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2050年の日本:多様性とイノベーションに向けた挑戦とチャンス

なぜ書くか

Diversity&Inclusion(ダイバーシティ・インクルージョン ※以下D&I)というコンセプトがビジネスの世界において重要になる中、日本に住む約1億人には細心の取り組みやトレンドを学ぶ機会が多くありません。Every Inc.では「HRからパフォーマンスとワクワクを」というビジョンを掲げ、グローバルな取組みやアカデミックな文献からD&Iに関する歴史、取組み、事例など”日本なら”ではなく、”グローバルスタンダード”な情報を提供しています。

SHRM Annual Conference 2023 In Vegasに参加してみた

SHRM(The Society for Human Resource Management)は、アメリカに本拠地を置く世界165カ国以上で31万人の人事プロフェッショナル会員が存在する世界最大の人事プロフェッショナル組織。70年以上にわたり、SHRMは人事プロフェッショナルのニーズに合ったリソースを提供し、人事マネジメントの実践を推進しリードしてきた団体です。

この度アメリカラスベガスで開催されたSHRM Annual Conference in Las Vagasは、世界的に有名なスピーカーの講演をはじめ、275名以上のスピーカー、230以上のセッションがあり、企業文化、報酬と福利厚生、グローバルな雇用法と規制、テクノロジー、DEI、人材管理、組織の効果と戦略的計画などなど… さまざまなテーマについて学ぶことができます。

2050年の日本:多様性とイノベーションに向けた挑戦とチャンス


カンファレンスに参加した私は、多くの刺激を受けたわけですが

「日本は今の問題意識・方向性でいいの?」

と感じたわけです。

2050年の日本について考えてみたいと思います。国連経済社会局人口部が発表した「世界人口推計(WPP2022)」によれば、世界の人口は73億人から97億人まで増加する一方で、日本の人口は1.27億人から0.95億人に減少すると予測されています。

日本の人口減少と経済への影響

2050年の日本では、生産年齢人口(15歳~64歳)が2005年時の0.84億人(人口の66.1%)から2050年には0.49億人(51.8%)に減少すると予測されています。少子高齢化による労働力の減少と地方の過疎化という問題が浮き彫りになります。これにより、日本の企業経営にも大きな影響がある事は、間違いありません。

企業経営と「人的資本情報開示」

日本国内のHR界では、「人的資本情報開示の義務化を起点に、官民一体となり「よりよい社会」を作っていこうという動きがあります。その基盤となった規格が「ISO30414」です。

しかし、このISO30414はグローバルHRカンファレンスで一切話題に上がりませんでした。本当に私たちが多くの時間を費やす取り組みは、よりよい社会へとつながっているのでしょうか。何か大事なことを見失っているのではないでしょうか。

(図)ISO30414はカンファレンスのテーマになっていなかった

DEIと外国人労働者の増加

将来目指すべき姿の指針とは別に、今現在日本で起きている変化をおさらいしてみましょう。

外国人労働者の数は増加し続けています。厚生労働省が発表した「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)」によれば、外国人労働者数は前年比95,504人(対前年増加率は5.5%)増加し、過去最高の1,822,725人となりました。これにより、日本は多様性を受け入れる準備を迫られています。

日本でのDEIへの挑戦

少子高齢化・労働人口の減少を補うため、日本に多様性を迎え入れるインクルーシブな環境が求められますが、2022年の日本はジェンダー・ギャップ指数で146か国中116位と、先進国の中で最低レベルとなっています。また、G7諸国の中で同性婚を認めていないのは日本だけです。

このような状況では、日本国内でのDEI(多様性、公平性、包含性)の実現に向けての道のりはまだまだ遠いと言わざるを得ません。

テクノロジーと未来への展望

一方、テクノロジーの進化は止まりません。ChatGPTのような最新のテクノロジーは、Instagramが2.5カ月かけて獲得した100万人ユーザーをたった5日で獲得するなど、私たちの生活や仕事に大きな影響を与え続けることは間違いありません。(カンファレンス内では2.5カ月と言われていましたが、新しくリサーチした結果、5日であることが判明しました。Instagramが2.5カ月・ChatGPTが5日だとの事です。セミナーに参加下さった皆様、情報に語弊があり申し訳ございません)

新しい時代の到来に。
情報・準備・仲間はいますか?


このようなVUCAの時代に、私たちはどんな問いを立てるべきなのでしょうか?状況を悲観的にとらえるのではなく、チャンスと捉え、新たなイノベーションの可能性を探るべきです。

情報を持ち、準備をし、仲間と共に学び合うことが重要です。弊社では、そのような機会を皆さんと共有したく「グローバルトレンド勉強会 for HR」を立ち上げました。

お申込みは上記お写真をクリック

全5回 39,000円(税抜)@1名
※すべてオンラインでの開催
※お申込者は、全ての回でアーカイブ配信(見逃し配信)あり
※途中からの参加も可能(ご都合の良い日に参加ください)
※いずれか1Dayのみのご参加も可能です。詳細はお問い合わせください。
※複数人数での参加、代理での受講は承っておりません。

グローバルトレンド勉強会はきっかけの場です。多様な視点とアイディアが交わることで、未来への展望が広がり、持続可能な社会への道が開かれることを願っています。ご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

最後までお読みいただき有り難うございました。


著者紹介:松澤 勝充(Masamitsu Matsuzawa)

神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事。2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。採用や人材育成、評価制度など、企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した4カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶHRBP講座を展開している。

保有資格:
・Senior Professional in Human Resources – International (HRCI)
・Global Professional in Human Resources (HRCI)
・The Science of Happiness(UC Berkeley)
・DiSC認定トレーナー
・HR Management and Analytics: Unlock the Value of Human Capital(The Wharton School)
・ピープル・アナリティクス(authorized by the University of Pennsylvania)
・ポジティブ・サイコロジー・ワークショップ(Japan Positive Psychology Institute)、他


Global な情報をインプットしたい方はこちらもご覧ください。

参考文献

WPP2022(国連経済社会局人口部発表の世界人口推計)

ISO30414(「人的資本情報開示」に関するガイドライン)

https://www.cas.go.jp/jp/houdou/pdf/20220830shiryou1.pdf

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」(令和4年10月末現在)

G7の同性婚認可状況


頂戴したサポートでHRプロフェッショナルを目指す人々が学び続ける環境・場所・情報を作りたいと考えております。少しのサポートで活動が継続できます。大変ありがたいです。