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お金のウェルビーイング「愛の経済」 ー「幸福学」前野隆司 x 「愛の経営」樋口耕太郎

◎You Tube動画-全編書き起こし
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<登壇者プロフィール>
前野隆司(まえの・たかし)教授
1984年東京工業大学卒業、1986年同大学修士課程修了。キヤノン、カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、ハーバード大学訪問教授等を経て、現在は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務。博士(工学)。著書に、『幸せな職場の経営学』(2019年)、『幸福学×経営学』(2018年)、『幸せのメカニズム』(2014年)、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(2004年)など多数。日本機械学会賞(論文)(1999年)、日本ロボット学会論文賞(2003年)、日本バーチャルリアリティー学会論文賞(2007年)などを受賞。専門は、システムデザイン・マネジメント学、幸福学、イノベーション教育など。


樋口耕太郎(ひぐち・こうたろう)准教授
1989年筑波大学比較文化学類、1997年ニューヨーク大学経営学修士課程(MBA)卒業。野村證券や不動産トレーディング会社のレーサム共同経営者を経て、2004年、沖縄「サンマリーナホテル」(恩納村)を事業再生。実質的な赤字企業を約1年足らずで高収益企業に再生させる。

2006年、沖縄で事業再生会社を設立。2012年沖縄大学人文学部コミュニケーション学科准教授就任。人と社会の幸せを考える「幸福論」などを担当。著書に『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』(2020年)がある。


<超要約(キーメッセージ)>

7万5千ドルを超えると、年収と幸せに相関はない。 不幸を解消するためのお金にとらわれている

お金と幸せとは全く無関係では?

お金は人類最悪の発明では

フォーカスを当ててることは幻想である

不幸を解消する目的が、あまりにも明確だから目標にしやすい

お金が欲しい理由?ー認めてもらいたいなど無意識の動機がある

愛を目指さない限り、幸せになれないんじゃないか?

お金とはただの媒介。お金が腐らないのが間違え。

人類最も愚かな300年

自分愛と隣人から人類への愛

愛を目的にしない経営、政治は、人間のためのものじゃない

愛とは?ー「人に対する関心ごとでなく、人の関心に関心を向けること」

その人に全部捧げるーその人のつまらない話に意識を向ける

みんなの幸せを思うこと=愛

自分を愛すること

どう見てもみんな幸せに生きたほうがいい

1/80億・・・全体を思う気持ちがなくても生きていける

彼女の優しさ(サービス)は、目的じゃなく手段だったんだ。

思いやりを目的にしない限り、無くならない傷だ

売上、顧客満足度・・・目的があるかぎり、思いやりは手段にしかなりえない

お客さんが、無意識に、嘘がないことに気づく

幸せ>利益

順番が大事。一番じゃないと大切にしてないのと同じ。

愛を一番に大切にしたほうが簡単。

前の自分は、研究成果>幸せだった

みなさんの優先順位はなんですか?

一番を変えないと、人生変わらない

一番大切なことを一番大切にすることだ

みんな愛する家族と考えれば、何の難しい判断はいらない

幸せを目指しても幸せになれない

語っても無駄なんですよね

一線をこえるストーリーが素敵

奥さんに、向き合って本心を伝えてみる

小さなふるう勇気

自己開示、手放すがヒント

10分間、その人の関心に関心を向けることはできる。やるかやらないかだけ。

愛が特別だとして言い訳してないか。

感謝を数えてみる。

ボランティア活動を無理やりするだけでも幸せになる

口角を上げるだけでも、免疫力高まる

問題解決と幸せは無関係

PTGーポスト・トラウマティック・グロース。苦しいほうがしあわせになる

変容段階で、健全な絶望感

ネガティブポジティブ両方合わせてポジティブ

とにかくいろんなことにチャレンジしてほしい

自分を愛するレベルでストレスかける

自分を信じられない中でポジティブメンタリティは通用しない


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<本編>

山下

はい。8時、時間になりましたので始めたいと思います。ウェルビーイングの英知をみんなでラボる、Wisdom Commons Labがお届けします。ビギナーシリーズ第14回をお金のウェルビーイング「愛の経済」ということでですね。幸福学の第一人者である慶応大学の前野教授と、幸福論で同じくですね、教鞭を取られております沖縄大学の樋口先生をお招きしております。今日はよろしくお願いします。


前野

よろしくお願いします。


樋口

よろしくお願いします。


山下

えーとですね、お2人に共通しているところが大学で、幸福ということを教えてらっしゃるということなんですけれども。前野先生の方で幸福学っていうことでかなりメディアとかいろんなとこに出られていて、樋口さんの方はですね、知る人ぞ知るというかですね、ずっと金融業界の方で活躍されていて、沖縄のリゾートホテルの経営を手がけて、ここで今日のテーマである愛の経営、愛の経済ということを実践して、愛を中心にしてから、マクロ赤字だった経営が黒字化していったっていうような、そういうようなストーリがあられる方で、金融を中心にしてそこから幸せとか愛とか、そういうところにたどり着いたという、2人の対談なんですけども。今日はですね、やはり、今ちょっと世の中も大変なご時世になっているんですけれど、そこでもやっぱり根深くあると思うのがですね、このお金というものと、幸せというもの。これが今まではどちらかというとお金を儲けていけば幸せになれるだろう、っていうのがだいたいの大きな考え方だったと思うんですけど。いよいよ何か違うんじゃないかということに、多くの人が気づいているこのタイミングだと思うんですけど。じゃあ、お金と幸せってどんな関係なんだっけっていうところ、これはまずちょっと1つ目のポイントとしてお2人にお聞きしたいんですけども、前野先生いかがでしょうか?


前野

まず、僕の研究じゃなくてあのノーベル賞を取ったカーネマン先生の有名な研究がありますよね。あの年収が0から増えていくと幸福度は上がるんですよね。ですけど、このカーブ段々出てって、経済学の限界効用逓減の法則って言うんですけど、年収7万5000ドルを超えると、年収と感情ってハピネスに相関はなかった。つまり年収7万5000ドルを超えると、つまり800万円ぐらい超えると、800万円だろうと8000万円だろうと8億円だろうと。もうお金持ちになっても別に幸せになんないですよね。逆に貧困は不幸せなんですよ。お金があまりにもないと、もちろん健康も維持できない安全も維持できないってことはよくないんで、貧しさは脱すべきなんだけど。あるとこを超えるともう実はお金があっても別に幸せにならない。この7万5000ドルって800万円は多いじゃないかって人がいますけど、アメリカの平均年収は6万ドル台ですから、平均年収のちょっと上なんですよ。だから平均年収ちょっと超えるぐらいまで頑張った方がいいんですけど、それを超えたら別に。そもそも、だからこの資本主義っていうその個人が勝手にやってればうまくいくだろうと考え方自体が、あの よりましな制度がないから生き残ってるって言われてますよね。ベストではないより、よりひどい制度しかなかったから資本主義が残ってるに過ぎないっていうふうに僕は思いますね。


山下

ありがとうございます。


前野はい。


山下

樋口さんの方はいかがでしょうか。


樋口

前野さんとの対談でね、この手の議論になると本当に恐縮なんですけど。僕のちょっとなんちゃって議論を、仮説を申し上げると。これも確かどっかの議論だったと思うんですけど、幸せって2つに分離できるんだと。その不幸を解消するのと幸せになるのと実は別の要素が必要なんだっていうことを、どなたかおっしゃってましたね。年収やっぱり7万ドル前後って、僕の感覚から言うとだいたい物の値段を見ないで買える年収に入る感じじゃないですか。だいたいお金が足りないからやめとこうかなっていうんじゃなくて、どれか欲しいものを買ってとりあえず振り返ってみたら年収の範囲に収まってたみたいなところに入りがちなゾーンですよね。だから欲しいものを買えないってやっぱり不幸というか、例えば医療でも教育でも、やっぱりみんなが言ってるのに手に入らないとやっぱり苦しい、それはやっぱり不幸を解消しなきゃいけないっていうやっぱり最低限の何かが働くんじゃないかと思いますけど。でもそれが満たされた後で、その延長線上に幸せが伸びていくかというと全然違うと。幸せになるためには不幸を解消するだけじゃなくて、全く別の要素がなきゃいけないんだと。僕たちはその前半の要素にあまりにとらわれているがゆえに、例えばお金で家が買えれば、年収がこうなれば、物理的なものをその手にすればきっとうまくいくと思ってるけど、実は幸せっていうのはそれとはまったく不連続な別のものがないと成り立たないんじゃないか、っていう仮説はどうかなっていう気はしてるんですよね。


