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テレビ企画の美談に大学受験を使うな!元浪人生の私から見た小倉優子の受験勉強企画

どうやらシングルママとして大学受験をしたことが話題になった小倉優子氏の合格発表が行われたらしいが、結果から行くとほぼほぼ全滅な中で唯一合格したのが白百合女子大学らしい。
名前を聞いたことがなかったので偏差値を調べたところ37.5〜42.5という完全なFラン大学であり、まあ当然の結果ではある。
それまでママタレとして家事育児しかやっていなかった人が急にテレビの企画で勉学に励んで1年頑張ったところで結果が出るほど受験戦争は甘くない。
だが、それ以上に私が腹立つのはこういうテレビ企画の美談に大学受験という筋書きのないドラマが使われてしまい、しかもそれが世間の称賛や共感を浴びてしまうことである。

事の発端はTBS系のバラエティ番組「月曜の蛙、大海を知る。」の企画だったのだが、単なるテレビの企画だけで彼女が受験勉強を決意したわけではない。
本人は早稲田大学教育学部を目指した理由を「得られる情報量が違うから」「今だからこそ教養を身につけて残りの人生を有意義に過ごしたい」とのことだった。
別にそのこと自体は悪くないと思うし、年齢や彼女の経歴・状況を想像すれば彼女が早稲田受験を決意するのも理解はできる。
要するに彼女は「肩書き」「人気」ではなく「実力」「実績」が欲しかったのではないだろうか、もう既に彼女は今年で40歳になろうとしているのだから。

ここから先は完全な私見だが、個人的な小倉優子の印象はというと「こりん星」というあだ名と共に若さでチヤホヤされて甘い汁を吸っていた不思議系タレントであった。
当時の私から見ても相当に痛々しい電波系キャラだったが、ある時期以降を境にテレビの露出も少なくなり彼女自身も「こりん星は卒業」と一度表舞台から姿を消すことに。
そこから先は「女性としての幸せ」を考えて結婚生活を営んでいたわけだが、それも上手く続かず離婚を繰り返しており、気づけば今に至るというわけだ。
本人が現状をどう思っているかはわからないが、おそらく小倉さんはそうした経験の果てに自分がいかに努力らしい努力をせずに生きてきたか、ということに気づいたのかも知れない。

もはや若くて可愛いだけでは持て囃されなくなる中で「こりん星」で得た人気は所詮周囲のお膳立てで下駄を履かせてもらって御輿を担いだ状態で得られた人気であり虚像である。
だから、彼女自身の実力できちんと勝負してそのポジションを勝ち取ったわけでもなく、単なる惰性で流されるままに仕事を続けて生きてきたと思ったのではないだろうか。
そんな彼女がこの大学受験を通して甘ったれた自分自身を鍛え直し、「教養と知性のある自立した女性」として高みに羽ばたきたいという志があったのだと思う。
別にそれ自体はよくあることだし私自身も浪人した動機は自分の怠け癖を鍛え直していきたいという思い自体は尊く、それだけなら「よし頑張れ!」と応援したいところだ。

しかし、そう言う割には合計の勉強時間が411日の2102時間、計算してみると1日平均5.1時間しか勉強しておらず、こんな程度のどこが「猛勉強」なのかと言いたくなる。
受験生版Tiger Fundingの虎たち(細井先生や小林先生など)はもちろん林修先生辺りでも「ふざけるな」と詰められそうな案件であり、幾ら何でも少な過ぎるだろう。
しかもこの勉強を「家事育児・仕事の片手間」でやっていたというのを見るにつけ、大学受験というものを彼女は、そしてこのテレビ企画は舐めすぎではないだろうか?
第一、30〜40手前で必死になって勉強するくらいならなぜ18〜19の青春時代に真面目に取り組んでおかなかったのか?ということになってしまう。

