議論がスタート。

この問い、大人にも答えはありません。状況によっても取るべき選択肢は違います。それぞれがそれぞれの立場で、どんなプロセスを経て、どのように納得解を導くのか。とても骨太で本質的なこの問いに、モヤモヤしながらもたくさんの意見を出し合い話し合いを深めてくれました。

振り返り作文は、どう書く?

今回の講座では、講師から「振り返り作文」の考え方についても詳細に解説。実際に今日のワークを振り返ってみることで、その思考法を少しつかんでもらえたのではないかと思います。

こうしたグループワークにおける学びは、必ず「気持ちの動き」を伴って生まれます。なので「学びを振り返る」ときは「自分の気持ちを振り返る」ことから取り組むのが効果的。漠然となんとなく活動を思い出すのではなく、「気持ちのコンパス」に沿って活動を振り返ることがコツであることをお伝えしました。

ワークを振り返る際に重要な4つの「気持ちのコンパス」

試験当日はいろいろなことが目まぐるしく起こります。せっかく自分に起こった気持ちのゆらぎも、いつの間にか記憶の彼方へ。グループワークが終わったタイミングや休憩時、または寝る前など、自分自身で区切りを作って細かく振り返り記録しておくことの重要性もお伝えしました。

こうした気持ちの変化をもとに、受講生には「表」を使った振り返りのフレームについてもレクチャーしました。今日の授業中は途中までしか埋められなかったと思います。ぜひ家庭学習として、最後まで振り返りを進めてみてくださいね。

おわりに

前回の講座レポートでもお伝えした通りですが、iBASEのグループワークの講座では、講師からポイントをお伝えすることはほとんどありません。

実践的なワークと細かい振り返りの時間を繰り返すことで、大事なことは実際にグループワークに取り組んだ生徒たち自身が言語化します。そしてお互いの気づきや発見をシェアし合う時間を重ねて取ることで、「生きた使える知」を、一人ひとりが持ち帰っていくのです。

また、講座後に「モヤモヤ」して終わっているのは、よい学びの萌し。「なんか腑に落ちない」「納得しきれていない」気持ちが心に渦巻いている人は、ぜひその原因を深ぼってみてください。きっとそこから、さらなる学びが生まれるはずです。

いよいよ次回が最終回。次は面接の対策について触れると共に、自分について分析したり、深く内省をしたりするワークに取り組みます。これまでとは一風違う「自分との対話」がメインのワークになるので、ぜひ楽しみに参加してくださいね。

※講座案内はこちらから

※第1回のレポートはこちらから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?