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制服の新しい意味

6月。
長女が楽しみにしていた学校の衣替えが、
今年はいつもと違う。

娘が通う公立の小学校には、
「標準服」と呼ばれる制服がある。
衣替えで、標準服に変わりはないけど。
変わったのは、標準服に
男女の区別がなくなったこと。

先月、唐突に家庭に届いた
学校からのお便りには、
今まで男子が履いていた標準服のズボンを
今月から女子が履いても良いことになったと
書かれていた。

逆もまた然り。
男子が女子の履いていた標準服のスカートを
履いても良いことになったと。

まだ自分が生きているうちに、
こんな日を迎えるとは。
あまりに驚いて、
何度お便りを読み返したことか。


10年以上前。
長女が生まれた頃に住んでいた台湾で、
近所を行き交う女子高生達を眺めていると、
制服には当たり前のように
スカートとズボンの両方があって、
どちらかを選んで着ている光景が
心底羨ましかった。

日本でもいつか実現することを願っていたけど、
まさか娘の小学校の制服で現実になるとは。

確実に時代は変わっている。


衣替えが始まって、
男子が着ていた標準服の短パンを
女子が履いて来ることは結構あるらしい。

制服のスカートに引き寄せられてやって来る
「いかのおすし」のおじさんが心配な親としては
本当に有難い取り組みだと思う。

そして、娘から聞く学校の話が新鮮だ。

女子が制服にズボンを選んで履いていくと
困ることがあるらしい。
体育の授業で体操着に着替える時に
パンツが見えてしまうとか。

今まではスカートだから
隠しながら着替えられて良かったけど、
ズボンは不便なこともあると。

だから、体育がある日はスカートで来て、
体育のない日はズボンで来る友達がいると
楽しそうに教えてくれた。

でも、男子がスカートを履いてきた例は
まだ見たことがないとか。
男子用の標準服にスカートはなかったから、
制服を製造する会社が開発中だそうだ。

そこまでするなら、
標準服をやめればいいような気もするけど。
男女を区別しないという事を示すために
標準服が存在し続けるのかもしれない。

新しい時代に
新しい制服の意味を感じる。

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