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メルボルン旅行記:コーヒー編

世界には住みやすい街と呼ばれる都市が多数存在する。「全米一住みやすい街No.1」として日本でも多くのメディアで取り上げられたオレゴン州ポートランドや「世界一幸せな国」でお馴染みデンマークの首都コペンハーゲン等。少し前だが(去年の旧正月)その1つによく挙げられるオーストラリアのメルボルンに行ってきたので、その時の話。

エコノミスト誌「世界一住みやすい都市」ランキング

メルボルンは、英誌エコミニストが毎年調査している「世界一住みやすい都市」ランキングで、2010年から7年間連続1位に選ばれていた。調査は世界140都市について、政治的安定性、社会的安定性、犯罪率、教育、健康医療制度の利用のしやすさ等の項目を評価し、順位付けされる。ちなみに昨年度のランキングは下記の通り。日本から2都市選ばれているのは少し疑問に思う点があるかもしれないが、この評価基準なら日本の都市が上位になるのは頷ける。

2018年版世界で最も住みやすい都市(エコノミスト誌調べ)
1位:ウィーン
2位:メルボルン
3位:大阪
4位:カルガリー
5位:シドニー
6位:バンクーバー
7位:東京
8位:トロント
9位:コペンハーゲン
10位:アデレード

メルボルンに加えオーストラリアからシドニーとアデレードが選ばれているのも印象的だ。個人的に住みやすい都市には、おいしいコーヒー、バイクフレンドリー、多様な食文化の3つは欠かせない条件だと思う。メルボルンについて、この3編に分けて掘り下げる。まずは、コーヒー編から。

コーヒーの街:メルボルン

オーストラリアでのコーヒーの頼み方

オーストラリアのエスプレッソ系コーヒーの影響が強いシンガポールは同様の呼び方をするが、初めてオーダーをする人は戸惑うだろう。オーストラリアのコーヒーの種類は、主にBlackとミルク入りのWhiteに分かれ、Blackはお湯の量、Whiteはミルクの量等によって更に何種類にも分類される。

スターバックスコーヒーが撤退

オーストラリアからスターバックスコーヒーが、撤退したというニュースは衝撃だった。実際は複数店舗営業しているが、直営店ではないそうだ。ローカルなカフェが根強い人気を誇り、スターバックスは流行らなかったそうだ。オーストラリアはイタリア移民の影響で伝わってきた伝統的なエスプレッソ系コーヒーのイメージが強いが、サードウェーブコーヒーシーンも、かなり人気とのことで期待したい。

サードウェーブコーヒー

サードウェーブコーヒーについては、もはや説明不要だろう。スペシャリティーコーヒーと呼ばれる全体の流通量の5%しかない上質な豆の中でも産国、生産地、処理方法が明確になっていて、ブレンドされていないシングルオリジンを使用している地域ごとに異なる風味を味わうことが出来るコーヒーだ。個人的にはエスプレッソよりも厳選された豆をペーパーフィルターを通して抽出する所謂ハンドドリップやフィルターコーヒーのタイプが好みである。私が住んでいるシンガポールでは、オーストラリアのエスプレッソ文化が浸透していることもあり、エスプレッソコーヒーを出す店が中心。ラテアートがインスタ映えすることも影響しているだろう(多いに)。もちろん間違ってはいないが、コーヒー=ラテと認識している人が多い(気がする)。日本でも同じかもしれないが、これもSNS時代の弊害か。本当に重要なのは、言わずもがなコーヒーの味だろう。

メルボルン コーヒーカルチャー

Market Lane Coffee

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日本人ロースターの方がいることで日本でも有名なMarket Lane Coffeeの本店へ。サードウェーブコーヒーの先駆けでもあり、メルボルンのコーヒーカルチャーを知るうえでは、避けては通れない。市内に5店舗あるが、こちらの店舗とクイーンヴィクトリアマーケット店は、名前の通り実際にマーケット(市場)に併設されているようだ。店内のスペースは広く各国の豆やコーヒーグッズが、販売用に見やすいように置かれている。バリスタはコーヒーの味や抽出方法の説明を欠かさない。

奥のガラス張りの部屋には、焙煎機が置かれておりロースターが作業をしている様子も見える。お客さんが、コーヒーを最大限に楽しむことが出来る仕組みが整っている。オーストラリアでは、ブランチと一緒になってコーヒーを提供している店が多いが、ここはコーヒーに絞っている。まさに、コーヒーショップだ。

日本語でどのように形容していいか分からないが、思わずSo neatと言いたくなる。秩序立ってて、且つカッコいいって日本語だと何と表現すれば良いのか。

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3種類の違う産地の豆を味わいながら飲めるメニューを頂き、極上のコーヒーを頂く。コーヒーの味も然る事ながら、コーヒー豆の種類を記載した紙も素晴らしい。コーヒーを通して行ったことの無い場所に、いるような感覚を覚える。

バリスタや周りのお客さんと話しながら、コーヒーを楽しむ。まさに良いコーヒーショップの条件が、全て詰まった店だった。

街と人とコーヒーと

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こちらは、ヴィクトリアクイーンマーケット内の店舗の写真。街の象徴的な場所にコーヒーショップが入っていることも、いかに街の人たちにここのコーヒーが愛されているかが分かる。それを示すもう1つ象徴的なことは、Market Lane Coffeeのテイクアウトカップに書いてあるメッセージだ。

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“We love to make coffee for the city that loves to drink it.”

-私たちはコーヒーを飲むことを愛している街(の人)のために、コーヒーを作ることを愛しています。-

まさに、メルボルンのコーヒーラバーズへのラブレターというべきか。「たかが一杯のコーヒーに500円も払うのか。」という人は多いけど、100円のコンビニコーヒーと愛情のこもった500円のコーヒーのどちらを選ぶだろうか。

私なら無論、後者だ。

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