山下

うん。


前野

うん。まさにだからこの前半のところと、この後半のところを分けて考えるっていうことでいいんですかね。


樋口

そうですね。だから本当はグラフが1つじゃなくて、全く2つかもしれないなっていうちょっと想像が働くんですけど。


前野

僕のイメージもそうで、この上がってるところはお金によって結構幸せになるんですけど、この後はどうするかっていうとやっぱり今日の結論である、愛とか繋がりとかやりがいとか。何かだからそれやっぱり内発的動機に基づく幸せじゃないと、その物的なものでは幸せになれない領域に入ってくるっていう、そういう意味ですかね、そういうことだと僕も思います。


樋口

うん。


山下

結局幸せということとお金っていうのは、その最初の不幸を解決するっていうところ以外はもう結構関係ないっていうふうになってるっていう考えでいいんですかね。


樋口

だからそのレベルで考えたら、元々あのお金と幸福って、全く無関係かも、ひょっとしたら。


山下

それは大きいですね。全く無関係。


樋口

不幸を解消する意味ではお金は役に立つかもしれないけど。その次のレベルで幸せの要素を探したときに、実は無関係なんじゃないかなって、ちょっと思いたくなってるんですけどね。


前野

いや、ほんと。カーネマンの結果を見ると本当に無関係ですし、僕何人も知ってますよ。金持ちになってみたら、別に幸せになんなかったと。本にもカーネマンが載ってたからやっぱりこっちの後半になると、金持ちになっても幸せにならないって、多分みんな気づいてんじゃないですかね。ホリエモンとかも言ってますよね。だから金持ちになった人の話を聞いてると、いや金じゃないんだよって言ってますよね。


樋口

うん。


前野

それか不幸になってるかどっちか。


樋口

うん。多分本当に似てると思うんですよね。だからお金持ちで幸せな人もいますけど、それはお金持ちだから幸せになっちゃうんじゃなくて、お金持ちであるにも関わらず他の要素が何かしらあって、それで幸せになってると。だからお金持ちという要素とその人の幸せって関係ないとこで幸せになってるっていうふうに見えるような気がしますけどね。


前野

いやその通り。僕会社でね、幸福度を測るとやっぱり社長が一番幸せ。次が役員、管理職、一般社員って選べない。やっぱり、やっぱり金が、給料が多いほど幸せなんだと思うでしょ。ところがよく分析してみるとやっぱり、やりがいがあるんですよ、上の方が。だって自分の一つの判断が大きく影響するからやりがいがあって。つまんないって言っちゃいけないけど。歯車みたいな仕事してるとやりがいはちっちゃくなっていく。だから会社経営はやっぱりピラミッドの下にいる人も、やりがいがあるようにすることが大事だと思うんですけど。だからお金、お金はね本当に人類最悪の発明じゃないですか。結構すごいですね。可能性ありますね。少なくともお金が幸せに関係してるっていう認識がやっぱり相当みんなを苦しめてるような気がしますけど。


山下

うん。


前野

うん。いや本当、カーネマン先生が、あの、何だっけ、フォーカシングイリュージョンって言ってますよね。フォーカスを当ててるところが、イリュージョン(幻想)であると、まさにここ超えたらフォーカス、あれ、手に入れると幸せになるはず、お金持ちになると幸せになるはず、といろいろ出世すると幸せだろう、と。全部あんまり幸せになんないし、長続きしないんですよね。これみんな勘違い。昔、頑張ってこの前半を経験してるからこのまま行くって勘違いしちゃうっていうのが人間の脳の何ですかね。間違えっていうか。


樋口

うん。高度経済成長の三種の神器の時代なんかは確かに不幸がなくなって、幸せ感はあったかもしれないね。


前野

これですからね。貧困から脱したね、あれはすごかったと思います。あの戦後の焼け野原から復興した私の父の世代とか、おじいちゃん世代ともうすごかった。あれは最近の首相まだ右肩上がりとかいうのは、おじいちゃんなんで、あの頃の感じまだ持ってるんですよね。


樋口

うん。


山下

うん、そうですよね。とはいえあらゆる経済を回さなきゃいけないとか、その教育の惰性の延長線上で今生きてる中で。今回、樋口さんがおっしゃってるその愛の経営とか、愛の経済、こういったものに振り切っていくっていうふうに考えたら、実際に何をどう変えていくっていうことになるんですかね。


樋口

今の話の流れで言うと、不幸を解消するためだったら、お金が本当に役に立つように見えるんですね。医療だったり、教育だったり、何だったりかんだったり。だからきっとその先に幸せがあるだろうって僕たちは思ってるんだけど。それって、あたかも目的地を間違えてアクセル踏んでるようなもんですよね。渋谷に行こうと思ってるのに、銀座に向かってアクセル踏んで、なんで俺は渋谷につかないんだろうって言ってる、こんな感じ。だから、まさにイリュージョンフォーカシングインフュージョン。前野先生がおっしゃってるのはまさにそのことだと思うんですよ。ということは、僕たちは違うところにフォーカスしなきゃいけない。銀座に行きたかったちゃんと銀座を見なきゃいけないんだけど、当たり前の方向性がほとんどをつけられてない。それには僕理由があると思っていて、やはり不幸解消するための、その目標があまりにわかりやすいために、年収100万円、1000万円行くぞとか結婚するぞ、子供を産むぞとか、誰の目にも明らかなんで、きっとそれを思うかもしれないけど。それは所詮あの渋谷にはいかないんですよね。なおかつそのみんなの人間の数ほど幸せがあるように見える。僕は子供が欲しい、僕は大学行きたい、何が行きたい、でそれぞれの幸せがバラバラで、100人いれば100人の幸せの形があるから。それは国とか社会全体で幸せを考えたってそれは無理だろうと。幸せは個人の問題なんだからご自由に、個人ご自由にやってくださいっていうふうに何か自己責任じゃないんだけど、誰も何か集合的にそれを語ることがなかったような気がするんですよ。ところが、やっぱり不幸を解消するだけではなくて、その先の本当の人間の幸せっていうものを追求したときに、そもそもなぜお金が欲しかったんだっけってこの意識のレベルの背景にある無意識のレベル。


前野

うん。


樋口

僕は、お金が欲しいからって思ってるけど、その裏側には実は自分は誰からも愛されずに、何か人からちゃんと、何だろう。扱って扱って…選ぶ言葉が足りないな。 人からちゃんと認めてもらいたいという気持ちが逆にお金を欲しがっている、つまり無意識の動機って実は全然別で、この無意識の動機を満たさない限り、本当の幸せにたどり着かないっていう。こういう仮説を考えるとですね、お金の人も、子供の人も、何の人も、彼女も結局無意識の動機に掘り下げていくと、結局お金とは全く無関係というのは物質的なものと無関係な、やっぱり自分が愛に値するんだっていうこの愛っていう言葉には絶対たどり着くような気がするんですけどね。


前野

うん。


樋口

そういうふうに今捉えていて。だから、結局愛を目指さない限り、人間との幸せになり得ないんじゃないかなっていう命題が僕の頭の中にもちらついて。結構証明するの難しいんですけど、僕個人的な確信としても、何年もそう思い続けていることなんですけど。


