見出し画像

青空卓球大会 in 中国・広州

2019年10月、担当する業務の関係で中国広州市に出張した。
初めての中国での仕事。気も引き締まる。
僕の任務は現地で車のテストをして即日解析し、問題点や改善点を中国工場メンバーと整合してくること。

広州に到着した日曜日はフリータイム
この日は現地に駐在する関係会社の先輩に街を案内してもらった
その第一印象は、、
(@_@;) めっちゃ都会やないか広州!!
大阪、いや東京も凌ぐであろう摩天楼に、ごちゃごちゃしながらも若者が多く、高温多湿でエネルギー溢れる街、一瞬にして気に入った!

画像1

翌日からの仕事。
高温多湿に勝手の違う設備、初めて顔を合わすメンバーなど、最初は難しかったが、中国メンバーの手厚い協力で、仕事がはかどった。

昔中国に駐在していた父が中国人はとても優秀だと言っていたが、
うん確かに、”すごい優秀” 
汗をかきながら必死にサポートしてくれる若手技術者や
自分の職務以上の事を自ら手を率先して手伝ってくれる通訳さんなど
その頑張り屋さんな姿勢に日本人男子一同「惚れてまうやろ~!」と思ってたハズ

初日に広州のワクワクを感じた僕は、ホテルに戻って一仕事してから毎晩夜な夜な目の前の地鉄(地下鉄)に乗って闇雲に?観光した。
整然とした再開発地区と昔ながらのごちゃごちゃした街並み、どちらも歩くだけで刺激的。
※ラッシュ時の地鉄は要注意
東京メトロ以上にギュウギュウです
ドア付近を空けるという文化はないので、降りたい駅に着いたら躊躇せず、周りの人をラグビータックルで一緒に車外に押し出さなければ降りれません。現地の女性も降りたい駅で降りれないこともあるんだとか

画像2

それ以外は快適そのもの、広州
ここ住みたい街かも。。。

出張勤務の最終木曜日、仕事が早くに終わり午後から急遽フリータイムに
広州スポーツセンター(中国語で体育中心)をぶらぶらする。

ここは以前、陸上のアジア大会が行われていた場所。
街のど真ん中の広大な敷地にドデカいスタジアム

画像5

周囲を散策していると、ストリートの両脇に野外の卓球場を発見。
見れば、60~70歳台のシニアの方々が集い、打ち合っている。
日本でいうゲートボールみたいな、健康維持の憩いの場かな
そう思いながら遠目で眺めていた

でもちょっとやってみたいなぁ、、、
卓球場に近づき、心の中で指をくわえジーっと金網の外側から眺めてみる。
すると
「やってみるかい?」
気づいた一人のおじさんが声をかけてくれた。
僕は首を縦に振り、金網をよじ登って卓球上に侵入した。

画像6

上半身裸で汗だくのおじさんは、ビニール袋からラケットを取り出し、僕に渡した
めちゃめちゃグリップするラバー、これ絶対いいやつ!
素人目線だが、きっと中国の卓球はすごいんだろうという先入観がそう思わせる。

いざ試合開始
は、速い!
おじさんのサーブについていけない。
これが本場中国の卓球か!

なんとかその後は返すも、また打ち返してくる球がどえらい速い。
カットなどのテクニックが主流の日本と違って中国の卓球はよりパワー勝負なのか。汗

このままではやられてしまう
小学校の時はクラスで2番目に卓球が上手かったんだ!
そんな過去の大したことないプライドを引っ張り出してみるが、役には立たず
1ゲーム目、負け
その後は3ゲームに1回は何とか勝つという勝負が続く

強力な相手、野外で滑る足元、照り付ける南国の太陽に高温多湿。
相当ハードだが、それは相手も同じ条件。
気づけば1時間以上おじさんとぶっ通しで対決していた。

完敗だった
しかしとても幸せな時間だった

昔からメジャーリーグで活躍する日本人選手、F1で活躍する日本人ドライバーに心踊らされ、世界で戦う日本人アスリートに大きな憧れと尊敬の念を持っていた。
そして自分もその感覚を少しだけ体験できたような気がして、嬉しかった。
スポーツを通じて、全力で世界の人と交流できることは素晴らしい。

おじさんとその仲間にひとしきり謝謝を言い、その場を後にする。
その後水を買い、卓球場に戻った。

おじさんは1時間、全く水分補給をしていなかったことが心配だった。
脱水症状なっちゃうよ
水のペットボトルを金網越しに「はいっ」て渡す
でもおじさんは「いいよいいよ!」って受け取らない

次に僕はスマホのGoogle翻訳の画面を見せる。
「強大」 (※あなたは強い、あなたが勝者だという意味)
これを見て、おじさんは笑い、僕に礼を言って水を受け取ってくれた。

すがすがしい気分と、汗で重くなったTシャツとズボンをまとってホテルに向かって歩く。

あーシャワー早く浴びてぇ―

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?