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3月期決算から義務化!「人的資本の情報開示」

2023年度から上場企業など有価証券報告書を発行する約4000社は、人材情報の記載が必須となります。

情報開示の背景

日本における情報開示の背景としては、昨今広がりを見せるダイバーシティやサステナブル経営に加え、人材流出、人材不足、少子化と言った日本の現状と2020年8月、米国証券取引委員会による要求事項「レギュレーションS-K」(財務諸表以外の開示に関する要求事項)の中に「人的資本の情報開示を義務付ける項目」が追加されたことなどが挙げられます。

人的資本の開示項目

日本国内では2022年8月に政府が「人的資本可視化指針」の中で、人的資本の開示項目を示しています。具体的には「人材育成」「エンゲージメント」「流動性」「ダイバーシティ」「健康・安全」「労働慣行」「コンプライアンス」の7分野、19項目です。

人材育成

リーダーシップ、育成、スキル/経験

エンゲージメント

エンゲージメント

流動性

採用、維持、サクセッション

ダイバーシティ

ダイバーシティ、非差別、育児休業

健康・安全

精神的健康、身体的健康、安全

労働慣行

労働慣行、児童労働/強制労働、 賃金の公平性、福利厚生、組合との関係

コンプライアンス

コンプライアンス/倫理

(出典:内閣官房 非財務情報可視化研究会「人的資本可視化指針」 )


人的資本の開示がもたらすこと

人的資本について定量的に測定、議論する仕組みや体制を作れていない企業はまだまだ沢山あります。
義務化されることで、いやおうなしに企業として考えなくてはいけません。
具体的には以下のような事がみえてくると思います。

  • 自社が人的資本に対してどれほど投資できているか

  • 自社を表すような人材とはどのような人か

  • 企業として何を目指し何のために存在しているのか

これらをハッキリと開示することにより、採用活動にもメリットがあります。方向性、自社を体現できる人材が明確化することで、これまで漠然とした判断で「いい会社なんだろう」と入社し、結果「思っていたのと違った」という残念な形での離職は減っていくでしょう。

また、オンボードプログラム(入社後研修)や、既存の社員研修もこれまで以上に意味を持って、企業側も社員側も取り組む事ができるでしょう。

当社はスマートボーディングを用いて、入社後研修を加速させています。(以下参考記事)

Z世代は「転職ありきの就活」が主流とも言われるほど、日本でも若手を中心に人材の流動化が進み始めています。

そのため、自社にマッチした人材確保すること、既に在籍する従業員のスキルやビジョンを会社のビジネスにマッチさせることが重要になっていきます。

当社では、タレントマネジメントシステムのカオナビを導入し、スキルやビジョンの見える化を始めました。

タレントマネジメントとは社員の基本情報や能力・保有スキルをデータ化し、一元管理・分析して、戦略的な人材育成や人材配置につなげることです。(引用:カオナビ)

人的資本経営はこれから更に加速されていくでしょう。
企業として取り残されないためにも、早めに議論していきましょう。


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