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名詞/Noun

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2018年6月の記事一覧

『スパイク』#178

履き物の、靴のほう。ワールドカップを見ているなかで、トップ選手のスパイクは「紐がなくて」「足にピッタリとフィットして」「素足に近くて」「脱げると履きにくい」、という感じらしい。プレー中に脱げてしまったときに実況でそんな感じのことが解説された。 サッカーのスパイクは、いかに軽やかに力強くフットワークをこなせて、そして肝心なボールの扱いをどれくらいストレスなく自在にやれるかが大事なとこ、クオリティ、最重点ポイントなのかな。軽やかな切り返しで芝を掴んで踏み出せる足裏を作れること。ふ

『ジーパン』#177

ジーンズ、ジーンズパンツ、Gパン、デニム、ジーパン。語源やら表記やらでよくわかんなくなるけど、自分があの、デニムのズボンのことを言うときはジーパンと言うので、ひとまずここではジーパンとする。これまで、何本穿いてきたんだろうか、という疑問がふと浮かんで、書いてみる。 赤ん坊は少し違うけれど成長に伴って、立って歩くようになって情緒が芽生えていくうちに“服装”は親が選ぶものだったり次第に自分で選ぶようになったり変化はあって、制服として着るスラックスやワイシャツや、スモック、学ラン、

『ベローチェ』#176

すごく、お世話になってる。コーヒーチェーンというかカフェチェーンのなかで、最も多用していて最も感情の起伏に拠らない利用をしている。ドトールでもないしエクセルシオールでもないしルノアールでもなく、スタバでもない。最も気兼ねなく入れる。入る。 次点はスタバ。営業時間が長くて、最小サイズのコーヒーでもたっぷり飲める。電源をとれる席もあって、机や席の形が色々あって使い勝手がよい。ただ、気の抜けない場であること、このことで「入ら/れない場合」がある。寝癖が付いてるときとか、ズボンに対し

『白神山地』#174

世界遺産だ。秋田と青森の境にある地域・領域。昨日の『スマートフォン』のノートの中で、最後に使っていたガラケーのことを書いて、思い出として蘇った記憶のうちのひとつにある、大学2年で秋田青森福島っとぐるっと電車で友達と巡った旅行のこと、ここからひとつ、白神山地に行ってきたことを。 学科の同級生ひとりと後輩ひとり、計3人で、JRの東北地方の普通列車7日間乗り放題切符を使ってぐるっと建築見たりして回ろうと。切符ありきの7日間、建築家の手がけた建築を見よう体験しようとピックアップしてい

『スマートフォン』#173

大学3年生のとき、ケータイからスマホに変えた。ドコモのSH-05Aから、GalaxyS2へ。iPhone4の隆盛がすごかった時期だったけれど、あいにくドコモではiPhoneの取り扱いがない、というのと、没個性的に「みんなと同じの」を持つのが嫌だからこれでいいのだって反動感情も相まって、シンプルで薄くて日本製品にありがちな余計な機能等々もなくて、そして「なんか色々できる手持ちパソコンのような多機能・高機能なケータイ」に変えようってことで、スマートフォンにチェンジした。 その頃は

『ブラウニー』#172

西洋菓子の、というか洋菓子の焼き菓子には色々と種類があって、タルトであるとかケーキであるとか大きな括りがあってそういったなかでクッキーであるとかビスケットであるとかマカロンであるとかまぁ色々ある。 そうした色々あるなかで、洋菓子屋さんに行って見目美しく、美味しそうな甘いものものを目にしているうちに迷うことは多々ある。誰もがそうだろう。そんなとき、ダントツの「これ」が無い時にもそうであり、また並ぶものものの中に見つけたブラウニーを見つけたときには必ず、最終候補にブラウニーが残る

『イチョウ』#171

秋になれば葉が黄色く色づいて、丸い柔らかい実をつけて、街に実りと匂いをもたらすイチョウは今、梅雨の雨に打たれてパチパチさらりと水を弾いて地に落とす。 小さい頃は、秋の街中でギンナンの匂いがすると感じていたかあるいはそういう記憶の定着をしたか、とにかくくさいなと思ってた。その、道端に落ちているくさい実が、茶碗蒸しに入っているギンナンだとはそのころうまく結びつかなくて、苦みがある変な味の豆、と、食べてた。そのあとに私は一時期、食べるギンナン苦手時代を迎える。それまでは、あのくさい

