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【詩】【エッセイ】わたしは幸せになる。「孤独なんか」「きみはきみ」「ウミ、かのひと」

孤独なんか

孤独なんか愛してたまるか。
わたしは幸せになる。

この地を掴むのは私の足指、
足裏から踵へ
肌を赤くする血潮。

孤独のために死んでたまるか、
きみのために死んでたまるか。


きみはきみ

きみがきみにならずに、
誰がきみになるのか。

胸に手を当てることを恐れるな、
誰もきみの心を侵せやしない。

安らぎに浸り目を閉じることを恐れるな、
誰もきみを喰らえやしない。

きみというものを侵し喰らうとしたら
それはきみ、
なにかを恐れて
狂うきみ。

なにものにも
きみを
狂わせしめるな、

この街道をひた走る
きみはきみ。



ウミ、かのひと

しあわせにはいつも足枷が付き纏い、
平穏はわたしにナイフを突きつける。

首からつうと伝う血。
赤は涙の色だ。

傷を拭う手があった。
ぐじゅぐじゅの傷痕を拭いてくれるひと。
手をとって立ち上がらせてくれるひと。

このひとの手だから
傷に巣食うウミはすこしずつ消えて、
このひとの手だから
わたしはついていく。

ついていく。
うでを引かれて。

こわいくらいの月夜、
すべてを呑み込みそうな
暗いウミをこえて。



さいごに

どうして若い心は、じぶんを見失いたがるのだろうと近頃感じます。

わたしはじぶんの身体を離れたくありません。
苦しんだ魂が身体の外へ出ようと暴れるのは、
言いようがないくらいにつらくて痛いことだと思います。

わたしは、どこにも行きたくありません。
ただ、わたしの中にいたいのです。

そんなシンプルなことが、
ときにはわからなくなります。

今回の詩は、そんな暴れ出る魂を身体のうちに引きとめるために書きました。

魂がわたしの胸の真ん中の椅子にきちんと座って、
わたしの目をとおして世界を見、
わたしの手をつかってごはんを食べて
わたしの足にのって外に歩いていけますように。

3編目の詩は、
わたしのなによりもたいせつな方に向けたものです。
せっかくならもうちょっと綺麗なものが書けたでしょ、と思わないこともないのですが…

このひとがいてくれたから、
このひとの歌があってこのひとの姿があったから、わたしは今でも生きていける。
そういう気持ちをいつも忘れたくなかったので
思いつくままに書いてみました。

それでは、今回はこのあたりで。

みなさまに、一分一秒でも多くの平穏が訪れますように。

さいごまで読んでいただき、ほんとうにありがとうございました。

Mei(メイ/明)

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