探究教育は実は面倒臭いと思う

本音です。探究教育はプランが大変です。

大半の生徒はどう探究して良いのかわかりません。先生が勝手に「探究しようぜ」って言ってても何もおこりません。

たまに、逸材が出ますが、大半の生徒さんは暗記した答えを言う、公式を暗記して答える、という方が楽です。そして教える方も暗記すべきことを伝えるだけの授業やワークシートだけの授業の方が楽だと思っています。

例えば、私は音楽の先生なので音楽を例えにしていいますが。。。例えば、歌を歌う時に必ず生徒さんに「どういう風に歌うのがいいか」とか「どこを改善したらもっとよくなるか」とききます。自分の意見を積極的にシェアしたい生徒さんなら楽です。そういう生徒さんは先生がいなくても伸びます。しかし、ほとんどの生徒さんが「もっとよくなる」ということに対して無頓着です。なぜなら、考えるのが苦痛だからです。

となると、「よい歌声、よい姿勢、良いアンサンブルってなんだろう?」ってことを考えさせる必要が出てきます。良いアンサンブルってなんだろう。。。って思うと結構難しく感じませんか?

音楽とは「組織された音・organized sound」と私の中では定義つけています。これはブーレーズの受け売りですが、幅広い世界の音楽を生徒に教えるにはそう定義つけておいた方がいいので、そう定義つけてます。その中でメロディーやらハーモニーやらリズムやらがあるわけ、授業ではそういったのを教えていきます。そして、良いアンサンブルってなんだろうって時に生徒さんから「良いハーモニーがバランスよく正しい音で歌われる。正確なリズムでみんなが一緒に歌う」とか、「良い姿勢で歌うことで発声がよくなってちゃんとした正確な音で歌える」とか「感情を込めてみんなで一緒に歌う」とか聞けたら最高ですよね。

けど、大半の生徒は先生に答えを先に言ってもらってそれを暗記するのが教育で、そっちの方が楽ちんだと洗脳されています。それらは親から無意識に得るものだったり、社会からの影響とかだと思っています。それに先に答えを聞いて暗記した方が楽です。

結果、「先生、そんな事はいいから兎に角カラオケみたいに歌を歌わせてよ。適当で楽しかったらいいじゃん」ってなるわけです。

歌うことで得られることについて語りあうことも皆無です。兎に角みんな先生の真似をすればいいって思ってますから、音楽の授業は先生が延々歌って生徒がその真似をする、という先生にとって声も精神もクタクタになる内容になりがちです。これやると、先生が疲れるだけで、生徒は上の空で適当に歌ってるふりをしてても何か成し遂げたって勘違いしてしまいます。別に、「楽しかったらいいじゃん」って言われたらそれもそうですが、楽しくない=悪っていう考えってどうかなって思います。

話を戻して、「良いアンサンブルってなんだろう」という質問を授業でするとしましょう。相手は何もわからない生徒さんです。

ゼロから1を作り上げる難しさがここにあります。

私だったらいろんな「よいアンサンブル」のお手本みたいなビデオを見せるとか、から始めます。合唱団、バンド、世間的に「こいつはタイトだぜ」と言われるコンサートの一部分ですとか。そして、その後に意見交換ですとか。(けど、ほとんどの生徒がそんなのをみても隣の子とおしゃべりしたり落書きしたりして全然何も生み出せません。まあ、これが現実です)

別に英語が苦手な生徒さん相手なら、良いアンサンブルの絵を描かせてもいいかもしれませんね。一番手っ取り早いのはそれを歌わせることですが。けれど、ただ歌わせるのではなく、改善を意識させながら歌わせないといけません。これが難しい。

探究学習といっても色々あるので、これはただ数多くある中の一つにすぎませんが、工夫や考えることが好きな生徒さんには向いてるし、探究スキルはこれからの時代に必要です。

しかし教える側も毎日切磋琢磨して、プランをしっかりして、時間をかけ、根気よく教えていく必要があります。



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