私自身もとある予備校で浪人した経験があるからわかるが、難関大に本気で合格しようと思うのであれば最低でも1日16時間は勉強する必要がある
睡眠時間6時間で後の2時間が食事とお風呂、それ以外は全て勉強という徹底管理された環境でやらなければ、まず望む結果が出ることはない。
ましてや早稲田大学レベルになると超進学校や大手予備校・塾に通って本気で合格したいという現役生と浪人生が強敵として立ちはだかる。
そんな連中と競い合い、何より自分自身の心としっかり向き合って死ぬ思いで取り組まなければ早稲田や慶応あたりに合格できるわけがない。

私自身も記事を書きながら北予備で浪人した1年間の日々を思い出すが、受験生にとっての1年は長いようで短く、そして短いようで長く感じられる不思議なものだ。
ましてや私は家族の中で浪人を経験した前例がなかったし、自分が1年本気で勉強して合格する保証もなく、そのプレッシャーと常に向き合わないといけない。
そして何が一番辛いといって秋学期以降は模試の結果が中々出ないことであり、特にセンター直前の北予備センターファイナルでは浪人史上最低の点数を記録した。
この時私の頭の中には「二浪」の文字が浮かんだが、それでも諦めず、そして油断せずに頑張った結果センター試験で見事に大きく跳ねて、第一志望の挑戦権を手に入れた。

結果としてはその第一志望の合格点に5点ほど届かず落ちてしまったが、それでもきちんと納得できる大学には行けたし、本気で勉強したあの1年に後悔はない
そう、勉強に本気で打ちこめる環境があって本気で1年必死に勉強しても受かるかどうかわからないのが大学受験の厳しさであり、まさに筋書きのないドラマである。
だからこそ私が思うのは、小倉優子は本気で早稲田大学に行きたかったのか?仮に行けたとして何を学んで今後にどう活かすのかが見えいたのか?ということだ。
話を聞く限りではどうにも「大学受験をやった」という実績が手っ取り早く欲しかったからテレビの企画を利用して勉強して頑張った風を装っているようにしか見えない。

だが、今回一番恐ろしいのは決して限界ギリギリまでやり切ったとはいえない彼女の受験を「努力した」「頑張った」「すごい」と世間が賞賛していることである。
1日5時間程度しか勉強せずテレビの企画で家事育児の片手間にやっていただけのそれを褒め称える神経が私にはさっぱり理解できない。
何が言いたいかというと、こんなクソみたいなテレビ企画の美談作りのために大学受験という筋書きのないドラマを利用するなということだ。
睡眠時間削ってでも必死になって人生かけて頑張っている現役生・浪人生だって沢山いるというのに、ふざけているのかと本気で小一時間問い詰めたくなる。

そしてこれはもう私から小倉氏に対する切なる願いであるが、彼女には変に高みを目指すのではなく今のシングルマザー路線で地に足つけて頑張って欲しいのだ。
他人のお膳立てでできたとはいえ、若い頃に一度は席巻した「こりん星」やその延長線上にあるママタレ路線を極め、それをYouTubeで切り売りすればいいではないか。
現にミキティをはじめママタレYouTuberとして稼いでいる人だってたくさんいるわけだし、小倉優子だったらYouTubeでも十分売れそうなきはするんだがなあ。
世の中にはチヤホヤされないまま大した富も名声も得られず日の目を見ないで消えていく人だって沢山いるわけだから、若い頃に得た名声を存分に活かすのも1つの手段である。

体力も知力も学力も、いろんなものが衰えを見せ始める39〜40という年齢でもう一度勉強を頑張って高みへ登ろうという志やチャレンジ精神自体は誠に尊い。
だが、それを本気で志すのであれば「ママタレ」としての肩書きも芸能人としての成功も全てを捨てて、本気の勉強を自らに課す覚悟と恐れぬ勇気が必要である。
それが嫌でこれからもママタレとしてテレビ業界で甘い汁を吸いたいだけならば、もうこんな真似はしないで頂きたいと切に願うのである。

大学受験舐めんなよ!


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