前野

いや証明できる。もうそれしか、当然そうなんじゃないですか。愛、愛、愛しかないですよね。


樋口

それは嬉しいけど。


前野

僕が言ったら、そもそも媒介ですよ。だから魚を釣ってきた人と、肉持ってる人が全部物々交換するよりも、お金を使って交換した方がもっと複雑な交換ができるからできたに過ぎない。ただの媒介ですよね。何が間違ったかってお金が腐らないってのは間違いなんですよ。お金も本当は野菜や肉と同じように、腐るようになってるべきだった。貯められちゃうと、貯められるから、将来の安心のために貯めよう。あるいは、何か社会がより豊かになってくると、もっと贅沢ができるって。これもだから贅沢とか言う概念とか、お金を貯めるとかいう概念とか、これが人類を駄目にしてるっていうか、駄目にしてるって言い過ぎなんですけど。すごいフォローなんですか。地球を畑とコンクリートで覆ってしまったのも、お金を貯められるっていうかその格差が作れるからですね。まあ要するに金持ちになっても幸せになんないし。貧しいと幸せなんですよってことはどういうことかっていうと、格差がない社会が一番幸せなんですよ。だってみんなが年収7万5000ドルになれば一番幸せだったのに。みんなが、資本主義ってこの間違ったシステム、あんまりよくない、良くないけどよりマシなシステムによって生きてるから格差が拡大しますよね。そうすると、貧しい国はじゃあもうしょうがない戦争でもするかみたいになっちゃうわけじゃないですか。なのでテロでもするかとかですね。非常に残念な人類、人類帖佐。いやだから本当そうですよ。全員80億人が愛で生きてて、いや、多分ね、みんなで年収7万5000ドルを目指して軍事費ゼロにして環境問題なくすとこういうことにみんなで力を合わせたらできますよね。なのにそれをしないで、何ですか、力を持った人が偉いみたいな。資本主義を300年ぐらいやっちゃったってのは。300年間人類の最も愚かな300年に我々生きてて、それからやっと環境問題もあってSDGsとか言って、さすがにやばいから。いい時代に今転換しつつあるってことじゃないかと思いますけどね。


山下

うん。ちなみに前野先生の幸せの4つの因子っていうことと、その愛っていうのはどういうふうにこう説明がつくんですか。


前野

4つの因子って、自分愛とみんなへの愛なんですよ。自分愛が3つあって、やってみよう・何とかなる・ありのままで。自分が頑張れる、自己肯定感高くて自己受容して、自分自分を大切にするのが、やってみよう何とかのありのままですね。もう一つのありがとう因子とつながりと感謝の因子っていうのが、隣人への愛、周りの人への愛、そして人類愛まで繋がるんですけど。自分以外の人への愛です。だから自分を愛し、みんなを愛するとも言い換えられる。だから樋口先生のおっしゃる通り、もう愛、愛以外何も、、幸せの愛の4つの因子とは愛の4つの形ですよ。


山下

なるほど。うん。樋口さんいかがですか。


樋口

つまり、愛を目的しないと経営は人間のための経営じゃないし。ちょっと過激な言い方だけど。愛を目的地にしない政治って、国民のため人間としての国民のための政治じゃないし。愛を目的としない教育って人間のための教育じゃないっていうことになっちゃうかな。


前野

うん。いやそうだと思いますよ。だって幸せに生きたいのに、愛がないと幸せなんないですからね。そもそも、他人に勝って、他人をいじめて勝っても別に嫌われるだけだから幸せになんないですよね。だから戦争でも経済戦争でもいいんですけど、他人と戦って勝つって別に幸せじゃないですよね。うん。スポーツで、スポーツマンシップはいいんですよ。みんな、そのあいつぶっ殺してやるぜ、じゃなくて。いや、頑張ったね、次はこっちも頑張るぞって。このスポーツマンシップは愛があるじゃないですか。結局その戦いも全て愛でやればいいのに。うん。力っていうのは間違えてるよね。何とか力って言うじゃないですか。力って戦争のメタファーですよね。力が強いほど偉いっていうのは戦って勝つんですけど、だから、人間力とかコミュニケーション力とか言うけど本当は、人間はコミュニケーション愛、あれ全部愛、愛ですよね。何とか力って全部。変えた方がいいですよ。


山下

なんか愛って言われたときに、ちょっとまだ多分、何ていうのか、抽象度が高すぎて、何かこう愛も何だかいろいろ誤解してることも。なんか、僕もよくやるんですけど良かれと思ってやってることが、全然相手のためになってないみたいな。あれこれ愛じゃなかったのか、みたいなことってあると思います。何か愛って何もうちょっとなんだろうっていうのは、お2人から聞いてみたいなと思うんですけど。


樋口

はい。愛か何かってものすごく深い問題なんですけど。僕、ものすごくシンプルに考えるとですね、もちろん愛そのものじゃないと思いますよ。でも僕の中で近似する価値観として、人に対する関心事ではなくて、人の関心に対する関心事。この意識を向けるってこと人の話を聞くっていうこと。それは単にその鼓膜に音を当てるって意味じゃなくて、その人の言葉、単なる表面的な言葉だけじゃなくて、その言葉はどっから出てるんだろうなって、その人の動機、ひょっとしたらその人が、本人も気づいてない動機に意識を向けて話を受け止めながら聞くって。僕それは愛の行為そのものじゃないかなというふうに思ってるんですけど。そういう視点で見るとですね、人に関心持ってる人たくさんいるんですよ。経営者が従業員に対して、おーいどうだ成績はつって、売り上げよかったなあって、おめでとうってみんなでパーティーだって。これやれたら従業員嬉しいですよ。でもこれは所詮経営者の従業員に対する関心であって、これ従業員が本当に褒めてもらいたいことじゃなかったりするわけですね。経営者の関心だから、これ所詮。従業員からしてみれば、嬉しいよってありがたいよって、気にかけてくれてもわかるよって。でもほんとに見て欲しかったのはそこじゃないんだけどな、って。それが従業員じゃなくて、子供だって、ひょっとしたら奥さんだっていろんな人が、教員と学生の間ってそういうこと起こっていて。そういう視点でその人間関係を見るとですね、びっくりするぐらい僕たち人に関心持ってんだけど、人の関心に関心持ってないんですよね。そういう人もやっぱり親が子供に対して、将来が気になる、結婚相手も気になる、その愛情だけど、でもやっぱり自分の関心事の範囲で収まっているから、もうさっきの本当の意味での愛っていうものにたどり着かずに、子供が寂しい思いをしてるんだけど、親は熱烈に愛情という名で何か縛ってしまうみたいなことが起こってしまうんじゃないかなって。だから僕の中で繰り返しになりますけど、人の関心に関心を持つ。で、人の話に心から耳を傾ける。それは例えば携帯を置いてね。意識を自分の時間の例えば10分なら10分、人生の10分を切り取って、その人に全部捧げるみたいな、そういった意識でその人の話を、その人のつまらない話、僕にとってね。だけどその人にとって大事な話だったりするじゃないですか。そういったその意識を向けるっていうのが僕はすごくわかりやすい愛の形じゃないかなと思っているんですけど。繰り返しになりますけど、そういう意味でもこの社会には愛ないんですよ、どこを開いてもないし、何か文句言いたいんじゃないんだけど、その強烈な事実に僕たちは実は気づかなきゃいけないんじゃないかなって。


