【転職エントリ】海外でのパーソナルトレーナーを2ヶ月で退職し、日本の東証一部上場企業に再就職しました。
2019年秋に入社したシンガポールのパーソナルジムを退職し、
2020年春から日本の東証一部上場企業に再就職しました。
コンサルティングファームを辞めてパーソナルトレーナーになるという前回の退職エントリは、有り難いことに非常に多くの反響がありました。
たった2ヶ月で何があったのか。
自分自身の整理も含めて、ここに記していこうと思います。
●そもそもパーソナルトレーナーになった理由
前回の退職エントリでは、転職理由を以下のように示しています。
ネガティブ面
・大量採用によるソルジャー化
・コンサルティングビジネスの限界
・日本人の働き方に不安を覚えたから
ポジティブ面
・「楽しいこと」に人生の時間を使いたかった
・「何者」かになりたかった
・得意なこと/好きなこと/必要とされること
ごちゃごちゃ言っていますが、簡単にまとめると、
・コンサルティングというサービス以外のことをやってみたかった
・「好きなこと」を仕事にしたかった
以上の2点が大きかったのかなと今振り返って思います。
●ではなぜパーソナルトレーナーを辞めたのか
ごちゃごちゃ言っても言い訳になると思うので、あまり深くは触れないようにしたいという気持ちはあります。
外から見れば、あくまで2ヶ月で辞めたという経歴が残っているだけなので。経歴書には書けないけど。
正直、自分の中では仕方ない事情が3割、自分の至らなさが7割といった感じです。
仕方ない事情というのは、海外で働くときに必要なアレです。察してください。
●結果的にどうだったのか
結果的には、転職活動を頑張ったおかげで悪い結果にはならなかったと思っています。
パーソナルトレーナーをやった経験、短いながらも海外で生活した経験というのは一生のうちになかなかできるものではありません。
これに関しては後述します。
また、転職活動でコケなかったのも若さあってのことだと思っています。
「若いんだからいろんなことしときなよ!」という大人の言葉を、まさに身を以て体感したといえます。
ブランクがあっても案外なんとかなるよと声を大にして言いたいところです。
かなり危ない橋だったけど。。。
まさに「やらないで後悔するよりもやって後悔!」を地でいった感じです。
●パーソナルトレーナーをすることで得られたもの
さて、パーソナルトレーナー自体はめちゃくちゃ楽しかったです。
どんなところが楽しかったかというと、、、
・自分の知識や経験を活かした仕事である
筆者はトレーニングをすること、トレーニングの知識をつけること、トレーニングを教えることが好きです。
一方、世の中には、
「トレーニングするのが好きでも知識をつけるのは好きはない人」、
「そもそもトレーニングが好きではない人」、いろいろな人がいます。
料理に例えるとわかりやすいと思うのですが、「美味しい料理を作るのが好きな人」が「美味しい料理を食べるのが好きな人」に振る舞うからこそ、レストランというビジネスが成り立っています。
自分が苦じゃなく取り組めることで、他人の役に立つことができるというのは幸せなことなのだとわかりました。
・お客さんの頑張りや感謝が目に見える
これはtoCビジネス全般にいえることかもしれません。
しかしtoB畑で育ってきた身からするとめちゃくちゃ新鮮でした。
特に、シンガポール在住でパーソナルトレーニングを受けにくるのは社会的に高い地位に就いている方が大半でした。
そのような方たちが、トレーニングを通じて
「いやー、最近仕事で疲れてたんだけど筋トレすると元気出るね!」とか
「毎日家族でプロテイン飲んでます!美味しい味は奪い合いになっちゃって大変で笑」とか言ってくださるのは単純に嬉しいですね。
●パーソナルトレーニングビジネスの今後
しかし一方で、パーソナルトレーナーはポジティブな面ばかりではありません。
・店舗型ビジネスの限界
2020年4月現在のシンガポールはコロナウイルスによるロックダウンの影響を受けており、パーソナルジムは営業できない状態になっています。
しかしその前から利益率の話は課題として認識していました。
シンガポールは家賃が高く、人件費と合わせて相当の固定費がかかります。
人的資本やITによるレバレッジが効きづらい業種のため、何らかの工夫が必要と思われます。
トレーナーが次々とYouTubeに進出しているのもこのような背景があることが想像されます。
・競合の増加
しかしそのフィットネスYouTube市場も今は群雄割拠。
つまり、競合が多すぎるという問題があります。
パーソナルジムに関しても、たまたまシンガポールは日本人向けのジムが少なく競合がほぼいない状態でしたが、日本では乱立している状態です。
「結果にコミット」だけではなく、近年のパーソナルジムは「脚痩せパーソナル」「きつくないトレーニング」など差別化を図っているようですが、正直ガチ勢から見ると眉唾な部分もあります。
・給料が少ない、なかなか伸びない
隠すことでもないので言ってしまうと、パーソナルトレーナー時代の月給は約32万円。
ここからシンガポールのクソ高い家賃を引いて、手元に残るのが約25万円くらい。
生活するのに困る金額ではないですし、日本のパーソナルトレーナー、東南アジアの現地採用などと比べると十分すぎる水準ではありますが、
やはりレバレッジが効かない以上、給料を伸ばすのが難しい。
それでもやりがいのある仕事なので志望者はこれから増えていくとは思いますが、志望者が多いということは賃金が上がらないということ(ディズニーランドとかを考えたらわかりますよね)。
真面目に一生パーソナルトレーナーをやるとしたら、自分でビジネスを持つことが必須になってくると感じました。
●転職活動の結果まとめ
