『ベローチェ』#176

すごく、お世話になってる。コーヒーチェーンというかカフェチェーンのなかで、最も多用していて最も感情の起伏に拠らない利用をしている。ドトールでもないしエクセルシオールでもないしルノアールでもなく、スタバでもない。最も気兼ねなく入れる。入る。
次点はスタバ。営業時間が長くて、最小サイズのコーヒーでもたっぷり飲める。電源をとれる席もあって、机や席の形が色々あって使い勝手がよい。ただ、気の抜けない場であること、このことで「入ら/れない場合」がある。寝癖が付いてるときとか、ズボンに対して合わせる靴をミスった日とか、読みたい本の表紙がそぐわないときとか。スタイルが要る。
勿論、街というか、店舗にもよるかもしれない。川崎という地理条件だからかもしれないが、おっちゃん達が競馬の話をしていたり、妙齢の男女が忙しなく会話をしていたり、ワイシャツとスラックスのサラリーマンがぼうっと休憩していたりあるいはキビキビと読書に励んでいたり、とにかく雑多で他人の目も耳も気にならない。逆に、自分の目も耳も奪われない。雑な格好をしていても気にならない。…割れ窓理論のようでもあるが、呼ばれる類あって呼ぶ類あるというか、不真面目で許容されるありがたさ。
それだけでいえば、ファミレスっぽいローカルな喫茶店でもよいのだけれど、ベローチェは基本的に席数が多くてだいたい座れるし、同時に、回転率を気にかけなくていい。気兼ねない。
ならばドトールでも、客層は年齢層高めだろうと思えるけれど内装が明るすぎる。少し暗めなことと何より、ワインレッドの合皮で背もたれや座面が作られていて机の色が濃い茶色なこと、ここがでかい。単に色の好みではあるが色合いがどストライクなのだ。自分の持ち物で、そういう色のカーディガンも持っているし革靴でも好きな色は赤みがかった茶色のもの。外に出てる庇や看板からしてグッとくる。ビビッドな黄色のドトール、黒のルノアール、オレンジのサンマルク、オレンジと緑のタリーズ、青色のエクセルシオール、緑のスターバックス、この並びが後ろなほど、居場所として好みな色で、利用頻度が高まる。イメージカラーって結構大事だなと思える。
ただ。結局のところ、コーヒーの値段が最もリーズナブルで利用しやすいところが、大きいんだろう、というか無意識でもなんでもなく、大きな理由。
ブレンド一杯200円、おやつを買っても500円。抜群にうまいわけではないが決してまずくなんてなくて飲みやすい。お冷もセルフでポットが置いてあるので喉の渇きを潤すためだけでも十分。
これも、美味しいコーヒーを飲みたいときに家の近くで飲める安心感があってこそできる割り切り。用・強・美、この3つの要素は建築で使われている、建築で学んだことのひとつだが「バランス」において汎用性の高い言葉。
勉強時間としてベローチェを利用させてもらうここ最近は店員さんとの視線のやりとりがもどかしい。自分も他人も、目も耳もフリーにしてていいはずがほんの少しの親しみと照れがあって難しいところであるなぁと感じてる。ま。まだまだお世話になります。

#ベローチェ #180612

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