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読了!石田衣良「池袋ウエストゲートパークII,少年計数機」


《粗筋》
自分が誰なのか確認するために、まわりのすべてを数え続ける少年・ヒロキ。その笑顔は十歳にして一切の他者を拒絶していた!マコトは複雑に絡んだ誘拐事件に巻きこまれていくが…。池袋の街を疾走する若く、鋭く、危険な青春。爽快なリズム感あふれる新世代ストリートミステリー、絶好調第2弾。


《感想》
マコトやキングは安定の格好良さにアツくはなるけど、胸糞悪すぎる犯罪に冷めてる自分もいた。冷めすぎて今ならキングになれるんじゃないかって思った。なんてね。


《引用》
世界には他者がいて、苦痛を与える存在でも、苦痛を和らげる存在でもあることを骨身にしみて感じる必要がある。おれたちが毎日交換する痛みゆえに、他者は大切に扱うものだということ。幼稚園の遊戯室で学ぶことを、キャリバンは32歳で学ぶのだ。なんだって遅すぎることはない。(P62)

腹の底で熱いものがうねりだした。俺にだって暴力モーターはある。(P261)

おれのおとり作戦がすすむことになった。そうと決まってから怖くなるなんて、おれの恐怖心には、とんでもないタイムラグがあるみたいだ。(P310)

目の玉が飛びでる値段のルームサービスで、なにを頼もうか考えた。こういう機会でもなきゃ、税金の元は取れない。まあ、そんなことでも考えないと俺も泣きそうだったのは事実なんだが。(P311)

池袋ウエストゲートパーク。やっと帰ってきた。ここが俺の場所だ。(P315)

(2021/5/15)

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