『プール』#168

日に日に暑い時間帯が増えて(伸びて?)きていて、本格的な夏が遠くないことを実感する。小さい頃、暑くなってきてからの楽しみの一つが、体育のプールだった。私だけではなかっただろう、これは。朝の体温測定と親による体調チェックシートの記入から気持ちの持ちようは違って、プールには、体温が高過ぎれば入れないし低すぎても入れない。そもそも平熱が高くて36度台後半の私は、朝ごはんの後とかになると37度に達することもあって、妙な緊張感を抱えて健康チェックシートをランドセルに入れて登校していた(といっても小学生で無邪気に生きているうちはなんも気にせず「健康だから健康」みたいな心持ちだったな)。
風邪や体調不良でプールに入れないことは、一度もなかった。それでも、プールに入れるかどうか、体調以上に私たち子どもらが心配してそして怒りの矛先を向けていたのが天候だ。夏場は主に晴れているから雨で延期になることは数えるほどしかなかったけれど、それより温度、水温の高さが基準に届かないがために入れないってのが子どもたちの顰蹙を買ったものだった。すごかった。夏の入りは特に、前日にあまり気温が上がらなかったり夜間に冷えたりすると、朝のプールの水温がぐっと下がる。らしい。前日には隣のクラスや上の学年がきゃいきゃいとプールで楽しんでいる声が聞こえていたのに、その翌日の自分たちは入れない、とか、午後のクラスは入れるけど午前は水温が足りない、とか、子供の嫌いな「不公平」が火を噴くことしばしば。暑いのに。学校のプールは、入れたときのお得感とか特別感も、暑いなか座学でぐったりする授業への反抗心も相まって、蜃気楼の彼方に見える砂漠のオアシスのような、貴重な存在だった。
それとは別に、放課後や休日に友達と行くプールは、ほぼ確実に開いているし先生の監視の目はないし何より、時間が長くそしてプールの後に自由な飲み物と食べ物のとれる時間があって、天国だった。あるプールでは温水プールで50メートルあって中央部の水深が150cmで頭が出なかったり、またあるプールでは一様でない周回の流れるプールでウォータースライダーもあったりして、とにかく遊び倒せる。さんざ泳いでくたびれた後も、あるプールではリアルゴールドとカップヌードルを自販機で買い求め、またあるプールではミスティオのレモンスカッシュとマックのバーガーとポテトでどか食いジャンクな時間を過ごしたり、あぁあれを今思えば青春と言うのか、と懐かしくも思えてくる。
昨年の夏は、仕事上がりに最寄駅近くの温水プールで1時間、いつものランニングがわりに涼しく水泳で身体を動かしていた。足の痛みとかもないし、それでいて消費カロリーは大きいしで週一回は通った。公営なので200円で入れるのもありがたく、帰りの空腹と喉の渇きを耐えられれば、耐えられれば、大変良いのだ、良いのだが2回に1回は喫茶店に寄ってアイスコーヒーとお菓子を食べてしまっていた(勉強や本を読みたいってのもあって尚更負けた)。
平泳ぎを今年こそ、今年こそ安定したフォームを定着させて長く泳げるように習得したい。

#プール #180604

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