#39 「私の履歴書」の正しい書き方。今日まで合格している木瀬照雄氏(TOTO元会長)。
もちろん日本経済新聞の最終面左上の連載。
世の成功者だけが書けるステータス。
1か月で1人だから1年に12人しか書くことができない。
経済人に限られないところがいいけど、やはり経済人が多い。
まともなビジネス・パーソンなら読んでいない人はいないんじゃないかな。
調べると1956年3月スタートだそうだ。
私の父親が日経を購読していて、新聞配達もしていたので小学生のころから読んでいる。(当時、田舎で日経を読んでるなんて株やっている人)
1971年(9歳)の川口松太郎、茂木啓三郎(二代目)は読んでいたはず。
1974年(12歳)の糸川秀夫、川上哲治あたりから覚えている。
ちょっと遡るけど、1966年2月は当時自民党幹事長(まだ総理になる前のイケイケの頃)の田中角栄。これを読んだ父はいたく感心していたのを後で聞いた。
1987年から月1人の今の形になったそう。あれ、そうだったかな?日経も人気を意識し始めたのかな。特に日本経済がバブルに入った頃だしね。
たしかに、その年の日向方齊、原健三郎、南部忠平、小林宏治あたりになると内容もほとんど記憶している。
なんでかな?と思ったら仕事や社会を真剣に意識し始めたから。それで私も腰を据えて熟読し始めたようです。(日向、小林は山梨県出身ということもあるかもしれない。)
この頃から私自身も「私の履歴書」に投影しながら読み進めることになったわけです。それが真っ当な「読み方」ですね。働いていない人やビジネスに関係ない人は興味がわかないでしょうに。
さて本題に入りましょう。
「書き方」ってタイトルが変って?「読み方」の間違いじゃないの?
そうじゃない。これを説明しておきます。
へビーなファンである私が常々不満に思っていたことがあります。
1か月をその方の人生に沿って少しづつ読んでいくわけですが、毎日のどこかに年月を記入して欲しいということです。
履歴書なんだから年月で箇条書きに書け、と原理原則を言っているわけではないんです。
読者は時間を追って追体験をするわけで、「その頃、時代は、社会は、世界は、ビジネスは、テクノロジーは、日本人は、私は、どうだったっけ?」と思い出しながら、あるいは生まれていない過去や体験していない歴史とリンクさせ想像しながら読んでいるわけです。「はて、今読んでいるのはいつの事やら」と思わせたら自己中のそしりを免れないと思う訳です(大げさか)
つまり著者の個人的な生き方の直接な記述というよりも、共通の時代、あるいは共有された背景というものにむしろ興味があるわけです。そういう時代の波に翻弄されるにせよ、そこは差し引いたり追い風を足したり。そうすることで稀有な人生、特にある状況や分岐点における”本人の選択”が際立って想像できてくるってものだと思います。
だって同じ時代に生きていて同じチャンスがあったはずなのに、なぜこの人にできて、他の人はできなかった(やらなかった)のか?というのが知りたいわけじゃないですか。極論すれば、得られる教訓はそこだけでしょ。そこにリスペクトが生まれるはず。これが正しい自叙伝の「読み方」だと思っているんです。
そのことがわかっていれば、毎回どころかトピックごとに年月を必ず記して欲しい、入れるべきだというのが持論なのです。
付け加えるならば、さらに親切な人は自分の満年齢も入れて欲しい。いや私の生年は最初の回に書いたはずだからわかるはずだ、指折って計算しなさい、では不親切。
だって、成功者と自分を比較しながら読むものでしょう。あー私はこの歳は・・・(若い読者なら)私もこの歳までにがんばって・・・とかね。これは普通の「読み方」。これはこれで参考になるし。
連載なんだから、その回しか読まない人も多いのですよ。
そう思って数十年。チェックを重ねて数十年。
今月、やっとこの点を理解されている”成功者”に出会いました!
私もこれが書けることがうれしい。
2021年6月 木瀬照雄氏(TOTO元会長)
本日21日(月)まで毎回、年月が記載されています。
偶然ではないと思う(偶然の確率は非常に小さい)
想像するに本人もそう感じていたのではないか?そうであれば私と同意見と言う点でうれしい。
もし周囲の人で提案したり注意していたなら、その人も素晴らしい。
これが30日まで続くことを、ハラハラしながら読んでいきます(結果は追記します)。
もし私が書く機会があれば(あるわけないが)ここだけは守りたい(笑)。
ただし、満年齢は記入がない。たぶんそこまで書くのは文章の流れとして変だし、きれいではない気もする、と思ったのではないか。
なんか型どおりの履歴書っぽくなっちゃう。私もそう感じる。
だからOKとしたい。
※ もし、以前に達成されている方がいて見逃していたらゴメン。
※ 追記7月1日 残念ながら木瀬氏は最終日に失敗をしでかし、第一号を逃してしまいました!
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