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土壇場で人の本性が暴かれる

凄い台風でした。

報道で非常に強い台風だと言っていたので、数日前から実家に帰っていました。


夜中に何度も鳴るエリアメールで殆ど眠れない夜を明けた朝、

いきなり両親が避難すると言い出しました。


いや、いいんですよ。

その為に私は来たんだし。



でも、


弟のことは放ったらかし。
以前にも書きましたが、


弟は新しい記憶を無くすという【高次機能障害】を持っています。

人と関わるのを極端に嫌がります。


前日から両親は避難用品を纏めていましたし、

父親などは、

『この家と一緒に死ぬよ』とか言ってるし。

てか、どっかの城の主じゃあるまいし、


いちいちそういうことを言うところがイヤなんだよね、と思いつつ、

でもそれは、弟のことを考えて
避難しないことを言っているのかな?と考え直したり。


それが、手の掌返したように、

『やっぱり避難する』と迎えに来てくれた車に
さっさと乗って行きました。

弟はペット以下なのか!?という憤りを覚えました。




残されたのは、

弟と私だけ。


冷蔵庫には殆ど食べ物もないし、

とりあえず、靴とペットボトルの水、

それと果物があったので二階に運びました。

水は幸い備蓄があったので、

弟と二人だけなら数日は持つと思いました。


お昼過ぎに両親は帰ってきましたが、


私は本当に両親が嫌いな理由がわかった気がします。


表向きは人望があり、明るい母親。

過去の栄光しか語れない父親。


他人様から見たら、弟を高齢になっても看ている
立派な家族。


だけど、


いざとなったら、



弟には何も言わずに避難していく両親には、

全く落胆しませんでした。




ああ、やっぱりね。


あなた方との違和感は、


世間様向けの顔と、


本心と、


真逆の仮面を被りながら生きていたからだったのだ、とわかりましたから。

この家族には「愛」どころか、
「情け」すらない。



私が弟を守れるのは、今回が最後です。


もしかしたら、彼は命を落とすかもしれません。


だけど、


あの両親から生まれた私たちは、


親から離れて暮らさない以上、生きてはいけない。


いざとなったら放置するくせに、


いつまでも手元に置いておきたい両親の側にいる弟にできることは、


これが限界だと思いました。


「猫飼っていて避難できなくて」中1男子をボートで救出

家族4人で住む自宅から消防ボートで救出されたという中学1年生の男子生徒(13)は「猫を飼っているので避難できなかった。午前1時くらいに停電して、1階を見に行ったら玄関から水が入ってきているのに気づいた」という。壁からも水が噴き出し2階へ避難。「階段が1段ずつ水没して水面が迫ってくるのでどうなるかと思った」と振り返った。(西堀岳路、山口啓太、笠原真)

朝日新聞社
Yahooニュースより転載

⚠️ペットのいる方々は、自治体、避難所によって不可の場合もあります。
この男子生徒さんのように、最後まで一緒にいたい気持ちは痛いほど理解できます。
私もペットを飼っていた時期がありましたから。

だけど、命は一つだけなのです。
お水とご飯をたくさん安全な場所に置き、ご自分は逃げることも選択肢の中に入れなければならない場合もあります。

状況によっては、毎日様子を見に行くこともできます。
そして、そこまで愛されたペットは幸せなのです。

世の中にはペットを虐める為に飼っている人もいます。

私が申し上げたかったのは、

このニュースの13歳の男子生徒さんよりも、
私の両親の非常さを痛感したからでした。

魂の年齢は、実年齢と比例しないのだと思います。



大きな台風で被害を受けた方々もいらっしゃると思います。
まだ油断できない地域にお住まいの方々もいらっしゃると思います。

1日も早い復旧を心から祈っております。

写真はphotoAC様からお借り致しました。
ありがとうございました。