見出し画像

【短歌一首】 車窓より暑き夏空焦がれたり無人車両のエアコンは冷ゆ

車窓より
暑き夏空
焦がれたり
無人車両の
エアコンは冷ゆ

5月の終盤、雨の日や曇りの日もだんだん多くなり、湿度も高くなってきて、たまに晴れた時には日差しの暑さと空気中の湿気で真夏のように蒸し暑くなる。

駅まで15分くらい日陰なしのコンクリートの道を歩いていると、空からの太陽の光と路面からの反射で、駅に着く頃には汗だくとなった。

やっと駅が見えてきた

JR京葉線の海浜幕張駅が近づき、停車している始発電車が見えてきても、すぐには駅に着かない。まだ最後の階段の昇降や、改札口付近の人の大波があり、なかなか涼しい場所へは辿り着かない。

駅のホームから見る空

汗だくになって駅のホームにようやく到着。昼の時間帯は電車の間隔が結構あり、この日は間が悪く15分くらい駅で電車を待っていた。駅を抜ける南風は海の湿気を含んでいて生温く感じる。見上げる空もすでに夏。

Tシャツに薄手のジャケット羽織っていたので、しばらくジャケットを脱いでなんとか涼もうとするが、汗がぜんぜんひかない。背中にビジネスタイプのリュックサックを背負っていたので、背中は汗で濡れていて気持ち悪い。

電車の車内

ようやく東京駅行きの各駅停車の列車が来た。海浜幕張から東京駅までは各駅の場合は約40分。急行ではなく各駅停車には、昼の時間帯にはあまり人が乗っていないことがある。この日は自分が乗っている車両には他には人は見当たらない。

車窓からの景色(川と橋)

電車の中はエアコンが効いていて涼しい。先ほどまでのほてった体が急速に冷やされてくると、無性に眠くなってくる。いつもこの時間帯にこの路線を使うときは、必ず眠くなり、時には東京駅に着くまで爆睡してしまうこともある。

車窓からの景色(物流の倉庫)

少しウトウトしていると、今度は体がエアコンの冷気で猛烈に冷えて寒くなってきた。薄手のジャケットを羽織っても寒い。冬の寒さよりも、この夏場のエアコンによる体の冷えは本当に苦手。頭が痛くなってくる。まだ降りるまでは30分ほどあるというのに。

車窓からの景色(東京ディスニーリゾート)

東京ディズニー・リゾート(TDR )の降車駅の舞浜駅に近づくと、TDR のアトラクションが見えてくる。遠くに見える塔は「タワー・オブ・テラー」か。いいかげん体が寒くなってきた。ここはもう仕事を休みにして舞浜で降りて、ディズニー行って遊ぶか〜、と冷えた頭と体で妄想が膨らむ。

車窓からの景色(TDLのエクスピアリ)
車窓から景色(舞浜駅)

舞浜駅で停車。今、ここで降りればディズニ・ーシーもディズニー・ランドも目の前。今日なら、今の時間帯なら、園内も空いていて、乗りたい人気アトラクションも思いのままなのでは、などと妄想は拡大。

東京臨海部が見えてきた

東京都心の臨海部の高層ビル群がやっと見えてた。もうすぐ京葉線も地下に潜るな。早く東京駅に着いてほしい。とにかく、電車のエアコンで心も体も血管も冷え切ってしまった。早く暑い場所に出ないと風邪ひきそうだ。

どうせ外に出れば出たでまた蒸し暑くてイヤになり、この蒸し暑さなんとかしてくれ、早く涼みたいなどど文句を言うのだろう。 ひ弱な現代人が快適に生きて行かれる温度の幅は、情けないほどあまりに狭い。

猫間英介



この記事が参加している募集

#今日の短歌

39,627件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?