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【ゲームレビュー】超探偵事件簿レインコード「ビジュは良いが期待を上回れないミステリアドベンチャー」【Switch】

※本レビューはネタバレを含みます。

 また、個人の感想によるものです。


【評価/10点】

6点


【公式サイト】


【Youtubeでプロローグから1話までプレイしているので良かったら見てね!】


【良かった点】

・雨とネオンの街の色彩

プレイして初めに感じたのは
色彩がきれい
ということだ。

舞台となる「カナイ区」は
日夜を問わず黒い雲に覆われており,
どんよりとして暗い色合いである。

そこに
ネオンの蛍光色が
怪しく光っていて、
中華とサイバーパンクを
合わせたようなテイストの
街並みはとても雰囲気が良い。

暗闇にネオンが怪しく光る街並み
中国語も見える通り中華街テイストだ

さらに主人公ユーマは
紺色のローブを着ているが
マントには蛍光のマークが
あしらわれており、
暗がりの多い街の中でも
際立つようになっている。

設定資料によると
各キャラクターの靴底にも
蛍光色があしらわれているらしい。

ユーマのマントの模様は蛍光色になっている



・思ったよりも映えるグラフィック

正直本作のグラフィックには
さして期待していなかったのだが
想像以上に綺麗で驚いた。

アドベンチャーゲームにしては
ロケーションも多く
マップも小物まで作り込まれている印象だ。

近代的な街並み
ゴシックな教会
アメリカ自然史博物館のような博物館
西洋の城のような学校
某放送禁止になったCMのホラーゲームの
舞台のような日本の田舎町も登場する



・世界観とマッチしたキャラクターのビジュアル。

本作の登場人物は
ほぼ全員がレインコートを着用しているが
全員全く異なるデザインとなっており
キャラ立ちにも一役かっている。

設定資料集を見ると
各キャラごとにピアスや
服装のマークなども細かく
デザインされており、
キャラデザへの力の入りようがみてとれた。

余談だがムービーなどで
死に神ちゃんの見えそうで見えない
シーンが多々あるため、
死に神ちゃんは「履いてない」のでは?
と思っていたが、
設定資料集を見ると
履いてないのではなく
際どいTバッグを履いていた。


・2Dイラストのこだわり

会話パートでは
3Dキャラの動きに合わせて
2Dの立ち絵のイラストが
変わるようになっている。

この2Dイラストのパターンが
ものすごく多くて驚いた。

例えばフブキとの会話パートだけでも
以下の画像のように表情がコロコロ変わる。
これでも立ち絵の一部のため
パターンはまだまだ存在するし、
すべてのキャラに対して多くの立ち絵が
用意されてるのが驚きだ。

むむむ
( ゚д゚)ハッ!
ニッコリ
むーん…

死に神ちゃんはとくにイラストの
パターンが多く見ていて飽きない。

キノコが生えたり
虚無顔になったり…
他にも20種類ぐらいある。

・フルボイス

モブキャラでも当たり前のように
フルボイスなのがすごい。


【イマイチだった点】

・ロードが長い

本作発売直後に各所で
散々言われたことであるが
ロードがとにかく長い。

特に、謎迷宮の推理デスマッチの
ロードが長いというのが言われているが
個人的にはそれ以上に
マップ移動のロードをストレスに感じた。
マップ移動を繰り返して調査を進める
パートも多いにも関わらず。
毎回10秒程度のロードが
入るのは我慢ならない。