2020年1月から、シンガポールを拠点に転職活動を始めました。
なんでシンガポールを拠点にしたかというと、東南アジアでの就職を選択肢に入れておきたかったのと、ゆっくり観光がしたかったから。
フェーズごとにまとめると、以下のような結果。
ES提出…たくさん
一次面接…36社
二次面接…8社
最終面接…7社
内定…4社
や、36社って多すぎだろ。今どきの新卒でもそこまで受けないのでは。。
一次面接を通過した企業は5割の確率で内定いただいてるので、いかに手当たり次第受けていたかがわかります。だって焦ってたんだもん。
ちなみに1月のスケジュールは以下のような感じ。
2月も似たようなもんで、コロナの影響で最終面接がリスケになった1社を除いて全てが2ヶ月で完結しました。いやー、暇っていいね。
1月はweb面接が中心で、対面が必須の企業は帰国した2月以降に面接しました。
●転職活動をしてみての感想
使ったサイトはAMBIとDaijobの2社。
最初のほうはエージェントと企業の違いすらわかりませんでした(恥)
・エージェントについて
エージェントはいろいろ比較したほうがいいと思います。
独自のアプリとかDLさせてくるところは問答無用で除外。
あと電話中心のコミュニケーションしてくるところと直接会いたがってくるところもめんどい。
でも結局入社するところを勧めてくれたエージェントは電話が多い人だったのでなんとも言えない。。。
・職務経歴書について
職務経歴書はちゃんと書くこと(当たり前)。
ちゃんと書くようにしたらES通過率が飛躍的に上がりました。
一次面接をした36社の前には幾多もの屍の山が…
新卒の就活で盛りグセをつけといて本当によかった(よくない)。
むしろ、「今のジョブって職務経歴書に書くとしたらどうすればいいんだろう?」みたいなことを考えながら普段から仕事したほうがいいんじゃないかという気になりました。
・業界について
業界を絞らず、「マーケティング・企画職」という軸で絞っていたのですが、これはあんまり良くないかもしれません。
エージェントからも面接官からもひたすら「業界選びの軸は?」と聞かれてうんざりしました。
プロダクトベースではなくジョブベースで選んだほうがいいと思うんだけどなあ。
「仕事内容はなんでもいいけどとにかく自動車に関わりたいです!」って人あんまりいないでしょ。。
・やりたいことが定まっていない人にスタートアップは難しい
特にスタートアップの面接で多かったのが、「うちに入って何やりたいの?」「〇〇(プロダクトに関連した単語が入ります)って好き?」みたいな質問。
煽りとか抜きに、スタートアップには社会に課題意識を持っていて自発的に動ける人が多いと感じました。
自分自身も、先進的な取り組みは好きだし、新規ビジネスみたいなものにも惹かれるのは事実ですが、
即戦力のソフトスキルも、具体的なイメージもない(あったら起業してると思う)ので結構ハードルが高く感じました。
・経歴がぐちゃぐちゃな人間に伝統的大企業は難しい
あときつかったのが、一次面接で強面のおっさんが並んで待ってる企業。
そもそも一次面接ごときに年次が上の人を複数当ててる時点で人的コスト感覚どうなってるんだって感じですし、
大学を留年していて転職前に退職してふらふら海外に行ってるような人とそんな企業の相性がいい訳がない。。。
・結局職歴で判断されるのでポテンシャル採用は難しい
さっきのソフトスキルの話に通ずるものがあるのですが、結局コンサルティングファームで得たものはジェネラルなビジネススキルとプロジェクト推進における対人構築力、あと軽いパッケージ導入経験。
マーケティングや企画職は実務経験が求められることが多く、やっぱりファーストキャリアにかなり左右されるんだなあと思いました。
なのでポテンシャル採用は難しく、必然的に前職でやっていたことと関連のあるポジションが通りやすい実感がありました。
●どんな企業への道があったのか
内定をいただいたのが以下の4社。
A.IT企業でマーケティングとシステム企画
B.日系大企業で政府系のプロジェクトマネジメント
C.スタートアップでFintech系の業務コンサル
D.スタートアップで半個人事業主のような形で総合コンサル
ギャルゲーかよっていう選択肢の多様さ。
いかに迷走していたかが如実に出ていますね。
贅沢なお話ではあるのですが、ここから絞っていくのがちょっと大変でした。
どうやって最終的に決めていったのかを記していきます。
1.各要素を点数化してみる
「軸」がなかったので、このタイミングで軸を作りました。
その際に参考にしたのがこのnote。
評価項目と評価基準、点数を決めてそれぞれの会社を点数化していく。おお、なんかエンジニアっぽい。
できたのがこれ。今見たらガバガバにしか見えない。
(上の記事を書いてくださった方、非常に参考になりました。ありがとうございます。)
2.周りに相談する
点数で進路が決まるほど人間はロジックで生きていません。
最終的にA社とB社で迷って、知り合い何人かに相談させてもらいました。
そしたらなんと、相談した全員がA社を推薦。
「結局自分が何をやりたいかだよね」
「A社のほうが事業的におもしろそうじゃない?」
「数年後の自分の市場価値ってどうなってると思う?」
「お前はなんとなくA社っぽい」
と、いろんな意見をもらって非常に参考になりました。
●終わりに
転職してもフィットネスに関する情熱は以前と変わっておらず、これからもnoteで情報発信をしていきます。
この記事が、パーソナルトレーナーへの就職を考えている人、やりたいことがあるのになかなか踏ん切りがつかない人、転職を考えている人などの参考になれば幸いです。
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