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読了!朝井リョウ「何様」

《粗筋》
光を求めて進み、熱を感じて立ち止まる――『何者』アナザーストーリー六篇を収録。光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。理香と隆良の出会いは? 瑞月の父に何があったのか。拓人を落とした面接官の今は……。「就活」の枠を超えた人生の現実。直木賞受賞から3年、発見と考察に満ちた作品集。書下ろし作品も収録。


《感想》
逆算の二つのオチと、それでは二人組を作ってくださいっていうネーミングセンスが良かったな。

てか俺マジで短編苦手すぎる…😅
一応全部読んだけど、、


《引用》
ぎゅうぎゅうづめの教室の中で、擦り減ってしまわないよう、摩耗してしまわないよう、外側からの力で形が変わってしまわないよう、両腕でしっかり夢を守ってきた。(P68)

会おうと思えばいつでも会える距離に散らばることを嘆き合った友の姿がここからはきれいに見える。(P70)

それでは二人組を作ってください。(P129)

俺があぐらをかいてるベッドに、花奈も乗り込んでくる。そうすると、レモンを口に入れた時に出てくる唾みたいに、エロい気持ちが全身の毛穴からじゅわあって一気に噴き出す。(P204)

私もこういうふうに正しくないことを、してみたかったはずだ。衝動のままにしてしまった正しくないことの上に立った時にだけ見える景色を見てみたかったはずだ。そんな場所にだけ眠っている何かがあるならば掘り出して、きれいに洗ってつぶさに観察して、そのうえで、そうかこんなものなのかと投げ捨ててやりたかったはずだ。(P315)

(2021/4/19)

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