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【短歌一首】 材木座と由比ヶ浜とを切り分けて滑川ゆく悠久の時

材木座と
由比ヶ浜とを
切り分けて
滑川(なめりがわ)ゆく
悠久の時


鎌倉の市内を流れて海岸に注ぐ二級河川「滑川(なめりがわ)」。
鎌倉には特に大きな河川はないので川を意識することはあまりないのだが、滑川付近はよく歩く好きな場所。

海岸の河口付近

鎌倉市十二所の朝比奈峠付近を源流とし、鎌倉市街の真ん中を流れて、由比ヶ浜と材木座海岸の間で相模湾に注ぐ約6kmの川。 よく滑川の説明で、由比ヶ浜に注ぐと書いてあるが、正確には由比ヶ浜と材木座海岸とを切り分ける形で海に注いでいる。(と材木座海岸びいきとしては理解。)

鎌倉女学院付近の滑川

滑川は河口のほんの数百メートル前までは、市街の中を静かに流れる街の中の小さな川で、さほど目立つわけではない。特に、観光スポットとしてフォーカスされることもないようだが(別にフォーカスされなくて良いが)、川の周辺は緑が多く落ち着いていて大好きな場所。

国道134号と河口の橋を臨む

滑川は観光スポットではないが、鎌倉市街の滑川の流れている周辺には、鎌倉時代からの旧所名跡が目白押しである。若宮大路、鶴岡八幡宮、荏柄神社、報国寺、杉本寺、浄妙寺など、枚挙にいとまない。

河口の水
左手が材木座海岸、右手が由比ヶ浜

滑川は海に向かって左手に材木座海岸、右手に由比ヶ浜と砂浜を二つに切り分けて相模湾に注ぐ。

由比ヶ浜から材木座海岸方面を臨む

9月に入って、8月末まで設営・稼働していた材木座海岸、由比ヶ浜の海の家はほとんど解体され姿を消した。
季節の移ろいとともに人間社会の営みは目まぐるしく変化するが、滑川の流れは遥か昔から、鎌倉時代も現在も変わらず、鎌倉のど真ん中を流れて相模の海に注いでいるのだろう。

猫間英介


鎌倉の歌を集めました。


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