見出し画像

【短歌一首】 花散りて人顧みざる桜木に若葉の息吹き堰切られたり

花散りて
人顧みざる
桜木に
若葉の息吹き 
堰切られたり

短歌は季節セラピー。

今年の春は気候変動が激しく、桜の開花予報が二転三転したり、満開時期も大幅に遅れたりした。そのためつい先日まで満開の桜を眺めることができ、誰と会っても桜の満開の話が出るほと盛り上がっていた。

つい一週間ほど前の桜

つい一週間ほど前までは桜は葉桜も増えつつあったが、まだ満開に近いものも見かけることがあった。

新緑も少しずつ勢いを増す
定点観測の桜(一週間前)
定点観測の桜(昨日)

この一週間ほどで、堰を切られたかのように、一気に新緑の勢いが増してきた。

桜の花もまだ粘る

むせ返るよう若葉の葉叢には、大自然、大地の莫大な生命力を感じる。

それにしても、ついこの間までは、桜の花を見つけるとみんな立ち止まってじっくりと眺めたり、写真をとったり、声をあげて愛でていたのに、今や何ごともなかったかのように素通りしていく。 この手の平を返したような態度。

1970年代に流行った「風」(伊勢正三と大久保一久)というフォークデュオの歌に、「ささやかなこの人生」という曲があり、その中に次のような歌詞がある。

「♬ 〜花びらが散った後の 桜がとても冷たくされるように〜♬」

風は大好きなグループだが、学生の頃、この歌詞にはなんか違和感というか反発を感じていた。不公平が大嫌い?なので、自分は桜に対してそのような態度はとらない。いや、そもそも桜は、冬の枯れ枝だって、初夏の新緑だって、真夏の蝉しぐれだって、秋の落葉だって、一年を通じて本当に素晴らしい、美しい。

こちらの角度からはほとんど新緑(昨日)
どんどん緑は増す

これから初夏の新緑、本当に楽しみ。
桜の街路樹が新緑で覆われ向こう側と繋がって緑色のトンネルになる、そこをチャリンコで思い切り走り抜ける。 これは最高に気持ちいい。

葉桜で一つだけ怖いのは、「アメリカしろひとり」という蛾の幼虫で長く白い毛が生えた毛虫。桜の葉が大好物で葉にびっしりと密集していることがある。これは子供の頃から恐ろしかった。(でも、これも大自然の素晴らしい力、と思うことする。)

猫間英介


桜は冬の桜の枯れ枝だって素晴らしい。


この記事が参加している募集

今日の短歌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?