【短歌一首】 コバルトの海風抜くるトンネルにペダル涼しき自転車一つ
朝から砂浜がとても暑く、陸に向かって吹いてくる海風も熱を孕んでいる。しばらく浜辺を散歩していると頭も体も熱くなり、汗が噴き出てくる。
海岸は日陰になるところは全くないのでたまに傘をさして歩くが、それでも砂に反射する太陽の光と熱は容赦無く傘の中の体を攻めてくる。午前中の砂浜の散歩は気持ち良いが、長い時間歩いていると熱中症になりかねない。
逃げ場のない熱い砂浜で唯一の日陰、避難場所となるのが、砂浜に抜けていく国道134号の下のトンネル。しばらく歩いてはこの場所に入り、ペットボトルの水を飲んだり、スマホを確認したり、階段に座って休んだりする。他にもサーファーや散歩をしている人が休みをとっていることもある。
トンネルの中は海風が陸に抜けていく細い通り道となっているので、風の力が集約され、結構強い風が抜けていく。 温度は熱くても風にスピードがあるので、汗だくの体にはとても心地よい。
しばらく休んでいると、自転車に乗ってきた人がトンネル内に止めて、海岸へ出て行った。
海風が抜けていくトンネルの日陰に、一台の自転車のシルエットがとてもマッチしている。トンネル内で休憩をしながらその自転車を眺めていると、熱い砂浜の中にとても涼しげな楽園があるような気持ちになった。
最近自転車をこぐ機会が全然ないが、久しぶりにペダルを踏みたくなった。
猫間英介
最近、大好きな鎌倉材木座海岸にまつわる短歌がかなり多くなりました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?