いああううう

週1エンタメ感想文。

いああううう

週1エンタメ感想文。

    最近の記事

    玉田企画 영(ヨン)

    配信で観た前作の『夏の上の砂』があまりにも良かったので、今回生の舞台で観劇することを決めた。配信は気になる劇団を簡単にチェックできる絶好の機会なので間口を広げるために全劇団取り入れて欲しい。 10周年を迎えた最新作は本番ギリギリに仕上がった戯曲の影響もあり構成や演出に多少気になる部分はあったが、それでも演劇とコントの間を縦横無尽に行き来し充分楽しめる内容だった。 バイオレンス作品で人気を博した脚本家の主人公が本当にやりたかったラブストーリーの作品にチャレンジして苦悩する物

    スキ
    26
      • 映画館 Stranger

        東東京の菊川に新しい映画館が誕生した。そのこけら落としの上映作品がゴダール。勝手にしやがれや気狂いピエロ、女は女であるを学生時代背伸びをしながら観ていた。今回80、90年代のより難解さが増す作品が上映されるということで一度は敬遠したが、ゴダールがつい先日逝去され追悼の意を込めて急遽足を運んだ。 初めて訪れる菊川駅。映画の前に腹ごしらえをしようとその付近を散歩してみたらすぐに愛する定食チェーンのやよい軒を発見した。やよい軒から約30秒で到着する映画館なんてこれだけでファンにな

        スキ
        60
        • 野田地図 Q:A Night at the Kabuki

          3年ぶりの再演。倍率も高いし初演を観たから今回はスルーと思いつつ、追加公演の知らせが届いたその日に何の気なしに応募してみたらまさかの当選。何かに導かれながら池袋にある東京藝術劇場へ乗り込んだ。 松たか子、広瀬すずをはじめとした人気俳優にロミオとジュリエットやQueenの音楽が混ぜこぜになった煌びやかな建て付け。その奥には残酷な史実が待ち受けていてひたすら驚嘆。これが野田秀樹の真骨頂。遠い昔の話を目の当たりにした我々はどうやって現代を生きるのか考えるきっかけを作ってくれた。

          スキ
          45
          • 沖田修一 さかなのこ

            海にプカプカと漂うような心地よさがずっと続き気づいたらエンドロール。今まで味わったことのないとても不思議な映画だった。 物語的には特にこれといった事件性もなくのんびりとしていたが、役者全員が良い味を出していて目が離せなかった。特に柳楽優弥の演技は可笑しさと切なさのバランスが絶妙で、そろそろ是枝裕和と再タッグを組む日が来るかもしれない。 観る前は好きを突き進むことが大事だと押し付けがましい内容かと思っていたらサクっと肩透かしを喰らった。母親やヤンキー達と同じ目線でミー坊をた

            スキ
            64

            濱口竜介 ハッピーアワー

            愛する作品はその時々の心情や年齢によって捉え方が変わるから何年かに一度は観直したい。濱口竜介を知るきっかけとなったこの作品もその一つだ。 観る前は無名の演者と上映時間5時間越えというすこぶる高いギャンブル性に不安を覚えたが、観終わった後こんな作品を待っていたんだと心が震え確実に自分の人生が豊かになる貴重な体験をした。 30代後半に差し掛かった女性4人の友情が1人の抱えていた秘密と失踪をきっかけにゆっくり静かに壊れていく。各々パートナーとの関係や自分の気持ちを問い直し霧が晴

            スキ
            37

            おげんさんといっしょ 2022

            高いハードルとマンネリを軽々と越えるように豪華な夏祭りのセットで1曲目に歌われる竹内まりやのプラスティックラブ。見た目の可笑しさと奏でる音楽のクールさの対比がなんとも洒落乙。 ここ最近ではおんがくこうろんやサブスク堂、YouTubeで好きな音楽やルーツを語ることを次々に展開し、リスナーの新たな音楽体験のきっかけ作りに勤しんでいる。丁寧な種まきによって自分の生み出す音楽の聴き方が深まり、より純度の高い作品に挑戦しようとする用意周到さに脱帽。 そしてクレイジーキャッツやドリフ

            スキ
            49

            イデビアン・クルー ヘンシン

            6月のソロ公演に続いてクルーの最新作。この短期間で井手茂太の作品を連続で体感できる2022は奇跡の年ではないか。 照明をフィーチャーすることでよりシンプルになった舞台美術。 受け取る側がいくらでも解釈できる詩のようなダンス。 ヘンシン前は子宮の中の無個性なお玉杓子、ヘンシン後は産み落とされ自我を持った人間たち。2001年宇宙の旅を初めて観た時のような新しさと懐かしさを同時に手にすることができた。個人的には大縄跳びを違和感なく組み込むユーモアが堪らなかった。 身体を動かすこ

            スキ
            42

            藤井風 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022

            ナンバーガールがライジングサンの出演を果たし解散の発表を行った。そんな事実が霞むくらいの衝撃をこの男がカマしてくれた。 当初出演予定だったvaundyの代打として急遽石狩に向かいストロングスタイルのピアノと歌のみでステージに立った。vaundyをはじめ残念ながらキャンセルになってしまったミュージシャン達の曲を次々とカバー。限られた準備期間の中で歌も演奏も選曲も実にお見事だった。この日以降カネコアヤノの祝日ばかり聴いている。 中学の頃から始めたYouTubeとやっていること

