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素敵な映画の感想と、エッセイ②

素敵な映画を観た。

エンドロールで主題歌が流れ始めて、物語を味わった満足感に包まれる。あぁ、良い映画だったなぁ、主題歌もいいな。THE CHARM PARK?聞いたことないけど声もメロディも凄く心地良くて、明るい森の中でそよ風に吹かれながら歩いてるみたいだ。後でちゃんと聴こう。
そんなことを考えていたら照明がついて、席を立つ。

「まともじゃないのは君も一緒」は3月19日公開。公開翌日に飛ぶように観に来てしまった。予告を最初に観た時から面白そうだと思っていた。

予想的中。面白かった。主人公2人の掛け合いがクスッと笑えて、温かくて、最後は少し背中を押してもらえたような気持ちになれる映画だった。

人の陰口ばかりを話題にしている女の子グループの会話がつまらないと感じている女子高生と、数学が好きで、女子高生から普通じゃないよねと言われる予備校の先生。
女子高生は普通を知ったかぶってどこか斜に構えているが、先生は少し不器用だけど目の前の人と真っ直ぐ向き合って話す。その組み合わせ、対比がカッチリはまっていて、会話の掛け合いが何とも面白い。

「普通を学ぼう」というテーマで、2人は作戦を立てて行動していく。

普通って何だろう。
これはこの映画のテーマとしてもずっとベースに横たわっている。何が普通?周りの人がみんなそうだから普通?誰が決めたの?
映画を観て気づいたが、日々過ごしていると、「普通」はゆっくりと自分の体内に浸食してきて、徐々に自分の自由を奪う毒みたいなものだと感じる。

働いていると、あらゆる場面で「普通」と接触する。「社会人なら普通これやるよね」「後輩なら先輩の代わりにこれやるのが普通だよ」「この部署ではこれが普通だよ」みたいな。
1つだけならダメージもあんまり無いけど、1個1個積み上がって、少しずつ窮屈になってくる。「朱に交われば赤くなる」なんて言葉もあるから余計ややこしい。普通普通と言われると、段々そんな気がしてきてしまうのだ。でも、自分に合ってない普通はちゃんと体と心は分かってる。窮屈なのって、ふと力を抜いてドッと疲れを感じた時に初めて気づいたりするよね。あぁ、なんだか窮屈だなぁ、みたいな。

昨今多様性の時代だし、昔よりは「普通」の毒って減ってきてるのかもしれない。でも油断すると、まだまだ普通に流される。
だから私も、普通の波に呑まれて溺れないように、「人生楽しんでいこう」「学ぼう」「人を喜ばそう」「人と仲良くなろう」って自分で決めた考える時の癖?理念?みたいなものを意識して、日々暮らしていきたいと思う。

少し話が長くなってしまったが、この映画は、「これが普通?なんて気にしなくていいよ。」って言ってくれている。言葉にするとありきたりに聞こえてしまうが、映画を通じて改めて身に沁みると、少し背中を押してもらえる。ちょっと元気になる。そんな映画だった。

それにしても清原果耶さん演技上手いなあ。表情豊かで、とても好きです。

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