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一単語ごとに千文字ほどを。 https://note.mu/i_1po/n/na73e5c44936b 何本か書いてきたけれど、#0『雑文』が一番面白いのが、切ない。

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『戦う』#370

戦うことについて、虐げられる状況から脱する勝利のための戦いとか必要な戦いとか、スポーツの対戦相手同士の戦いとか、給食で余ったコーヒーゼリーをめぐる戦いとか、さまざまあれど、他者を侵略するための戦いっていかなる場合においても正当化されないだろう、ということをこの日はじまってしまったロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻に際して思うところで、日本国憲法においても侵略戦争をしないことを目指して立法されていることを思い出すし、こうなることは周縁からしてみれば望まれないことであることはハ

    • 『ひしぐ』 #369

      はじめは、「ひしゃげる」という言葉について知りたかったのがきっかけだった。何の気なしに、腕がひしゃげる、事故で車がひしゃげてる、とか、日常的に(といっても、頻発するようなものでもないし、口を毎日つくような言葉でもない)使う言葉だったからこれまで考えてこなかったけれど、言葉の厳密さみたいなものに関心がわくと、ふとしたときに普段使っている言葉にハッとする。今回の対象はその、ひしゃげる、だった。意味がわかる人からすればなんとなく、押し潰されているとか、オノマトペ的には「ぐしゃっ」と

      • 『始点』 #368

        ウォシュレットは最も弱い出力から始める。いまや家にもお店にも高速道路のサービスエリアのトイレにも、だいたい設置されているウォシュレットだけど、それぞれの便器(厳密に言えば、ウォシュレットは便器から出る機種より、ウォシュレット付き便座としてある方がまだ多いので厳密に言えば、便座、だ)によって強さの度合いも段階も違っていて三段階のもあれば五段階のもあるし、ある三段階の最弱の出力でもある五段階の強目の出力より大きいものもあるしで、とにかく出力にばらつきがあるから、おしりが弱めな私は

        • 『コーヒーゼリー』 #367

          小学生のころ、中学生に上がるくらいのころまで、「好きな食べものは?」「コーヒーゼリー」と答えるような期間があった。三個百円、タンカーのような台紙に乗ってて、ベリベリとメタリックなフィルムを剥がして甘さのほとんどないポーションミルクをかけて食べる、あれ。以前に書いたようにアジフライを便宜上で好きな食べ物だと今は言っているけれど、それより前の、小さな子どものころ。コーヒーゼリーが好きだった。今にしてみれば特筆しておいしいものでもないしありがたがるものでもない手軽なデザートだったわ

        『戦う』#370

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          『かく』 #366

          真夏のピークが去ったとかなんとか考えていたら、猛烈な暑さが戻ってきた。八月もあと一週間で終わろうかというこの時期に、列島猛暑日三十五度超え、まったくまいってしまう。参ってしまって、部屋の片付けを始めた。クセみたいなもので、たぶん共感できるる人もいるかと思うけれど、何かそのときやるべきことがあるとかやらなきゃいけないことがあるときに、掃除を始めてしまう。今日はあまりに暑くて机に向かうこともおっくうで、うなだれて部屋を見ると本とか紙袋とかまあ色々がほっぽった状態になっていて、なん

          『かく』 #366

          『特別』 #365

          特別、なんて素敵な響きだろう、と、思わせてくださる約30年間に高く美しく積み上げられてきた“意味”、これには頭が上がらない。頭を上げてみたところで、高すぎて眩しすぎて顔を上げることもままならぬ。そんな言葉だ。幸せなのだと思う。特別、という言葉にキラキラとした印象を抱けているこの現状は、このこと自体が特別でなかったとしても、有難いことだと思える。「特別にご用意させていただきました」「この特別な機会に」「あなたには特別に」「特別大特価」、もうなんだっていい、特別ということにスペシ

          『特別』 #365

          『六根』 #364

          毎日新聞の言葉を扱うTwitterアカウントの投稿で「六根清浄」について、旅にまつわる言葉のひとつとしても書かれていたのを夕方に見て、以前にお世話になっている地元のカレー屋さんとの話で「なんで仏教に関連するものは三とか七とか、多いんだ」ってときがあって、そのときには七については厳密にこれという(全く無いというわけではないけど、というエクスキューズ)答えがなかったけど、三は中道、空観を有と無との関係でおくからかだとかって話をしたなあ、ってことを思い出して、その三について書いてみ

          『六根』 #364

          『暑い』 #363

          どちらかと言えば暑さには強い方で、尋常じゃない量の汗を出すけれど、汗を出すから、暑いなーと感じていても活動量は落ちないしどちらかと言えば生き生きと動けるし、こと熱中症にもならない。一度だけ、真夏にテトラポットの上で昼寝をしたんだったかどうだったか、とりあえず海辺で日に当たりながらのんびりとしていたら熱中症みたいな感じで食欲がなくなったことだけはあった。確かその日は夜に川崎で激辛い刀削麺を食べてビールを飲んだ、んだったと思う。 今年の夏も暑かった。そう、振り返るような夜で外から