山下

うん。


前野

うん。愛から始めてない人は残念ながら多いですよね。僕は幸せの研究をしてるけど、確かに愛と幸せは、表裏っていうか、みんなの幸せを思うことってのが愛ですね。考えてみるとね、みんなの幸せを思うってことは、みんなの立場に立って考えるんですから。相手の立場に立って考えれば、それはみんなの愛。それと日本人の人に、特に言いたいのはやっぱり自分を愛することですね。日本の人って割と自己犠牲なんで。自分は愛さないで、周りは愛するけど自分を愛さないって人もいるんで。やっぱり自分、樋口さんの言葉に重ねて言うとやっぱり自分の言葉も聞くってことですよ。自分の中の嫌な部分を隠さずに自分の言葉を聞くっていうのと、全ての仲間のいうことを本当に心からその人の幸せを思いながら聞くっていうことですかね。それができると良いし、あえてギリシャ哲学では何でしたっけ、エロス・ストルゲー・フィリア・アガペーだったかな。何か分類できるんですけど、自分への愛ってのは、自分への愛とそれからパートナーへの愛。それから友達への愛。家族への愛、友達じゃないかな、それで最後がアガペーだったかな、人類愛。キリスト教になるとキリストの愛になりますから。愛っていっぱいあるんですけど、でも全部みんなのことを思うじゃないですか。一番最後はやっぱり地球、地球やばいよね。地球もっと幸せになって欲しいよね。っていうあの人も、何だっけ。ヨーロッパの若い女性が言ってますよね。何つったっけな。ど忘れした。


樋口

グレタさん


前野

それですよね。


樋口

うん。


前野

いや僕はね最近、人類論を山下さんとも語ったけど、やっぱり役割分担しすぎて、忘れてんだと思うんですよね。だってどう見てもみんな幸せに生きた方が良くて、みんなの友達も幸せにした方がいいし、どこの国の人も幸せに生きた方がいいんじゃないですか。


樋口

うん。


前野

縄文時代は、多分その感覚があったと思うんですよね。みんな役割分担しなかったんで自分で狩りをするし、教育をするし、武器も作るし、全部全部やってた。だから、地球の中で生きてるって感覚があったのに。今、80億分の1しかしてないじゃないですか。僕なんか教育しかしてないから、魚取れないし、植物も育てられないし、みたいな。だからこの全体を思う気持ちがなくても生きていけちゃう。会社ってのは最たるもんで、本当は樋口さんおっしゃってたけど、本当はね。その社員の幸せ第一だって言ってる社長がいて、本当に幸せの会社は本当にその愛、愛からできてる会社ありますけど、ものすごい少ないですよね。


樋口

ああ。


前野

そういうちゃんと成り立ってるっていうか、本当に素晴らしい愛にあふれた会社ってあるので。信じられないと言わずそっちにみんなが乗り移るといいなとは思ってますけどね。難しいですよね。


山下

実際に樋口さんがそういう過程を、旧来型のおそらく金融バリバリの金融マンだった樋口さんが愛を中心にした経営にするときっていうのは、何かシフトっていうのはいろんな、なんかこうジレンマというか、難しいコースの難しい問題っていうのは、いろいろあったんですか。


樋口

例えばなんですけど、あるテーマパークに行って、ですごく優しい応対を受けた。


山下

うん。


樋口

最高のサービス。


山下


うん。

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樋口

マニュアル通りなんだと思うんすね。実際その子も優しいし思いやりもあるし。だけど、そのサービスを受けた僕が何か一末、心の中で痛い感じがしたんですよね、昔。そのときにこんだけ素晴らしいサービスを受けてるのに、なんで俺がっかりしたのかなって。その意味がわからなくて。ずいぶん長い間考え続けて、あの痛みって何だったんだろうなって。なぜかというと経営マニュアル的には経営理論的には完璧なことやってんですよ。その経営者も多分正しいことやってるし、従業員も正しいことやってるし、お客さんの対応も申し分なかったんだけど、当の僕がやや僕がおかしいってのもあるんだけど。なんかこの痛みに嘘つけなくてずっと探してたら、僕のそのときの結論というのは、彼女の優しさっていうのは目的じゃなくて手段だったんだって。ということが結論なんですね。


山下

ああ。


樋口

いや、もちろん悪気なんかないですよ。そう考えたら、世の中のサービスの大概って、やっぱ目的じゃなくて手段なんですよね。これ悪いってんじゃないですよ、無理ないのよ。だけど、社会がどうあれ、非難するんじゃなくて、傷ついてる僕がいるから。なるほど。これって思いやりを目的にしない限り絶対なくならない傷なんだなって。ちょっと思っちゃったんすよね。そのときたまたま僕、ホテルの経営やってて、そういう方向に舵を切れる立場にあったんで。僕は消費者としてそういう、思いをチクチク胸に針を刺されるような、なんとなく毎日を送ってたんだけど。今度ホテルの経営者として、自分がお客さんにそういうことをする立場になったときに、そういう経営って本当にやりたいんだっけって。そうするとですね、論理的に考えてですよ。思いやりを目的にしない限り、やっぱりその傷をつけ続ける経営になるじゃないですか。それはどういうことかっていうと、そこまで、それまで目的だった収益。売り上げ、あるいは顧客、顧客満足度、これがある限り、決してその思いやりは目的ならないっていう論理的帰結にたどり着きましてですね。


前野

うん。


樋口

結局、収益目標を全廃し、成果主義を撤廃し、顧客満足度も全廃し。結果として収益が上がり、結果としてこれが満足するならそれは結果なんです。ただ目的じゃ駄目なんですよ。


山下

なるほど。


前野

うん。全く同感。


樋口

でもそういう風にしたときに、お客さんがですね、やっぱり言葉にならないんだけど。従業員に対してそういうような働きかけをし、本当にその思いやりを目的にするというふうに会社全体で持ち、嘘じゃなくて。本当にマジで。決めた瞬間に疑う従業員もいたと思うんだけど、やっぱりそれが伝わるんですよね、顧客まで。


前野

うん。


樋口

そうすると、あの僕たちの受けた優しさって、手段じゃないんだって。多分無意識が感じるんだと思うんですよ。だから従業員も自分の行動が変化したことに気付いてないんだけど、お客さんの評価がどわっと上がって。多分このホテルには嘘がないんだって。だって世の中コーヒー飲んでも、レストラン行くんでも、どこ行くんだろうかによっても素晴らしいサービスはあるけど、結局どれもこれも全部手段じゃないですかって、無意識はわかってるわけですよ。このホテルに行くと、何かが違うって、何か違うかわかんないすよ。でも何か決定的なものが違うって感じて。意味わからないんだけど、来年もまた来ようね、っていう。こういうことがやっぱり人間の中に起こるんじゃないのかなっていうふうに僕は感じてるっていうか、実感してるというか体験してるっていうか。だから愛が生産性を生むっていうのは、僕は化学性を欠く的な根拠を持って言えるんじゃないかなと思ってます。


山下

いやあ。


樋口

それがそのホテルが再生した理由だと僕は信じてます。


前野

うん。いやもう坂本先生の日本でいちばん大切にしたい会社っていう本にも出てるし。僕も何冊か本出したけど、本当に樋口さんの経営する会社と同じような会社、ネッツトヨタ南国、日精工とか、伊那食品とか完全にそうですよ。あの、僕の言葉で言うと幸せとお金の順位なんですけどね。


樋口

うん。


前野

利益と幸せ、どっちを大事にするか。利益のために社員を幸せにするっていうところは、思いやりを第一にしてないですよね。幸せ、社員が幸せになることが第一で、それを徹底してる会社っていうのは本当に違うでしょう。樋口さんと同じ話を繰り返すだけですけど、本当に社是の第一に幸せ、稲森さんの会社もそうですよね。稲森さんも社員の物心両面の幸福っていうのが第一目標であるって言ってますから。そういうふうに置いてる会社は実際あって。私、見学に行きますけど、本当あの、ネッツトヨタ、伊奈食品、日精工はわかります。僕、研究者なんで。本当の笑顔と嘘の笑顔はわかりますから。


