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もうだめ人生録⑤ ブラック企業で現代の奴隷になった私

私が新卒で入社した会社は、ワンマン社長が率いるブラック企業でした。

具体的にどの辺がブラックなのかと、そんな会社でどうやって過ごしたのかを書いていきたいと思います。

ブラックなポイント① 会社のルール編

会社の決まりが典型的なブラック企業だなと思いました。

一例を挙げると下記のような感じです。

・始業は9:00だが、8:30には集合して掃除をする決まりになっていた(掃除は労働時間には含まれない)

・求人票では「残業代支給」と書いてあったが、入社してから渡された労働契約には「基本給にはみなし残業(50時間)を含むと書いてあった」(結局50時間超えても残業代は出なかった)

・朝礼で立ちっぱなしで社長の訓示を30分〜45分聴く

・朝礼で社是とかスローガンを唱和する

・社長とすれ違う時は、廊下の端によって直立不動の姿勢で「お疲れ様です!」と言ってお辞儀をする

・賃金は年功序列で上がっていく

・役職が上の社員は基本的に減給の対象にならない(対象になっても1,2年で元に戻った)

こんな感じの会社で、4年間ほどお世話になりました。

あんまり一般的なルールではないような気がしますが、社員は普通に従ってやってました。

ブラックなポイント② 社員の行動編

社員の行動もブラック企業ならではという感じでした。

・入社する人と同じくらい退職していく人が多い

・「俺が顧客との調整をやってやったんだからちゃんと作業しろ」「俺の言うとおりにしたら上手くいっただろ?」みたいな押し付けがましい言い方をする人がめっちゃ多い

・社内では割と高い頻度でだれかが怒鳴っている

・社長につかまらないように社員が避けている

・部長職の社員は、自分の言っていることは部下が察するのが当たり前だと思っている

・早い人でも退社するのは19時(定時は18時)

人がめっちゃ辞めるので残った人たちで仕事を回している状態でした。

残った人たちはお互いに思考のクセや考え方を知っているのでスムーズなコミュニケーションができますが、私のような新人には難しかったです(「ここまで言わないとわからないのか!?」って何回も言われました)

ブラックなポイント③ 上司編

ブラックな会社にいてもホワイトな会社にいても、結局は上司がどんな人かで労働環境は大きく変わってきます。

残念ながら私の上司は残念な人で、上司ガチャで★1を引いたような感じでした。

以下、上司のパワーワード集をご紹介します。

・「うちは中小企業やぞ! 指導にカリキュラムがあると思ってんのか?」

・「お前、本当に日本人か? 日本人じゃなかったら謝るわ」

・「きっかり1時間の休憩があって、昼飯を食うのが当たり前だと思うな!」

・「(22:30に)終わらないんだったら明日の朝までにやって」

・「(「時間までに終わりません」という私の報告に対して)終わるように努力したらいいんちゃうん?」

・「(終電まで仕事して毎日夜の1時に寝ている私に対して)ちょっと忙しい人の睡眠時間やん! 何がしんどいんや!」

…★1のキャラクターをタップした時に喋ってくれる、ゲームセリフ集だと思えばいいでしょうか(遠い目)

面倒見の悪い上司の元で過ごした日々

上司は声が大きいうえに説教がやたら長い人でした。お客さんから電話かかってきたら舌打ちして説教を中断するので、指導の意味は全くなかったんだと思います。

あと多分、部長とか取引先から私だけめっちゃ怒られたり、担当を外されたりしたことがあったので、失敗を私に被せてたんだと思います(担当は取引先の人が戻してくれました、感謝しかありません)。

あと「指導にカリキュラムはない」と言っていた通り、面倒見が悪くてあんまり教えてくれないタイプの上司でした。

違う先輩が「彼(私のことです)が年齢の割にスキルが低いのは彼のせいじゃない」と私のことをかばうくらいに、仕事のコツとかを何も知らないまま年数だけすぎていきました。

無駄な努力を重ねる日々

最初は上司に従って、どんな無茶なことでもやり遂げようと努力しました。

毎月150時間〜200時間くらいの残業をして、上司からの無茶振りに応えました(週休ならぬ月休2日〜3日くらいで仕事してました)。

今から考えると、上司に無茶振りされてやった仕事をムリしてでもやっていたことは、完全に無駄な努力だったように思います。

「量は質に転化する」という言葉がありますが、量が多すぎるとシンプルに疲れてそれどころじゃなくなるというのが実感です。

失ったもの

・友人

・冷静な思考力

・仕事以外のことをする気力

・若い頃の時間

仕事第一になり、自分で時間をコントロールするのが本当に難しくなったことで、友人とは疎遠になりました。

上司は大きい声で毎日怒鳴ってくるし、帰りは毎日遅いので休む間もなく疲れており、冷静な思考ができないので「頭悪い!!」と上司から毎日怒られていました。

家に帰ってからお風呂に入る気力が起きず、一回寝て起きて体力を回復させてからでないと入浴ができなくなりました。

そうやって私がブラック企業で消耗している間に、周りの人たちは結婚したり出産したり起業したりと人生を前に進めていました。

現代の奴隷

こうして私は、上司に都合のいいように使われる奴隷になっていました。

平日のみならず土曜日も日曜日も夜遅くまで働き、無茶な仕事を渡され、できなければ怒鳴られ、何か失敗があれば上司の身代わりになる…

明日のことは考えず、未来のことも考えず、自分のことも顧みることもなくただただ目の前のことをやる奴隷…

それが、これまでの人生をかけてたどり着いた姿でした。


もうだめ人生録


【あとがき】もうだめからの脱却記、始まる

ここまでの記事で、私のダメだった部分を凝縮させて、マジで救いのない話ばかりを書いてきました。

一応フォローしておくと、今の私はブラック企業から脱出して、好きな人と結婚し、もうだめだった過去からは別人みたいな感じになっています。

もうだめな状況から脱却して別人になれたのは、やっぱり「このままじゃダメだ」と思って、具体的な行動に移せたからだと思っています。

そのお話もちゃんとまとめて、今度は前向きな話もしたいと思います。