ルーズヴェルトとは何者だったのか
今回はアメリカの32代大統領ルーズヴェルトの出自について紹介します。久保田政男翻訳、モルデカイ・モーゼ著『あるユダヤ人の懺悔――日本人に謝りたい』の中に次のような話があります。
ルーズヴェルトの起源
(中略)
※フランクリンの父親はジェームズ、母親はサラです。
久保田政男とモルデカイ・モーゼ
この著作の著者は実際は翻訳者の久保田政男氏であって、著者は決してユダヤ人のモルデカイ・モーゼではないという話もあります。
久保田政男氏は『フリーメイソンとは何か』(1981年)、『魔性の傀儡師フリーメイソン――その世界戦略に日本は踊る』、『ユダヤを操るロックフェラー帝国の野望――世界経済支配の最終シナリオは完成した』(1987年)などの著作があり、国内外でのフリーメイソンに関する動きなどを紹介し、彼らの活動に警鐘を鳴らしていました。
これらの情報のどこからどこまでが正しく、また間違っているのかを正確に分けることは極めて難しいですが、非常に興味深い話がそこには掲載されています。
セオドア・ルーズヴェルトとユダヤ人
話は変わりますが、フランクリン・ルーズヴェルトは第26代大統領のセオドア・ルーズヴェルトの一族であり、フランクリン・ルーズヴェルトの妻のエレノアはセオドア・ルーズヴェルトの姪に当たります。
ここにセオドア・ルーズヴェルトとユダヤ人の歴史についての記事がありますが、セオドア・ルーズヴェルトはユダヤ人を大統領顧問に任命した最初の大統領であることでも知られています。
その人物、商務長官オスカー・ストラウスはバイエルン生まれのユダヤ人で後にアメリカユダヤ教歴史協会の会長に就任しました。
フランクリン・ルーズヴェルトとユダヤ人
一方、フランクリン・ルーズヴェルトの大統領顧問団では、国務長官のコーデル・ハルの妻がクーン・ロブ商会のヤコブ・シフの親族にあたるユダヤ人で、ユダヤ勢力の影響を受けていたと言われています。また財務長官を務めたヘンリー・モーゲンソーもユダヤ人であることが知られています。労務長官のフランシス・パーキンスについても、モルデカイ・モーゼはロシア系ユダヤ人であると指摘しています。
また、ルーズヴェルト政権には多くの共産主義者が紛れており、ソ連のスパイだったとされる人物も数多くいます。彼らについては今後紹介します。
ルーズヴェルトの系図
ルーズヴェルト一族の系図はもちろん日本国外でも知られており、これらの図はモルデカイ・モーゼの指摘と一致します。
ローゼンバーグ事件
さて、この系図だけではルーズヴェルトがユダヤ人だったのか、あるいはそうでなかったのか判断することは難しいと思います。その源流であるRosenveltと欧州各地に分散していったとされるRosenberg、Rosenbaum、Rosenbarium、Roseveltについてもどうなのか見ていく必要があります。
代表的なものをいくつか紹介しますが、日本でそれほど知られていない著名人なども更に調べると確実性が増してくるものと思います。あくまでも一例として紹介します。
アメリカで初めてスパイ行為によって死刑にされたローゼンバーグ事件の犯人、ジュリアス・ローゼンバーグとその妻のエセル・ローゼンバーグはユダヤ人として知られています。ソ連のスパイでした。
その罪状は、同じくソ連のスパイであるエセルの弟デイヴィッド・グリーングラスから原爆製造の機密情報を受け取り、ソ連に渡したというものです。夫妻の冤罪を求めた多くの左翼活動家の中には、サルトルやコクトー、アインシュタインやオッペンハイマー、パブロ・ピカソなどの錚々たる名前が連なっていますが、現在はヴェノナ文書などの情報からローゼンバーグ夫妻が実際にスパイだったことが確定しています。
カーメネフとラーコシ
次に、ロシア革命でレーニンを影で支えた人物であり、レフ・トロツキーの妹オリガと結婚していたレフ・カーメネフもルーツは同じではないかと推測できます。カーメネフは偽名であり、本当の名前はローゼンフェルドRosenfeldとなります。
もう一人、ハンガリー共産党の書記長を務めた男にラーコシ・マーチャーシュという男がいました。もちろんこちらも偽名であり、本来の名前は、カーメネフと同じくローゼンフェルドになります。ラーコシはサラミ戦術で有名で、非共産主義者をサラミをスライスするように切り落としていったと言われています。
このように共産主義革命において非常に重要な役割を担った人物たちが、揃ってアメリカの大統領ルーズヴェルトとルーツが同じであると思われる姓であったことは驚きに値します。実際に本当に同じルーツなのか、あるいはそうではなく偶々なのか分かりませんが、他の著名人を調べる限りでもこれらの姓はユダヤ人に多い姓であることは間違いありません。
このような情報を元に考えると、第二次世界大戦前からフランクリン・ルーズヴェルトが親ソ的な外交戦略をとり、ニューディール政策に見られるような社会主義的な政策をとったことも納得することができるかもしれません。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
【付録】
ニューヨークタイムズによるルーズヴェルトの親ユダヤ的な姿勢を評価した記事です。
引用文にあるデトロイト・ジューイッシュ・クロニクルDetroit Jewish Chronicleはその後デトロイト・ジューイッシュ・ニュースDetroit Jewish Newsに吸収され、現在も存続しているようです。もしかするとアーカイブから上記に関する記事を見つけられるかもしれません。
少しだけ見た感じの雑な感想ですが、フランクリン・ルーズヴェルトがユダヤ人団体であるブナイ・ブリスなどに祝辞を送っている記事などが見られました。
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