山下

ああ。


前野

さっき樋口さん、嘘の笑顔でもいいって言ったけど。確かに笑顔じゃないよりはマシ。マシっていうか。いいんですけど、嘘の笑顔と本当の笑顔って、AIでも、見分けられるんですよね。嘘の笑顔と、この動く順番とか目尻の動き方とかが違うから。本当の笑顔は、人間は無意識で感じるんですよ。だからなんか受付嬢がいらっしゃいませいとか言うのと、あのおばあちゃんが孫にね、1年振りでよく来たね。本当の笑顔とこれ違うじゃないですか。多分、樋口さんとこのホテルはこの本当の笑顔がちゃんとお客様に対して出せるって。これ本当に思いやり第一、幸せ第一になってるからですね。それは本当に簡単で、それを第一にすればいいだけなんですけど。


山下

いや本当そういうことですよね。


前野

そう、めちゃくちゃ簡単なのに。いや、できてない人が多いです。


山下

いや、でも結局経営者からすると、その時には今の話もすごい生々しく感じるんですけど、やっぱり売り上げとか。それじゃない目的、みんな従業員大事とか結局言うじゃないですか。どんな経営者や従業員大事にしてると。だけど、経営の指標としてはやっぱり売り上げを負わなきゃいけないとか。こうね、あの顧客満足度上げなきゃいけんで、そこをやっぱり手放すっていうとこがめちゃくちゃやっぱり経営者としての勇気というか、そこに恐れとかがあって、なかなか手放せないっていうのは、経営者だけじゃなくて国だとか、組織全体に沿っての大きな壁なんですかね。


樋口

前野先生、幸福と利益の順番ってことおっしゃってたけど、まさに順番が一番大事なことで、従業員大切だってみんな言うんだけど、順位がね、多分2番目か3番目か5番目か10番目なんですよ。嘘ついてないわけ、嘘ついてる認識もないんですよ。だって大切だから。だけど、やっぱりね、一番じゃなかったら、やっぱり大切にしてるようにならないのは明らかですよね。だって女の子と付き合ってて、お前のこと好きだよ2番目だけど。っていないよね。


前野

わかりやすいよね。


樋口

それにも関わらず僕たちは従業員に平気でそういうことをやるわけですよ。それが相手に伝わらないわけないよね。女の子にそんなこと言った瞬間に即死でしょ。それが伝わらないわけないよねって。ところが伝わらないっていう前提で経営してるから、何でうまくいかないんだろうなと思ってるけど、そりゃあ、そりゃあスタートラインが違うんじゃないっていう感じですが。だから、本当に一番じゃないと駄目。


前野

うん。


樋口

でも一番だったら逆にすぐ伝わる。これの話をするとですね、いろんな人からいやあ難しい、変だ、よくできましたねって言うんだけど。僕の感覚から言うと、こっちの方が簡単なんですよ。実を言うと。こうじゃないとうまくいかないっていうか、これをやらないからこそ、皆さんが苦労している散々多くの経営をやらなきゃいけなくなってしまって。あれは大変なのになって僕はとてもそんな大変なことできないから、こっちをやったんだけどな。っていう実感なんですね。ただ、僕も体験してるから、この一歩踏み出すのってすっごく恐ろしいんですよ。もう背筋が凍るような感じだったね。長年、資本を預かり、利益に責任を持ち、それを上げることによって社会的地位を築き人から尊敬されてきてる歴史があるわけじゃないですか。経営者って特にそれがうまかった人ですよね。


前野

うん。


樋口

自分の成功体験を全部手放して、全くこの先、崖があるのか何かもわからないところに、とりあえず自分の命をかけて飛び込むみたいなところを、それは恐ろしいですよ。だから難しさじゃなくてね。やっぱり、勇気と覚悟となにか。天外さんなんか実存的変容なんて言うんだけど、いわゆるその心の中の何かの変化が起こらないと、これってのは先に進まないなっていうちょっと全然違ったレベルの、あの段階を経ることになるんじゃないかなって。だから大きな挫折とか、一旦会社潰したとか。経営者の人生って波乱万丈だから。山下さんもそうだよね。だからそういうなことを得て、やはりそういった体験を選択できるようにする。できるというか、したくなるんですよね。


前野

うん。


樋口

うん。そうでないと居ても立ってもいられなくなる。そういう状態で変化が起こると、そりゃあもちろん経営者自身も幸せだし、でも多くの人を引き連れて幸せにすることができるっていう、なんせその会社では収益が目的じゃないからね。純粋に思いやりをその人に伝えていいんだって、普通の経営者ではそれを許可してくれないんですよ。純粋に従業員のお客さんのことを優しくしたいのに純粋に何か働きたいのに、誰もこの世の中のシステムのリーダーシップ、リーダーがそれを許可してくれないんですよ。それを解放してあげるっていうことが実は経営者ができる最大の貢献なんじゃないかなって。そうすると、経営者っていう仕事はどれだけの人を幸せにすることができるかって計り知れない幸せ感が得られる最高の仕事だと思ってんだけどその素晴らしい仕事を、地位につきながら味わってない人があまりに多いんで、ちょっと残念というか勿体ないなっていう気持ちがとってもあるんですね。


前野

うん。いや同感です。


山下

前野先生ご自身も、実は経営者っていう立場ではないですけども、うん。やっぱり幸せな幸福だって言い、こう言い始めたときって、逆風とか自分の中でもエッジを超えるような体験だったってのはあるんじゃないですかね。


前野

僕はだから前半は違いますよ。研究者として幸せの4つの因子も求めました、私の成果ですっていう。だから、世界の幸せ第一じゃなくて研究成果第一だから経営者というと一緒だったんすよ。でも何かこの結果を使って世の中の人を幸せにしたいんだって思いが湧き出てきてある講演会で、みんなに幸せになってほしいんですよって言ったらパチパチパチパチなんかすごい空気が変わって。それ以来何ですかねリミッター外して、要するに学者は愛だとかねみんなの幸せだとか言わずに私の研究結果をこれですみたいな。言うもんだっていう常識を外してから、もうわかりやすい例で言うと、Facebookの友達が200人ぐらいだったのが、ブワァーって5000人まで増えたっていう。それぐらいだから、いい人とも今日もそうだけど、いい人とどんどんどんどん知り合えるんです。だからこれまさに、愛ファーストになってると、愛ファーストの人がそれだよって、なんかね、繋がるっていうことですかね。


樋口

前野先生、それ何年ぐらい前ですか。


前野

いや意外と最近ですよ。10年くらい。


樋口

うん。そうです。そうだと思う。


山下

いやあ、そこのやっぱり割り切りっていうかその優先順位変えるだけでやっぱり自分もそうだし、信頼っていうか、無意識のやっぱり、信頼っていうのが多くの人に伝わるってことですよね。


樋口

逆に言うと、人間って人生生きてる中で、仕事してる上でも、優先順位いろいろありますよね。1から10でも20でも。2番手以降のものをいくら変えても実際変わらないですよね。


前野

なるほど。今日のメッセージは皆さん、優先順位は何ですか、ですね。


樋口

結局、2番手以降変えても。もう何でこれだけ頑張ってんのにと思うかもしれないけども、悲しいけど苦しいけど恐ろしいけど、1番を変えないと人生って変わんないすよ。だから会社が変わるときって2つに1つですよ。トップが変わったときか、会社が潰れたとか。そのとき以外に変わらない会社、なぜかっていうとそのときに会社の一番が変わるからです。


前野

これは怖いね。会社だから難しいみたいだけど、あなたの人生の優先順位は何ですかって。でも、あなたの人生の優先順位が結構、愛ではなくて、明日までにこれやることみたいな。タスクになってる人いるじゃないですか。


樋口

そうです。


前野

ネッツと言えば南国のあの横田さんが言った言葉は、あの一番大切なことは、一番大切なことを一番大切にすることです。じゃないですか。やはり愛に決まってんでしょ。だって、幸せとか愛に決まってんのに、じゃあ誰が皆さん幸せに生きること愛に生きることをね日々大事にしてるかっていうとほとんどの人はしてないですよね。一番大切なことを、一番大切にしないで生きてるってことめちゃくちゃ勿体ない生き方。経営者もそうですけど経営者じゃない人もこれをね、変えないと勿体なさ過ぎるんですよね。


