解説-あいみょん_ハルノヒ_

解説-あいみょん「ハルノヒ」

■家族愛を歌うフォークソング

こんにちは!松岡(@iamkisimen)です

「アニメタイアップ」で
「家族愛」をテーマにしているにも関わらず
ホッコリし過ぎず
ちょっとヒリヒリ色気のあるフォークソングってスゴイな!
と思ったコノ曲を
分かりやすく解説してみようと思います!

---
あいみょん「ハルノヒ」
リリース:2019年4月17日
作詞・作曲:あいみょん
info:あいみょんのメジャー7枚目のシングル。
アニメ映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン
〜失われたひろし〜』の主題歌。

---
あいみょん – ハルノヒ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】


■「ハルノヒ」=「春日部市」

タイトル「ハルノヒ」は
臼井儀人「クレヨンしんちゃん」(双葉社)の舞台である
埼玉県春日部市に由来しているそうです。

タイアップの設定を踏まえて
タイトル付けたり作詞出来ているのって
ちゃんとアニソンしててスゲ~いい!です

しかも、アコースティックギターや
ナチュラルなバンドサウンドと
親和性高いし、すごくいい名前!

タイトル大事!

-----------
『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』
主題歌:あいみょん「ハルノヒ」スペシャル映像

----
突然ですが、ちょっと寄り道。

このタイトルの由来を知って
即、連想したのがコレです

PUFFY『これが私の生きる道』(1996)
作詞・作曲は:奥田民生

タイトルは植木等・ハナ肇とクレージーキャッツの
「これが男の生きる道」のパロディ。

さらに資生堂『ティセラ』CMソングとなりヒット。
タイトルに含まれる漢字を繋げると「私生道(しせいどう)」となり、
タイアップ元の「資生堂」の当て字になるという遊びが取り入れられている。

という天才の離れ業というか茶目っ気というか。。。

とにかく、このヒト捻りがすげ~大事だと思います。
粋な感覚!

■北千住駅

歌い出し
1A「北千住駅のプラットホーム~」
2A「北千住駅を フワッと歩く~」

とあります。
北千住(東京都足立区)は、クレヨンしんちゃんの
ひろしがみさえにプロポーズした場所、だそうです。

結婚前の思い出の場所なんですね。

あいみょんは影響を受けたミュージシャンに
浜田省吾、吉田拓郎、河島英五など
フォーク系の男性シンガーソングライター
を挙げているようですが

具体的な地名を歌詞に織り込むことで
聞き手がより鮮やかにシーンを思い描くことができる
、というのは
フォークやヒップホップの詞で頻出する手法です。

■だらしなく帰る場所

クレヨンしんちゃんの父「ひろし」目線で綴られる
この曲の歌詞で、僕が一番グッときたのは
2番サビです

どうか未来が こちらに手を振ってほしい
日々の辛さと僕の体が
だらしなく帰る場所を探し続けている
ほら もうこんなにも夕焼け
いつかの灯り思い出すとき
大切に気づくのでしょう

全体的には
暖かなラブソング、なのですが

「日々の辛さと僕の体が だらしなく帰る場所」
と、日々の仕事の疲れやストレス(葛藤)を
目を逸らさず描写することで
リアリティーがグッと増し、
より刺さる歌になっていると思います。

「だらしなく帰る場所」
ってなかなかサビで書けないですよ!

あいみょんは2019年春時点で
「リアリティーを歌う次世代女性SSW代表」

って印象なのですが

スイートな曲も攻撃的な曲も
本当に歌詞が素晴らしいです。

■大胆な展開~間奏のシンセ/エンディングのAGt

通して1曲を聴いたときに
驚いたこと!
それは展開の大胆さです

①バンドサウンド
が主体でありつつ、

②シンセ主体のマシーナリーなサウンド
③ギター弾き語りのようなサウンド

にも、自然に展開していきます。
具体的には下記。

①イントロ~2番サビ+最後のサビ
は、ギターや生ドラムが主役の
ナチュラルなバンドサウンドですが

②間奏(3:24~)
派手目のシンセ+フィルターなど
マシーナリー(機械的)なサウンドに急展開します

が、
(3:34~)あたりで、フィルターがオフ。
再びバンドサウンドに戻ります。
(この間、ほんの10秒ほど)

そして
③ラストサビ明け(4:40~)
まるでギター弾き語りを
すぐ目の前で聴いているかのようなアレンジ
になり

(5:05~)
「小さく揺れる影を踏む幸せ」
箇所では、リタルダンド
しながらエンディングを迎えます。

※リタルダンド
=音楽の速度標語。テンポを次第に落としてゆく表現方法。
略称は 「rit. 」または 「ritard.」。

っていうところで、
僕が連想するのがコノ曲です
-------
星野源 - アイデア【Music Video】

「アイデア」は
①バンド②MPC③弾き語り、と展開することが
演出としてかなりPUSH
されていたけど

あいみょん「ハルノヒ」は
それをより自然にやっていて

あらゆるものの距離はやがて縮まっていくのだなぁ!
と感動しました。

小さく揺れる影を踏む

全体的に歌のメロディのリズムは
素直な感じですが

ラストサビの最後のライン(4:38~)
「大切を増やしていこう」

3連符ぽい感じでギュッと音符を詰め込み
曲のピークへ到達

そしてその後

住み慣れた駅のプラットホーム 水色に挨拶
「お帰りなさい」と 小さく揺れる影を踏む幸せ

あれ、北千住から引っ越したの?
そうですね。

「住み慣れた駅」=「春日部」
家族が増え、幸せを感じるシーンで
エンディング。

「水色」は春日部駅の屋根を表しているのでは?
という説もあるそうです。

家族と顔を合わせるシーンを
「小さく揺れる影を踏む」
と婉曲的に描写している部分にも
表現力を感じます。

これだけバッチリ家族愛を描いている
アニメ・タイアップ曲なのに、
ヒリヒリするような実感と
色気のある歌に昇華出来ている
あいみょんは本当にスゴイよ!

■いつでも笑顔でいるのはリアルじゃない

あいみょんはリアリティーを描く
次世代女性SSW代表!
と感じるのですが

あいみょんのアーティスト写真は
割とクール目の表情のものが多い印象
でして、、

そんなことを思っていたら
イラストレーターのJenny Kaoriさんが
Billie Eilishについて言及してるツイートを連想した。

こういうとこにも時代のムードを感じます

----

いかがでしたでしょうか??

この記事、「全文公開+投げ銭」スタイルなので
もし「結構面白いじゃん」と思ってもらえたら
チャリーンしてもらえるとウルトラ助かります


■オンラインレッスン受付中

DTM/作詞作曲/ギター/ボーカル
オンライン・レッスン受け付けています

※レッスンのお申し込みはコチラ※

よろしくお願いします!!!!

それでは! 松岡(@iamkisimen)でした!!

----

※歌詞・コード引用:楽器ME※

関連記事



ここから先は

0字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?