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読了!石田衣良「池袋ウエストゲートパークⅨ,ドラゴンティアーズ」


《粗筋》
時給300円弱。茨城の“奴隷工場”から19歳の中国人少女が脱走した。彼女が戻らないと、250人の研修生は全員が強制送還される。タイムリミットは1週間。捜索を依頼されたマコトは、チャイナタウンの裏組織“東龍”に近づく。彼女の事情を知り、板ばさみになり悩むマコト。万策つきた時、マコトの母が考えた秘策とは。IWGPシリーズ第9弾!


《感想》
リーマンショックの年に書かれた話。
不景気について。
IWGP読み進めてると時代の流れに触れられるから、勉強してる気にもなれる。

今更だけどマコトの人格が素晴らしすぎる。俺も困ってる人には損得とかそんなん考えないで手を差し伸べられるような人間になりたい。


《引用》
俺は思うんだけど、自分の値打ちを決めるのは、結局自分だよな。人に発見されるのをぼんやり待つ人間は、最後には誰かさんの良いカモになる。それがジャングルみたいになった21世紀の高度消費社会のニッポンだ。(P10)

出会いなんて、だいたい最低の場所に転がってるに決まっているのだ。みんな立派な場所ばかり探しすぎ。(P136)

ギャンブル依存は、意志の強さと関係ない。依存症は治療が必要なただの病気である。ギャンブル依存はちゃんと保険もきく。(P164)

(2021/6/3)

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