山下

いやあ。


樋口

いや本当に恐ろしいから進めるというよりも、実はこのほうが100倍楽だからぜひおすすめするっていう感覚に近いんじゃないかと思いますよね。


前野

わかります、わかります。何も考えなくてもだって愛だけあれば、判断は全部自明なんですよね。戦略とか何もいらないですもんね。


山下

北極星がわかりやすい。


前野

そうそう。もう全部その方向にそうだから伊那食品の塚越社長にも、何ですかね売り上げ目標はない差別はしないと。もうたくさんあるけど絶妙なんです全部が。こんな大変たくさんあるどうやってやるんですかーって言ったら、いやいや簡単ですよ、みんな家族だと思えば、答えは見つかります。家族を愛する家族ってことですよね。愛する家族とどうすればいいかなって考えれば、全部どんなんにも難しい経営判断はないとおっしゃった。だから同じですよね、わかってる人、本当同じことをおっしゃいますよ。


樋口

逆に難しい経営判断っていうの運営不可能ですよね。うん。僕がサラリーマン時代に人事考課ってなって。半年ごとに樋口くんはどうでしたっていう項目が。どうだろうね、30項目ぐらいあるわけですよ。半年に1回それに目を通す。成績は、売上がどうだって顧客開拓はどうだったとか、部下に対する指導はどうだったとか。そのとき初めてその項目に目を通すけど、残りの半年間なんて一瞬たりとも思い出すことなんかないですよね。そんなガイドラインがやっぱり日々の仕事に役に立つわけがない。やっぱり大事なものって一つでいいっていうか一つ以上はあったらやっぱり運用できないと僕は思う。だから何が一番大切かっていうことを大切にするっていうのはまさに塚越さんの話は本当に本質というか、それは人間科学であり、逆に言うとそれ以外うまくいかないんですよね。


前野

いや本当そうですね。そういうシンプルな1個か、すごい複雑なのはそれこそ経営学でもシステム論でも教えてますけどものすごい膨大なものをUBAで学ばなければいけないのか、1個知ればいいだけだ。この違いは激しいですよね。


山下

いやそういう意味ではVUCA時代とか複雑性な世界でって言ってるのはもしかしたら幻想的に作られてるものかもしれない、と2人の話聞くと思いますよね。無駄なものほど複雑で、権威が専門的でお金になって、地位があって尊敬されたりするんですよね、悲しいかな。いやそれやっぱり稼ぎになるしセミナー行ったら人も来るし、やっぱりコンサルタントやったら結構報酬稼げるし、みたいな。やっぱこのリアルな現実ありますよね。


前野

うん、ありますね。


樋口

どうしてもやっぱりそういう時期があってもいいと思う。本当に徹底的にそれを。僕も人のこと言えないし、絶対人間でそういうレベルから入るからその世界を徹底的に追求して、行きつくとこまで行くってのは僕は絶対いいことだと思いますけど。だけど、そういう現実がやっぱりあるし。現代社会ってのは、もう明らかにそういう社会で成り立ってるので、それを否定するわけじゃないんだよ。


山下

そういう意味では前野先生もすごく尽力されている、いたと進行形だと思うんですけど、いわゆる世の中の指標を変えたらいいんじゃないかっていう話にも聞こえてくるんですけど。


前野

うん。


山下

要は、GDPから、そのハピネスみたいなもんで、これはこれで本当に正しいことっていうかうまくいくんですかね。


前野

まあ、途中ですね。やっぱり理想は、あの愛を測らなくても見りゃわかるだろって顔見ればわかるんで、わかんなくていいって、そりゃ理想なんですけど。でもやっぱこうと連れてくるのに、方便って言葉あるじゃないですか。まずは仏教を信じるために、嘘も方便、嘘じゃなくて本当のこともいろんな言い方をするっていうのは必要で。僕もだから幸福度を測る指標っていうのはありますけど幸福度を測って、幸福度が高まると、真ん中の人を連れてくるためには、幸せな社員は生産性が1.3倍、創造性が3倍、寿命が7年延びて。離職率、退職率が低いんですって。このデータを言うと、経営利益第一の人も、幸せやってみようかな、愛やってみようかなって思うじゃないですか。その方便の一つとして、ホームでもだからそれがすごく合ってる段階の会社にはやっぱりそれを測ってもらってちょっとずつ上げて。いや本当は、両極端ですからこの真ん中はない。と言ってもいいんだけどでも、例えばねサイボウズの青野さんなんかやっぱりちょっとずつ、ちょっとずつ来てるっておっしゃるんですよね。だから、本当はここからバーンと行くのがいいけど経営者のいろんな事情もあるからちょっとずつ幸福経営を。だから、順位を外向け株主向けには利益第一のままにしたら、そう~っと、こっそり変えて、うまくいきだしてから、前からこっちだったっていう経営者は最近いると思ってますね。だからそういういろんなパターン見えてきていいんじゃないかなと思います。


山下

そうですね。このトランジションの向かい方としては樋口さん何かありますか。


樋口

10番目から2番目へのトランジションはスムーズにいくんですよ。


前野

うん。


樋口

2番目から1番目のトランジションは、実は全く非連続に起こるので、この延長線上にはないんじゃないかなっていう懸念はありますよね。


前野

確かに。


樋口

頑張ってるねって。確かに頑張ってるし、その気持ちは本当にその通りだと思うし、その分だけ従業員も本当に楽しくなってると思うけど。でも2番と1番って全く別物なので、それはどれだけ2番手を目指しても1番になることはないような気がするけどな。


前野

うん。天外さんの言うところ実存的変容かな。確かにティール組織で言うとオレンジからグリーンになる辺りにやっぱ溝があって、そこですかね。


樋口

そこは前野さんの変容だってまさにそうだったわけじゃないですか。


前野

そうですよね。ある時変わったってそれは明確に覚えてますからね。


樋口

その時なんか全然違う人間になったような感覚じゃないですか。


前野

あります、あります。


樋口

非連続なんですよね。


前野

だから、何か隠してた殻。ちょっとそれまでは殻と思ってなかった。それが自分だと思ってたのは、敢えて言うともう戻りたくないみたいな。だって愛の世界のほうがいいじゃないですか。それでいくら説明しても、前の段階にいる人に言っても何か怪しい。前野さん怪しくなったねとか、そういうふうに誤解されちゃうんですよね。


山下

そうですよね。


前野

うん。そう。


樋口

これ非連続なんで、後発組でその変化を見てると、頭がぐるっととしか見えないんですよね。


前野

あーなるほど。


樋口

やっちゃうな感じになるんで。


前野

いやいや、思われますもんね。やっぱりね、山下さんだってそう思われてるじゃん。いろんなところから。


山下

そうですよね、真逆に言っちゃったよね、みたいなことをよく言われるんですけど。いやあ、延長線なんだけどな、っていうのが全然ね、伝わらないというか。


樋口

これ2番手までで説明してるうちは仲間って見なしてもらえるんですよ。


山下

うん。うん。なるほど。


前野

わかりやすい。その2番手と1番手っていうか言い方は。


樋口

でもやっぱり2番手までの変容というのは、やっぱり僕たちが住んでいる社会の実存の枠組みの中にとらわれているので。


前野

うん。


山下

うん。


樋口

決してそれを飛び越すことはできないんですよね。


前野

確かに。力によって


樋口

だからこそ仲間ができるんだけど。


山下

この2番から1番への飛躍、これはなかなか重たい難題だなという気がするんですけども。今日ね、いろんな視聴者の方々が見ていただいてると思うんですけど。本当に明日から小さなスロスモールステップとして、僕たちはその優先順位を変えるためにどういうアクションをね、打っていくとそっちの世界に羽ばたいていけるのかなっていうのがね。


前野

これやっぱり準備ができてないのに無理してやってもあのティール組織は目指すもんじゃないっていう話になりますが、幸せも目指すもんじゃないって、いう研究結果があるんですよ。


