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無職妊婦、銀座に降り立つ『魔法少女まどか☆マギカ10』

やあ、僕だよ。飽き性ちゃんだよ。
今日は久しぶりに少し混んだ地下鉄に乗って、銀座に行ってきたんだ。すごく充実した展示で頑張って行ってよかったなって心から思うよ。
まどマギについてはこちらの記事もぜひ読んでくれると嬉しいな。

さあ、僕と契約して、記事を楽しんでってよ!

イベント概要と感想

『魔法少女まどか☆マギカ10(展)』松屋銀座八階イベントスクエア
公式サイトはこちら。https://10th.madoka-magica.com/madokaten/#top
二〇一三年に六本木で行われた複製原画展以来の参加なので、改めて原画や設定資料の凄み、八年前にはなかった映像を使った展示への没入感に圧倒される。なお、『叛逆の物語』の展示はない。
あくまでもテレビシリーズに寄った、緻密で丁寧な「まどか☆マギカ」の現場を垣間見ることが出来る展覧会だ。
また、アニメの話数に応じて展示が進んでいくのだが、この展覧会の狙いとも言える「追体験」はリアルタイムで観ていたあの頃の僕らをも巻き込んで、様々な思いを去来させる。

泣きそうになったので各魔法少女たちのお胸比べでもご覧いただこう。

顧客にエゴが伝わってしまうというお粗末な営業手法にも関わらず、成績を出す営業の鏡キュゥべえ(僕ならあんな商材を扱えない)。目が微妙に出ている。
奥にかすかに見えるのは、佐倉杏子のおやつを立体化し、一つ一つ解説しているゾーン。

Universal最新作も置いてあった。
アニメパチスロは賛否両論あると思うが、僕は比較的肯定派。スロッターとオタクが納得する神台さえ作ってくれればいい
だからパチスロおそ松さんを許さない(台として結構面白いのがまた何とも言えない気分になる)。

また、会場内の映像は写真や録画禁止のため、残せなかったのは残念だが、これから各会場を回るので感染対策を万全にし、参加できる方にはぜひ体験してほしい。絶対圧倒されるから

ちなみに音声ガイドを購入すると、まどかとキュゥべえが一緒に会場を回ってくれる。
主に解説役はキュゥべえ。まどかは自分のキャラクターとして会場の感想を言ってくれるから一人ぼっちでも寂しくない

敷居の高い銀座

久しぶりに七時半に起きた。
早朝から銀座に出掛けることなどなかった(仕事を辞めてからはそもそも都内に行かなくなった)ので緊張しながら身支度を整える。
銀座なんてどれくらい振りだろう。大手町や有楽町、豊洲や勝どきに行く用事があっても銀座には寄らない。
緩めのワンピースながら、僕の持っている服の中では一番派手で上等な服を着た。何せ銀座だ。本来はお化粧やパンプスも装備していくべきだが、無職で妊婦だから許してほしい。

都内の中でも銀座は別格だと思う。

「本当の東京」として港区や渋谷区がやり玉に挙げられることがあるが、僕の経歴上、仕事やプライベートで意外にも訪れるのでそんなに緊張しない(ちゃんとした服は着るけれど)。
でも銀座は違う。こういうイベントがない限り、関わらない。営業先がしばしば隣の駅であっても、「銀座でご飯でも食べようかな」とはならない。映画や舞台を観る時も有楽町(あるいは日比谷)でいい。飲むなら新橋。乗り換えですら使わない。

銀座は、つまらない休日の出来事を装飾する形容詞として使われる街だ。

「銀座で」ご飯を食べる。
「銀座で」買い物をする。
「銀座で」お酒を飲む。
「銀座で」コンビニに行く。
「銀座で」iPhoneを買う。
云々。
事実、僕は無意識に「銀座でご飯を食べようかな」というシチュエーションを思い浮かべた。単なる食事が特別になるのが銀座という街だと僕は思い込んでいる。