『MDノート』#170

特定の商品名をタイトルにしてしまうとなんか妙な感じがするけど過去の『ボールペン』ではモロに愛用してるJuiceUp03への愛を表明してしまっているので何を今更と開き直ってしまって、ノートについて。長らくメモや記録や仕事に使っているMDノートについて。 まず、MDはたしか、社名のmidoriから来ているはずで、カセットテープ→CD→MDの流れにある音楽記録再生用ディスクではなく、書き心地の良いノートのこと。 ノート遍歴は大学入学時にエスキス帳として初めに使った無印良品の落書き帳

『日本酒』#169

日本にいながら、「日本酒」と呼んでしまう清酒についての四方山話。 二十歳を迎えてからもう8年ほど経って、酒の好みもだんだん収斂というかあれこれ飲み漁ることなく落ち着いてきた感じもする。大学生でガブガブと色んな種類を飲んでは「ヨユー」と「ヤベー」と「こんなはずでは」をゆらゆらと体験してきて、お酒については「好きでどれだけでも飲める」「好きだけどたくさんは飲めない」「苦手だけれど身体は受け付ける」「苦手で飲むと酔いやすいし頭痛くなる」とかそういう「好み」と「体質」がわかってくる(

『プール』#168

日に日に暑い時間帯が増えて(伸びて?)きていて、本格的な夏が遠くないことを実感する。小さい頃、暑くなってきてからの楽しみの一つが、体育のプールだった。私だけではなかっただろう、これは。朝の体温測定と親による体調チェックシートの記入から気持ちの持ちようは違って、プールには、体温が高過ぎれば入れないし低すぎても入れない。そもそも平熱が高くて36度台後半の私は、朝ごはんの後とかになると37度に達することもあって、妙な緊張感を抱えて健康チェックシートをランドセルに入れて登校していた(

『幅』#167

およそ、見かけ上の横方向の長さを言うのだと思うがなかなか哲学的な、「では横とは縦があって成立する概念だが一方でその“縦”はどう成立するのだ」と問うて問うて元々の「幅」からぐんぐんと離れていく。決して離れすぎることはないけれど、また幅にまで話を戻すためには幾多の試練が待っているだろう。今回のノートは、「幅」にまつわる疑問や矛盾感を乗り越えて、意味を私の腑に落とすための文章。 まず、幅について「横」を提示してしまうと真っ向から跳ね返されるのが「走り幅跳び」。まっすぐ正面に走って、

『食卓』#166

ひとには育った家のなかで食事の中心に使われる食卓が少なからず一つ、あったと思う。わたしには、両親の実家の食卓とかを含めて、原体験化した『食卓』がいくつかある。物心ついて、小学生に上がるときに戸建住宅を建てて引っ越してから、二世帯住宅で母方の祖母と住んでいる。それは今も変わらない。祖母の部屋では毎日昼夜、食卓と布団が支度し直されていた。いまはベッドがどかんと部屋の真ん中に位置して、祖母は食事には小さな台を使っている。昔は、母の弟である叔父家族も交えて祖母の部屋で食事をすることが

『再起動』#165

正直に申せば一日ずつ一単語千文字くらい、ではなくなった、なくなっている。特にその、パーday、の面。一日ずつ、書くことは叶わずこれまで何回か、遅れ提出で数本後出し、日に二本以上書いて数日で完済、という借金感覚を味わっている。いまは過去最大の借金を負ってしまって、1時間弱で先の3本を書いて、その前の『空白』という名の駄作を忘れようとして再起動をかけたような気持ち。それでもいま、借金10日。ここまで借金を増やしてしまうまで途中、「やめてしまったらええがなもう」と思ったんだけど、残

『バナナ』#163

二日に一度、それよりも頻度が高いとき、一日一本、となるはずなのだけれどそんな毎日は食べないなぁというとき書き方に言い方に困るもので悩んだ結果「1週間に6本」と言ってみたりする、5本だと平日を暗示してしまって良くないので6本にしてみる。最近はそれぐらいの頻度で食べるバナナ。 もともと、味が好きで食べやすくて日持ちするし、バナナを使ったお菓子(主にパウンドケーキやタルト)はとても好きで、外で見かけると選択肢の筆頭に上がる。バナナを使ったおかし作りはしないけれど、食べることにおいて