山下

あー幸せを目指すんじゃないと。


前野

悟りもそうです。悟り・幸せ・愛のティール全部、目指すといけないんですよ。目指すっていうパラダイム自体が旧パラダイムだから。そう、思ってなんかで気付く。怪しくなったような人を気づいたから、自分ももしかしたらいつか気づくかもなあと思いながら頑張る。しかないんじゃないかなあ。僕はもうほら、教員だから教えちゃうけどね。こっち来た方がいいぞー。今日も一生懸命語ってるけど、語っても無駄なんですよね。


山下

はは。語っても無駄。(笑)


前野

だって無駄、無駄というかそういう世界があるって知っとくぐらいかなあ。どうでしょうね。目指して目指して、目指さないで生きるより早いのかな。やっぱり樋口さんおっしゃったように、例えば西さんは親の会社がすごいブラックだったと、すごいブラックだったし。塚越さん、伊那食品の塚越さん、自分がものすごい大病したんですよね。横田さんは創業したときからホワイト企業をやってますけどあれは親戚一同資産家で、自分は何か強みはないけど、30ぐらいで社長になったから、自分ができるのは、いい会社を作ることだって。やっぱり何でしょうね、やっぱりその、何でしょうね、一つ乗り越える みんなストーリーあるんですよね。そういえば樋口さん、そうそう全員ありますね。全員だからこの一線を越えるストーリーがみんな面白い。面白いっていうのは失礼だけど、素敵なんですよ。


樋口

素敵ですよね。既存社会のパラダイムを手放すストーリー。


山下

うん。


前野

うんそう。


樋口

ただ何て言うんだろう、でっかい段階がどんとあるっていうとやっぱりあまりにちょっと意気消沈しちゃうけど、発想変えて、実はものすごく小さなステップがいくらでも転がってるよって見方はあると思うんですよね。やっぱり、今まで言えなかったことをちゃんと向き合って奥さんに伝えてみるとか。これってやっぱり今までの人間関係を手放すっていう、かなり恐ろしい行為だけど。でもやっぱり自分の本心を伝えて、奥さんにあなたって本当にそういう人だったのねって。全然別人がそこに立ってるみたいなことを思われてしまうかもしれない、結構レベルの高い変容だと思うんですけど。そういったことって実はできますよね。怖いけど。いろんなところに転がってるし。ひょっとしたら毎日できるかもしれないし、その高さって関係ないっていうか、小さな勇気を奮う勇気ってやっぱり100億の会社を動かす勇気とあんまり変わらないっていうか、


前野

なるほど。それはね、うんうん。ちっちゃいことが、やっぱ成人発達理論なんで。ずっと発達してあるところに行ったときにポンということですよね。だからやっぱり1個1個そうですよね、奥さんとの間では、ちゃんと愛の関係になるとか。やっぱ自己開示とか、手放すとかいうのが、そのヒントになる言葉ですよね。やっぱり従来型の欲とか、何かそういう物的なものとか何かを手放すっていうことと。あと自己開示、殻を、あのみんな殻をかぶっても気付いてないんだけど。まず小っちゃくというかそれをやり続けるっていうことでしょうね。めちゃくちゃ怖いですよって書いてあるな。怖くないよ幸せだよ。


樋口

いや本当にそうなんだね。


前野

本当楽ですよ。誰かも言ってたな天外さんか。天外さんが言ってた。天外さんSONYのところだって幸せだったけど、SONYの時は戦ってましたからね。


樋口

うん。


前野

どっちがいいですか。いやあの頃も良かったとか言ってたんだけどどっちが幸せかっていったらやはり今の方が全然ストレスないなあって言って。脱いじゃうと楽ですよね。楽っていうか、だって愛に溢れてんだから幸せに決まってますよね。うん。怖いですよね。


山下

ひとつあれですかね。愛、愛や自分なんかよく隣人愛とかっていういたとかっていうのが強くなりすぎちゃうと、いやそういうのをできる人は限られた人で、自分にそんな愛はないみたいな。なんか、そういうふうに思っちゃう人も僕も含めて多いと思うんですけど。誰にでも何か発揮できるもんなんですかね。


樋口

僕は絶対できると思いますよ。証明できるんです。例えば今から10分間、目の前の人の自分の関心じゃなくて、その人の関心に100%120%関心を向けるってしんどいけど。でもやっぱりやったら誰でもできるんじゃないすかね。やるかやらないかの選択であって、その瞬間やっぱり純粋な無償の愛情を注いでるっていうふうに言わざるを得ないと思いますけどね。だから僕たちは愛があまりにその特別なものであるっていう感じすぎていて、逆にそれをその追っかけない理由にしちゃってるところがあるけど、実はものすごく身近なそのところでいつでも発揮できるその小さな積み重ねが、実はひいてはフラクタルのように社会全体に影響を及ぼすっていう。こういう図式になってんじゃないかなと僕は思ったりするんですけど。


前野

うん、その通りですね。よくポジティブ心理学で言われてるや言い方で言い換えると、感謝を数えてみるみたいなトランス。いろんなことに感謝、感謝、やっぱり感謝が言えない人って結構いて。


樋口

うん。


前野

1日3個ぐらいなら言えるんだけど感謝。1日で100万個ぐらい言えば100万個は言えない。でもずっと言い続けられるぐらいだって。あらゆるものに感謝じゃないですか。うん。相手の気持ちに立つってのもそうだし感謝でもいいし、何でしょうね。だから、やっぱり感謝するとか相手の気持ちに立つっていうところの心を、使わないでいる人にとっては、やっぱ使う練習をしないと、いけないんです。その練習してるとやっぱオキシトシンとかセロトニンというこの愛情ホルモンとかがでてくるんですよね。その感じってのは、まさに幸せに満ち溢れてて、あとは例えばこういう練習もあります。ボランティア活動を無理やりするっていう。ボランティア活動してると、幸せになるっていう研究結果もあるんですよ。だから、あらゆる愛。愛に関係する活動をすれば。たとえば口角を上げるってのもありますね。口角を上げて、嘘の笑いは駄目だったけど、あれでも作ってると幸福度が上がって、免疫力高まるんですよね。いろいろ。この途中の小っちゃなワークってのは、うん、ポジティブ心理学とか幸福額で開発されてるから。なぜこの本質的じゃないんだ、これも方便なんだけど。本当は、いや人生だってさ あと何年生きるか皆さんわかんないけど、愛に溢れた生活と、愛のない生活どっちがいいですか。いや、当たり前じゃないですか。


山下

そうですよね。


樋口先生

感謝って不思議で、自分の感覚でちょっと、自分の気持ちを見つめてみると感謝してる瞬間って、その現象の全てをありのままに受け入れてる感じがあるんですよね。もちろんいいことがあったから感謝しやすいってなるんだけど。でもその状態って結局その状態を素直に受け入れてるじゃないですか、感謝してる瞬間って、恐れ感じてないんですよ僕たち。


前野

うん。


樋口

そういう何かすごく特別な瞬間だと思うな。


前野

そうですね。感謝がないときはやっぱり自分が持ってるものを失う恐れですけど。感謝っていうのは、このないところからあるとこになった感謝っていうか、ゼロから、今あるっていうのか、あるところから失う恐れっていうか、だから怖いんですよね。今何かこう築いてきたものがあると思ってるから、それを失うってのは怖いんだけど。1回ゼロになってみると超楽になるっていうか執着なくなればね。楽ですよ。


樋口

いやあ。


山下

でも、そういう意味では、今の世の中資本主義だからなのか、教育にしてもビジネスにしても、課題解決とか問題解決っていうのが良いものであるっていうか。それが経済だ、みたいなとこがあると思ったら、基本的にないものしか探してないじゃないですか。何が課題なのか何が課題なのか感謝じゃなくて、逆ですよね、やってるのって。


