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虹の契約

 5年前のこの時期は、かなり苦しい境遇にありました。後になって、当時お世話になった方から「精神的に病んでいるように見えた」と言われたほどには。その状況からは数ヶ月で抜け出すことができましたが、現在ではその期間に与えられた神からの助けの方がより印象深く残っています。
 その助けというのはいくつもありましたが、それを象徴していたと思う出来事が「虹との頻繁な遭遇」でした。外の様子をよく見る方にとっては珍しくないのかもしれませんが、「3ヶ月に3~4回も虹を見る」という経験は個人的にこれが一度きりとなっています。
 見出し画像に使ったのは、11月3日に撮影しfbにアップしていた虹です。3~4回の中で最も鮮明に見えたのがこの虹でした。その日は客員として通っていた教会でバザーが開催されていて、玄関前の野菜売り場で店番をしていました。その際に見えた虹が最も鮮明だったというのは、これまた象徴的な出来事だったなぁと思います。(他にもう1回、教会つながりがあったんですが)

 虹は、聖書の序盤で次のような文脈で登場します。

わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」
更に神は言われた。
「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。
すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。
わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、
わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。 旧約聖書 創世記9章11節~15節前半(新共同訳)

 これは「ノアの洪水」と呼ばれる有名な出来事の後の場面ですが、5年前の文脈で考えるなら「この状況から必ず救い出す」というメッセージが込められていたんじゃないかなぁと思います。
 神から与えられた助けの中には、それがきっかけで今や生きがいと言えるんじゃないかと言うほどになっているものもありました。その根本原因となった苦境を再び味わいたいとはさすがに思いませんが^^;、5年前の経験自体は前向きに振り返ることができるようになっているのは感謝なことです。

苦しみにあったことは 私にとって幸せでした。それにより 私はあなたのおきてを学びました。 旧約聖書 詩篇119篇71節(新改訳2017)

 まさにこのような心境です。
 本題はここまでですが、関連しそうな過去のfb投稿を最後にご紹介したいと思います。

 「福音を伝える方法は時代によって変化するもので、キリストが地上での生涯で起こした数々の奇跡(病気を癒やしたり、嵐を静めたり…)も語弊を恐れずに言えばその一方法に過ぎない」というような話を聞いたことがあります。約2000年前のような(劇的な?)奇跡が現代でも起きているという実話も見聞きしてはいますが、身体的な病気については高度に発達した医療技術も神が与えてくださったものですから、それによる癒しは神から与えられたものに他なりません。(しかしながら、特に精神的な弱さに対しては神様が直接に働いてくださるんだなぁと実感していますが)
 ところで、その「奇跡」という言葉をもっと日常的なレベルに落とし込んでもいいのではないかと思うのです。自分をはじめとする人の思いや常識を越えて神様が働いてくださった御業と、それによる恵み・祝福。それらを奇跡ととらえれば、日常の中にどれだけの奇跡が溢れていることか。他人には偶然だと一蹴されてしまうようなことにも「本当は神様が働いてくださっている」と知り感謝できることは、どれだけの平安と幸せをもたらしてくれるか。
 そして、キリストが伝道活動を行った期間(公生涯と言います)が3~4年という短さだったのに対し、現代はキリストがその人の一生涯をかけて様々な形で働きかけてくださるのです。その長短が大きな違いなのではないかと思います。もちろん、いくら長寿時代だと言っても人の一生を一概に長いとは言えませんが、キリストが公生涯の中で出会われた人々との出会いはまさに「一期一会」だったと言えるのではないでしょうか。
 ゆえに今は、劇的な奇跡が起こる可能性が低いとしても、その代わりに主が時間をかけてじっくりと働いてくださって、結果的には大きな奇跡と呼べる御業を起こしてくださるということが、病に限らず往々にしてあるのではないかと思うのです。

神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた、人の心に永遠を与えられた。しかし人は、神が行うみわざの始まりから終わりまでを見極めることができない。 旧約聖書 伝道者の書3章11節(新改訳2017)

※伝道者の書は、新共同訳・聖書協会共同訳では書簡名が異なり「コヘレトの言葉」です。この書を紐解く番組シリーズ<それでも生きる 旧約聖書「コヘレトの言葉」>が、当初の予定を変更して11月からNHKEテレ「こころの時代」で始まり(再開され)ます。ぜひご覧ください。
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