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Awesome City Clubが仇を打つ

映画花束みたいな恋をしたが素晴らしかった。その映画のインスパイアソングAwesome City Club 勿忘が世間でもヒットを飾った。

とここでApogeeというバンドをご存知だろうか。
2006年にデビューしたRadioheadやThe Flaming Lips、ブラックミュージックをルーツにしたオルタナティブバンドである。星野源をはじめSuchmos、Official髭男dism、藤井風など今当たり前に日本のブラックミュージック化が進んでいるが、その最初の狼煙をあげたのはApogeeというバンドだった。デビューアルバムFantasticは今聴いても星野源のPOP VIRUSと同じ地平にいる。

当時Apogeeを聴いて日本の音楽が変わるとドキドキしていたが、夜間飛行ならぬ低空飛行で気づけば記憶の片隅に。才能センスがいくらあっても売れるか売れないかは別物である。なぜあのバンドは売れなかったのかをたまに考えてしまう。

そんな時にAwesome City Clubが登場した。
勿忘の作曲とアレンジはなんとApogeeのボーカル永野亮。メンバーはApogeeのファンでオファーしたということだ。

スポーツの世界でも選手時代には日の目を浴びることはなかったが、監督指導者になって才能が開花し名将と呼ばれることが多くある。勿忘のヒットで15年ぶりにApogeeの仇を打ったのだ。

特筆すべき点は、坂元裕二はAwesome City Clubのファン、Awesome City ClubはApogeeのファンだったということ。

売れる売れないの前に、まずは丁寧に種を蒔いて個人的なファンになってもらえれば、いつかどこかのタイミングで形を変えてでも実を結ぶことがある。

最後に勿忘草の花言葉で締めたい。
「私を忘れないで」