          『暑い』 #363

          『ゆっくり』 #362

          これまで360本くらい書いてきて、わざわざ品詞を分類してちょっとした枠組みを与えてみて当然ながら名詞が多くなってそれに次いで形容詞や動詞がくるわけだが、まったく気づかなかったのが、これまで副詞がひとつもなかったということ。まんべんなく均等に広く浅くやろう、と思っていたわけでもないがわりとメジャーな品詞である副詞がこれまで出ていなかったというのは驚いたけれど、時間や数の目標があるわけでもないし、ゆっくりと、ということで。 この書き出しのために選んだのがゆっくりというわけでもなく

          『ゆっくり』 #362

          『電気』 #361

          はるかな未来に、そのときにも電気が残っていればいいとも思うし、なくなっていればいいとも思える。そんな話。 建築設計を始めてから、無意識にうっかりしたとき以外には徹底して、照明器具のことを「照明」「あかり」と言って「電気」とは言わないようにしている。このこだわりは、少し共有可能なものかもしれないなと思っている。伝達と理解に甘んじない言葉の正確さにこだわるか、というところなのだろうかと思うけど、例えばIHクッキングヒーターをコンロと言わない、とか、燃料電池車や電気自動車の動力源を

          『電気』 #361

          『アイデア』#360

          これをわざわざ「日本語で言うと」となんて野暮なやり口をせずともそのまま、アイデアはアイデアだと言ってもいいような気もするけれどあえて、例えば幼い子どもに「アイデアって何」と聞かれたときに説明しなくちゃならないシチュエーションを想像して、説明文をつくるなら、どうするか。 自分自身でも言葉の意味を把握したきっかけを思い出せないくらい慣れ親しんだカタカナ語のことを、このノートの最後までにまとめたいと思う。 何かを意識するまで、それは大学院だか事務所勤めだかその頃だったと思うけれどそ

          『アイデア』#360

          『かゆい』#359

          太ももとかお尻がかゆい。全体的に、広く皮膚がかゆい。ここ数年、冬になるとかゆくなる。乾燥しているのだろう、ハンドクリームなどを風呂上がりに塗った翌日から数日間は、そのかゆみがおさまる。「ああ、かゆくない。煩わしさから解放された、良かった」と数日間を歓喜のままに浮ついていればそののち、またかゆみに襲われる。自然の道理だ。空気は乾燥していて、肌は次第に乾燥していくもの。何度も何度もこのかゆみの拘束と解放とを繰り返しているうちに冬の寒さは一段と厳しくなっていく。何度目かわからないか

          『かゆい』#359

          『テレビ』#358

          テレビはテレビであって、他の何物でもない。しかし、気になることがひとつある。いつからテレビはテレビで、テレビジョンでなくなったのか、ということ。語源はテレビジョン、televisionのはずだ。日本でなければtelevisionをteleviと略しはしないだろう。でも、もしかして日本へは「テレビ」として技術と製品が輸入されてきたのだろうか。まず、そもそも、テレビはどこで発明されて大衆化してきたのだろうか。 そんな、“テレビ”という言葉の生まれがふと気になってしまった。 生まれ

          『テレビ』#358

          『国語』#357

          言語ではなくて、教育課程における小学校の「こくご」や中学校の「国語」に相当する、教科としての、『国語』。 また、読んでる本からの話かよとなるかもしれない。哲学者の野矢茂樹さんの本「大人のための国語ゼミ」(山川出版社,2017)がとても面白い。とても面白く、とても恥ずかしい、恥ずかしいというのは改めて自分が「国語」をうまく学びきれていなかったことを知ったためで。ただし、恥ずかしいと思いつつ、面白いのは内容もさることながら、あのころ小学生や中学生でそのころの脳みそと枠組みで理解を

          『国語』#357

          『象』#356

          象の話を開始するより前に。 いま、読んでいる本のひとつに山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書2017)というのがある。まだ数十ページしか読んでいないけれど大枠は初めに紹介されていた。そのなかで特に驚くこともなかったし目新しい話であると思ったわけではない、けれど改めて言われるとじわじわと気になってくるなあ、といま感じている内容がある。本の中では、ビジネスにおける判断には「理性と感性」「論理と直感」の二軸があるとし、その比重について、日本では理

          『象』#356

          『相似』#355

          相似、中学数学で合同ののちに習う、ある図形とある図形が拡大図・縮図の関係にあること、あるいは、ある一つの図形を均等に拡大縮小するともう一方の図形と完全に重ね合わせられること。また、拡大縮小をすると二図形が合同になること、とも、合同を習得したのちにはそう言えるだろう。 中学生に、相似形そのものを教えることは決して難しいことじゃない。加えて相似条件についても、三つ覚えてもらえれば利用することが難しいことでもないように、掴んでもらえる。他方、難しいのは、線も図形もごちゃごちゃと混み

          『相似』#355