席の前立つの嫌なんだ

マタニティマークを付けてつり革に掴まると、横目で確認してくれる人がいて、お互い緊張感が走る瞬間がある。
そういう人に限ってハードな仕事をしていたり、人より気遣いの出来てしまう人なので、僕はつり革を持たないようにしている。
基本的に性善説でハッピーに生きている僕だけれど、マタニティマークを見て見ぬ振りする人や、それより進んで絶対に譲りたくないと明確な悪意を持つ人がいるのを知っている。
僕はそういう人たちも自分の大切な人には優しくできるって信じているから、別段問題があるとは思わない。

問題は「いい人」、「自己犠牲の過ぎる人」がマタニティマークを見たら譲るべきだと考えて無理をしてしまうこと。
あるいはその人たちがマタニティマーク無視派より割を食うのが、個人的に嫌なのだ。

この信念に基づいて行動すると、僕が割を食うのは重々承知だ。
「ありがとう」と感謝をきちんと伝えれば、ちゃんと分かってくれると先輩妊婦が言っていたが論点が違う。
前提として、感謝の気持ちが席を譲るエネルギーに釣り合わないと僕は思っている。その差分、無視派は損をせず、譲る派が必ず損をする構図が僕は嫌なのだ。同じ料金を払っているにも関わらず、思想によって席の所有率が違うのはシステムとして欠陥だ。

だから僕はマタニティマークを付けたくないし、付けろって怒られた時はつり革に掴まらないようにしている。

大学生がオロオロしてた

つわりも軽く、胎盤もほぼ完成したことで、前述した信念を貫けるわけだけれど、血液循環量が倍増したせいか立ちくらみが多発している。
この間の妊婦検診で先生に聞いたら、鉄分より水分と熱弁を受けたのでそれ以来飲み物は常にそばに置いてある。
あと五駅のところでふっと目の前がぼやけた。おや、と思っている間に周囲の解像度が急激に下がる。それに伴う吐き気。思わず軽くえずいた。
慌てて水を飲んで一息つくと、すうっと視界が元の車内に戻る。
近くの大学生が僕の姿を見てオロオロしている。
多分彼は僕がマタニティマークを付けていることに気づいているだろう。心配をかけてごめんな、これが今の僕の日常なんだ。別に君が気に病むことなんて、何一つないのさ。

「銀座で」吉野家に入る

最後の映像で隣の若い子たちが泣いているのを見て、「ずいぶん綺麗に泣くなあ、僕もこんな風に泣けた時代があったかなあ」などと婆むさい感想を持ちつつ、非常に充実した心持ちで観覧を終えた。

キュゥべえのおかげで僕は失態を見せずに済んだ。ありがとう、キュゥべえ。

開場時間すぐに入れたというのにとうに一三時を過ぎている。
昼食とせっかくなら三菱一号館美術館でも冷やかそうかと思ったが、この時間では難しい(のちほど気づいたが幸いなことに本日は休館日だった)。

大好きなとんかつ屋さんに久しぶりに行こうか。
それとも憧れていた洋食屋さんだろうか。

せめて昼食は「銀座」ならではの体験がしたかったが、あいにくどっと疲れていた。無職だからか、妊婦だからか、自粛生活だからか。それとも全てが原因やもしれぬ

僕は吉野家で牛丼を食べた。
すごく久しぶりの外食なので死ぬほど美味しかった
そうして、貧乏学生だったあの頃も銀座でさんざランチに迷った挙句(他の都内なら二食分の値段、郊外なら三食分の値段の店がごろごろある)、吉野家に入ったことを思い出した。あの時の吉野家も死ぬほど美味しかった

美味しかったのは空腹だけが理由じゃないように思う。
「銀座で」牛丼を食べたのが美味しかったのだ
あの頃の僕とは違う理由で牛丼を選んだのだけれど、「銀座で」牛丼はやはり筆舌に尽くしがたい美味であった。

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