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ひゃくま
2020年7月28日 22:23
1/ 「借金抱えた男が逃げたって?」 疲れた顔をした40代後半の男が咥えたままの煙草が煙をくゆらせる。 「よくある話っすねぇ」 男の隣には若い男が立っており、手元のスマートフォンを弄りながら軽い口調で返した。 上司は人気のない路地裏を見つめる。 「よくある話つったってよぉ……。これはねぇだろ、これは」 見つめている先は行き止まり――だったはずの路地裏。 今は瓦礫まみれで、路地裏なの
2020年7月21日 21:04
1/ 「……バタフライナイフ?」 突然の言葉にただでさえ他人に怖がられる顔が更に歪む。 周りに人はいなくて良かった。 いればこの顔のせいで確実に避けられていただろう。 そうなれば俺のガラスのハートが傷つくことは必至だった。 スマホが電話の着信を告げ、何事かと画面を見れば非通知、悪戯だろうと無視しようとしたところで操作もしていないのに勝手に通話が繋がった。 そして第一声が『バタフライナ
2020年7月14日 22:02
横目に整った女の顔が見える。 俺の視線に気が付いた、その女の口角がニヤリと歪むのが見えた。 負けられない。 女のその表情に、強く心が反応する。 アイツはこの状況を楽しんでいるのであろうが、俺はそうじゃない。 負けられないのだ。 決して。 これは、そう、妹の仇なのだ。 泣きついてきた妹の姿が瞼に浮かぶ。 それだけ追い詰められたのだろう。 楽し気に妹を追い詰める女の顔も浮
2020年7月7日 21:41
忍者は一般的に言って諜報を行う裏方だ。 けして表に出ず、名も残さない英雄たち。 それが忍者だろう。 それは間違いではない。 実際、元々の忍者の役目はそうであっただろう。 ただ、忍者の強みは決してそこではない。 忍者の強みは諜報という難易度が高く、広く高い水準のあらゆる能力を求められる仕事を請け負えるだけの技術や能力があること。 そのオールマイティな強さこそが真の武器であり、