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読了!青谷真未「読書嫌いのための図書室案内」


《粗筋》
読書が嫌いな高校二年生の荒坂浩二は、ひょんなことから廃刊久しい図書新聞の再刊を任される。本好き女子の藤生蛍とともに紙面に載せる読書感想文の執筆を依頼し始めた浩二だったが、同級生の八重樫、美術部の緑川先輩、生物の樋崎先生から、執筆と引き換えに不可解な条件を提示されてしまう。その理由を探る浩二と蛍はやがて、三人の秘めた想いや昔学校で起きた自殺事件に直面し……本をめぐる高校生たちの青春と秘密の物語。

《感想》
本書の紹介で「読書嫌いの方にこそ、読んでほしい一冊!」とあって気になって読んでみたけど、読書がホントに苦手な人には伝わらない気がする…

本を読むと、いろんな考え方ができるようになったり、幾つもの経験をシュミレートできるといったことはよく言われているし、本書でも同じことを言っていて、自分は読書が好きなので共感できたが、本気で読書が嫌いな人には正直伝わらないと思う。

読書が嫌いな人、苦手な人は、読めない漢字が出てくるとそこで止まってしまってそれを繰り返している間に読書に飽きてしまったり、本を著者の自慰行為の産物だと思っていて嫌悪感を示したりする。

まとめると、この一冊を読書が本気で嫌いな人に勧めても読書を好きになるかは怪しいと思う。元々、読書が好きな人なら共感できる部分が多くて、更に読書にハマっていくと思う!

「書物の中でも特に物語に没頭するのはなぜだと思いますか?私は、幾通りもの経験をシュミレートできるからだと思っています」(P85)

「本を読むことは現実逃避なんかじゃなく、現実に立ち向かう術のひとつだよ」(P142)

「だから荒坂君も本を読んでおいた方が良いよ。もしも、君が誰かにナイフを向けてしまったとしても、相手のバックグラウンドを想像することができたらナイフを収めることもできるかもしれない」(P150)
(2020/9/23)

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