            スキ
            72

            岡野陽一 岡野博覧会

            佐久間宣行の絶賛ツイートを見てすぐさま配信チケットを手に入れた。信頼する人の発言はどんな広告よりも効果がある。 風船を手の届かないところに引っ掛けて泣いている少女。そにに岡野がやってきて風船を取ってあげると思いきや長い棒ですぐに割るという衝撃的な始まりからクズ芸人としての生き様をたっぷりと魅せつけられた。 泥棒、詐欺師、努力する人間を全否定、どっちに転んでも怒る人など人間の汚い部分を抽出し笑いに昇華する。 借金地獄で地べたに這いつくばったことで生まれた想いや感情がどのキ

            スキ
            44

            ロロ ここは居心地がいいけど、もう行く

            今年は映画よりも演劇を沢山観る年。気になる劇団は時間とお金をかけて足を運び何かを感じたい。演劇は観ている時よりも観終わったあとに思い出して感動することが多々ある。この作品もそうだった。 高校の同級生だった2人が、先生と母親の立場となり20年ぶりに文化祭で再開する。長い時間をかけてそれぞれの人生を歩み変化した2人だが、会話の掛け合いや距離感は当時のまんま。どんなに時間が経っても変わらないものが必ずある。 隣り合わせの旧校舎と旧旧校舎の豪華なセット。そこで交互に展開される会話

            スキ
            54

            ストレンジャー・シングス シーズン4

            Netflixを一旦休止しようと思っていた矢先この作品がちょうど配信されまんまと継続を決めた。 エピソードごとのクオリティとスケールが何倍もパワーアップされ時間はたっぷりと要したがようやく観終え大満足。すべて完結するシーズン5が待ち遠しくなる終わり方も良かった。 その中でも闇の世界に取り憑かれたマックスが好きな音楽や友達との楽しい思い出を支えにして何とか脱出するシーンに胸を打たれた。 ありえない展開がひっきりなしに続く中、日常の尊さにふと気付かされる。何度もリピートして

            スキ
            50

            ハイバイ ワレワレのモロモロ

            何年か前に五反田団の新年工場見学会で初めてハイバイの演劇を観た。内容はガチンコファイトクラブのパロディで、過剰演出の大喧嘩を夢中で観ていた学生時代を思い出し大爆笑。その時からいつか単独公演に行きたいと思い今回ようやく実現した。 演者自身が実際にあった酷い話を演劇で昇華するという企画でタイトル同様ユーモア満載。すべらない話の演劇版のようで私たちの人生は如何様にでも面白くできる。 オープニングエピソードで演者がシャワーを浴びながら何気なくMy Little Loverのmen

            スキ
            37

            星野源 異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)

            ドラえもん、マリオに続いて今度はオバケ。テーマがどんなに特殊であろうとちゃんと美味しく料理する一流の腕前。 おばけがでるぞという一回聴いただけですぐに覚えられる強烈なサビに比べ、AメロBメロのお洒落で複雑なコード感がたまらない。 毎回毎回一曲の中でできる限りの全てを詰めこむ真摯さ。今まで聴くことのなかった囁く歌唱法など表現力がパワーアップ。 そしてMVのオバケダンスで我々を巻き込む術は言わずもがなだ。 次回はサンリオかディズニーでどうぞよろしくお願いいたします。

            スキ
            40

            PJモートン Watch The Sun

            昔は週一で通っていたCDショップも気づけば半年に一回ぐらいになり、Amazonやサブスクの台頭で私たちの生活はガラッと変わってしまった。 そんな中先日新宿に出掛けた際少し時間が空いたので久しぶりにタワーレコードへ行ってみた。色々なコーナーを歩き回り、R&B・ソウルの試聴機に足を止めそこで出逢ったのがPJモートンの『Watch The Sun』。昔よくやったジャケ買いを思い出だすかのように正方形のグラフィックデザインに心が躍る。 中身もニューソウルを彷彿とさせる音楽であのス

            スキ
            34

            ヨアキム・トリアー わたしは最悪。

            久しぶりにインパクトのあるタイトルとビジュアルに惹かれ気づけば新宿の映画館にいた。中身は置いといて万引き家族と同様にネーミングセンスで売上はだいぶ変わる。 どんな境遇でもここではないどこかへと常に物足りなさを感じている主人公。キラキラとリアリズムが入り混じったロマンティックコメディと人間の揺れ動く心模様を丁寧に描いたヒューマンドラマがたっぷりと詰まった2時間だった。 時間が一時停止し目の前にいる彼氏を差し置いて気になる男性に会いに行く中盤のシーンは映画ならではの魔法がかか

            スキ
            36

            劇団アンパサンド サイは投げられた

            以前から気になっていた劇団。上演時間ずっと笑いっぱなしというツイートを多く見かけ急遽観劇することを決めた。狂うぐらいの暑さの箱の中、貸してもらった団扇を仰ぎながら観る舞台はとても新鮮で貴重な体験だった。 枕投げの練習をするしないであーだこーだ言っている契約社員の2人。コピーを間違えて何百枚の紙が無駄になり落胆しながら鶴を折る契約社員。正社員がいない部署で部長の文句を言いながらもきっちり仕事をこなすお局の契約社員。突然ヘルプとして現れる情緒不安定な正社員。 どこかにいそうで

            スキ
            36