ロード画面にはTipsも表示されるが
Tipsのパターンも少ないため
三回ぐらいのロードですべて読み終えてしまう。


・ゲームシステムとマッチしないQTE

個人的に最も評価を下げた要素。

けっこう頻繁(特に3章以降)に
QTE(タイミングよく指定のボタンを
押すイベント)が差し込まれる。

アドベンチャーゲームかつ
フルボイスなので
文字自動送りにして
アニメのように見ながら
プレイしていることも多かったのだが、

突然QTEを求められてもコントローラを
握っていないので対応できない
ということもあった。

アドベンチャーゲームのQTEは
Detroit BecomeHumanぐらい
インタラクトなアドベンチャーで
初めて楽しめるものであって、
そもそも相性が悪い。

ロードの長さは開発力による側面
もあると思うが、

QTEを採用したことについては
完全に蛇足であり、
無かったほうが良かった
と思える要素のため
印象が悪い。


・謎迷宮のテンポが悪くつまらない

謎解きパートの謎迷宮では
推理デスマッチという
ダンガンロンパでいうノンストップ議論
のような遊びがあるのだが、

一問ごとにデスマッチが途切れて
ロードが挟まるため
極めてテンポが悪い。

また推理デスマッチでやることも
矛盾するセリフに
証拠を突きつけるという
ノンストップ議論の基本の型と全く同じで
単調である。

ダンガンロンパでは
シリーズを追うごとに
発言の吸い取りや
同意
偽証
とやれることが増えていって
面白くなっていっただけに

本作の推理デスマッチは
ノンストップ議論の
完全下位互換
であり、つまらない。

ノンストップ議論が如何に面白いシステムで
ダンガンロンパの面白さを構築していたか
を逆説的に実感させられることとなった。


・序盤と終盤以外のストーリーがつまらない。

プロローグと最終話の5話は驚かせる展開
もあり、手を止めずに楽しむことができたが
1話〜3話のストーリーは
取り立てて面白いとは言えない。

というのも
各話でそれぞれ事件が起こるのだが
被害者も容疑者も
その章で初めて出てきたぽっと出の
キャラクターばかりであり、
主人公サイドの当事者感覚が乏しい。

ダンガンロンパでは
最初に登場人物が一気に登場し、
次は誰が被害者で誰が犯人になるのか
というワクワクハラハラ感を楽しめたが

本作の場合
モブがモブを殺した事件であり
あまり興味を持てなかった。

また、ダンガンロンパでは
学校に閉じ込められており、
デスゲームに参加させられるという
常にサスペンスな状況があったが

本作は
閉じ込められているわけでも
主人公が常に命を狙われているわけでもなく
(事あるごとに容疑者にはなるが)
切迫感がない。



・キャラの個性が弱い

本作は味方勢力の世界探偵機構サイドと
敵勢力のアマテラス機構保安部サイドに
はっきり分かれている。

味方サイドの探偵たちは皆
好きになれるキャラではあるが
常識的で良心的なキャラばかりで
味気ない。

最初からダンガンロンパの
生き残りメンバーのみで
ストーリーが展開されているような
感覚であった。

もっとぶっ飛んだキャラ(十神や狛枝)
がいてもいい。


※ダンガンロンパと比較ばっかしてますが・・・

ダンガンロンパと比較ばかりするのは
どうなのか?
という意見もあるかもしれないが、
本作は
ダンガンロンパ主要スタッフによる
ダンガンロンパなキャラデザで
ダンガンロンパな音楽と
ダンガンロンパなシステムを採用した
スパイク・チュンソフトから発売の
推理アドベンチャーゲーム
である。

これでもかというぐらい
ダンガンロンパな要素が詰め込まれており
ダンガンロンパファンに向けたゲーム
とも言えるため
ダンガンロンパとの比較は免れない
と思う。

【プレイ時間】

30時間(クリア+サブクエストコンプまで)

やりこみ要素として
マップに散らばるアイテムを集めて
おまけストーリーを解放する
要素がありますが、
正直やる気が起こらない・・・。


【まとめ】

ダンガンロンパファンが待ち望んだ
精神的続編ともいえる本作は、
ビジュアル面の作り込みにおいては
期待以上のものを提供してくれたが、
肝心要のストーリー部分においては
期待を上回るものではなかった。

また、
ロードの多さと長さに加え、
煩わしさを感じる
QTEや推理デスマッチなどの
ゲームシステムは
ゲームプレイのテンポを
損なってしまっており
ストレスを感じる要素が多い
と言わざるを得ない。

30時間前後という
そこそこのボリュームに加えて
中弛みしてしまいそうな部分もあるため
気軽にオススメできるゲームとは言い難いが

キャラクターや世界観には
十分な魅力があるため、
ミステリよりもキャラを重視するプレイヤー
に勧めたいアドベンチャーゲームといえる。

ビジュアルの作り込みにおいては
十分な開発力があることを示したとも
いえるため、
ゲームシステムとストーリーに
磨きをかけた次回作に期待したい。

【備考】

採点基準

10点:人生が変わるレベルのゲーム。買え!
9 点:超良作。買うべき。
8 点:良作。興味があるなら買ってほしい。
7 点:問題もあるが、総合的には面白い。
6 点:平凡で遊べるが、特に勧めはしない。
5 点:良い部分あれど総合的には良くない。
4 点:面白くない。
3 点:プレイするのが苦痛。
2 点:まともにプレイできない。
1 点:1点以下をつけることはおそらくない。


筆者のシリーズプレイ歴

シリーズ作ではないですが
ダンガンロンパの
精神的続編といえるので
ダンガンロンパシリーズの
プレイ歴を上げておきます。

ダンガンロンパ
スーパーダンガンロンパ2
NewダンガンロンパV3
ハッピーダンガンロンパS

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