前野

逆ですね。


樋口

それと一緒で問題解決って幸せと何の関係もないと思いますよ。


山下

とても明言。だって問題解決しろって教科書に書いてたんですけどみたいな。


樋口

自分の外側のあるものをどんだけ整えたってそれは幸せになるわけないですよね。


山下

本当に。だからもうこの問題解決パラダイムっていうのも捨てるっていうのをね、明確に何かをみんなでやりましょうっていう感じですか。


樋口

かといって問題だらけでいい、っていうふうに捉えてもらうとやっぱり困ると思うんだよね。自分の中でやっぱり変容が起こって、ありのままで自分を愛せるような感覚になると、さっきの経営じゃないんだけど、結果として問題がどんどん解決してくよね、こっちのほうが楽だったように。こういうことなんだと思いますけど。


前野

うん。


山下

うん。問題解決が目的じゃないんですね。


樋口

これは本当きついけどね。やっぱりでも、人生で特別なことが起こらないと、なかなかこんなことやろうなんて思わないと思うけどね。うん。だからどっかの研究だったと思いますけど、本当に人生の中で苦しい思いをした方が逆に幸せになるって言うのかな。PTSDという考え方ありますけど、PTGってのがあるみたいで。Posttraumatic Growthって、やっぱり僕たち体験もあるじゃないですか。苦しい部活とか、あるいはとっても大きな挫折って、振り返って後で見たらやっぱりあれがないと人生って、って絶対思うけど。それで結局自分のパラダイムを飛び越えて大事だと思ったものが実は大事じゃなかったんだっていうことを学べる機会っていうのかな。そうすると、自分の心の中にある本当の幸せってものに向き合わさせられるっていうか、それがやっぱり自分を幸せにするような、こういったメカニズムがあるような気がしますけど。うん。


前野

うん。カートフィッシャー先生の成人発達理論の図にこう書いてある。何か、要するに実存的変容とか、あるいはもっと手前のあのオレンジからグリーンになってからティールになって。そのたびに1回不幸になるんですよね。そうしないとだって、今までのパラダイム手放すんだからしょうがないから、PTGPTGPTGって繰り返さないと、次の段階はいけないんですよね。だから人間めんどくさい。


樋口

健全な絶望感ですね。あー俺、駄目なんだって。でも実はそれって最高にいいことだったりする。きついけど、本当に痛いけど。


山下

そういう意味では、前野先生も途中だからっておっしゃるのかもしれないすけど、いわゆるポジティブ心理学だったり幸せっていうものっていうのを打ち出せば打ち出すほど、何かこうネガティブなものを、避けなきゃいけないというか、何かこうコントロールしなきゃいけないとか、なんかそういう逆の方向になんか行ってしまうリスクってのもきっとあるんでしょうね。


前野

ありますね。よくポジティブ心理学の誤解は、ネガティブはギュッと押し込まなきゃいけないとか。あのポジティブ心理学という名称セリグマン先生が作っといて反省してるんですけど、ネガティブとポジティブを合わせたポジティブってあの弁証法の【正】【反】【合】のところでだってポジティブ両方全部いいんだよ。自分の中にネガティブな気持ちが出てきてもいいし、金持ちになりたいと思ってもいいし、経営第一と思ったのそれを全部認めたとこに、次のパラダイムに行けるっていう、そういう構造でしょうね。


山下

本当はそうです。うん。だからそういう変な誤解にならないようにする必要があって。


前野

誤解に溢れてますね。


樋口

僕のお客さんが、車の僕の助手席に乗ってちょっといろんなとこ案内したことあるんですけど。この人シートベルトしないんですよね。シートベルトされないんですか、いや、俺はついてるから大丈夫なんだ。これ、いわゆる間違った解釈でのポジティブさ。でも、そういうふうな現象はやっぱり結構微妙だからね。意外と本当に難しいふっと気づくと、その違いがわかりにくいのでどうしてもそんなポジティブ選択してしまう人が多いような気がするけど。


前野

そうですね。でも、とにかくいろんなことにチャレンジしてほしいですね。うん。やっぱりいろいろ経験するからこそ人は成長するし。苦しすぎるとPTSDですか、そっち行っちゃう。だから乗り越え、苦しくてそのままズボズボって言っちゃうとやっぱり大変なんで。やっぱ無理しない方がいいんですけど、でも自分を甘やかさず自分が越えられそうなギリギリを攻め続けると、いいことあるんじゃないかな、と思いますね。


樋口

自分を愛してるレベルまで、ストレスかけるのがいいような気がしますけどね。


前野

はぁ。名言いっぱい言いますね。確かにそうですね。


樋口

だから、ポジティブな心理学とかあるいは自己啓発なんかでも、やっぱり元々自分をある程度愛する力のある人向けにできてることがすごく社会には多くて。なぜかってそれが効果出るんで、そういう人向けにセミナーしたらあっという間に変わるんですよ。ところが自分を本当に信用できなくて自分を愛せない人って、このやり方が全く通用しないんだよね。


前野

はい。


樋口

僕の立場で言うと、みんな背中に大きな羽をつけてるんだけど、1人はこの背中の羽を信じられる人、1人はついてるんだけど全く信じられない人で、その2人をビルの屋上に連れてって、君たちには将来あるんだからさあ頑張れって背中を押しますよね。1人は飛ぶんだけど、1人は落ちて死んじゃうんですよね。この人たちは、いわゆるこのポジティブの世界からこぼれ落ちてる可能性があって、少なくとも僕の見る限りにおいて、沖縄社会ってそういう傾向がすごく強い感じがするんですよ。だから、あの本土的なやり方って確かに語弊ありますけど、あるんですけど、いわゆる意識高い系で役に立つノウハウが全然役に立たないっていうのが。これは多分あまり知られてないんじゃないかと思うんですけど、そういう感覚をすごく持ってて。そうすると、これはやっぱり、ポジティブメンタリティってよりも、愛の世界に入ってないと。その人の関心に関心を示し、自分には個人的に意識を向けてくれてる人がいるんだ。自分は1人じゃないんだって、自分は愛される価値があるんだ、と思えたときに初めて自分の背中の羽を信じられるっていう。実はアプローチが全く違うんだと思うんすよね。


前野

なるほど。一昔前の自己啓発。一昔前、何十年前ですか、自己啓発セミナーが破綻したことありましたね。それはまさに同じ構造で、こう言って飛べる人のために負荷かけすぎて、ドドドドーっと下に行く人が大量に出ちゃったっていうなことがあって。それでポジティブ心理学みたいのが出てきてポジティブでいいんだよって。あの、その反動みたいなとこもあるんですけどね。今まさにそれが問われてる本当のことをどうやってちゃんと伝えるかっていう時代になってますね。


山下

はい。あっという間にですね、21時になってしまいました。


前野

もう1時間!


山下

あっという間に経ってしまったんですけども。本当に今日はもう名言の嵐のもと、でも素晴らしい愛あるなかで。どうもありがとうございました。あのお二人から、あれですかね、直近で何かこの場でご宣伝というか、何か伝えておきたいこととかっていうのがありますか。


前野

3月19日から21日 幸せシンポジウム2022っていうのをやります。


山下

毎年お世話になっております。今年ももうあのオンラインですか、今年。


前野

オンラインプラス、このままうまくいけば武蔵野大学リアルも一部来れるっていう感じですかねうん。


山下

ぜひぜひ、ちょっと私も伺えたらと思います。相当な人数でね、豪華なゲストの方々がたくさん来られると思うので、幸せシンポジウム、ぜひぜひ皆さんもチェックしてみてください。はい。樋口さんとはですね、ヒューマンポテンシャルラボでファイナンシャルウェルネス、まさにこの愛の経済っていうところを学ぶ講座をこれからリリースさせていただこうと思ってますので、そちらもぜひご覧になってください。はい。今日はどうもありがとうございました。


前野

ありがとうございます。


山下

これでライブは終わらせていただきます。


前野

はい。


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