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【第2弾】脳科学で証明されているLOVE理論で「やりたいこと」の見つけ方

私は経営コンサルタントの新米秘書です。
 社長の側にいて学んだことを備忘録として発信していきます!


今回は前回に引続き「やりたいこと」の見つけ方編第2弾です。
前回は下記内容をお話しました。

前回の議論では、「やりたいこと」とは自分が得たい感情(LOVE)を実現することであるという重要なポイントをお話しました。仕事を通じてこの感情を得ることができれば理想的ですが、実際には多くの日本人が仕事外の活動でこの「得たい感情」を追求しています。
一般的に、日本では多くの人が「仕事=ライスワーク(生計を立てるための手段)」と割り切っており、自分の求める感情を仕事から得ることが難しいと感じています。実際、Gallupが2023年に発表した「グローバル職場環境レポート」によると、日本の従業員エンゲージメントは世界最下位で、これは「仕事はお金を稼ぐために我慢してするもの」という考え方が主な原因とされています。

まだの方はぜひこちらから読んでください。

どうして日本人は「得たい感情」にフォーカスせず、仕事を選んでしまうのでしょうか?

第2弾では、「やりたいこと」を見つけるためにどうして「得たい感情」にフォーカスできないのか、というテーマについて深堀っていきます。

第1弾の記事では、弊社が提唱するLOVE理論において、「得たい感情(LOVE)」に蓋をしてfixed mindsetになってしまった人たちを「おとな」、「おとな」が劣化して老害になった人を「オッサン」と定義していることをお伝えしました。

LOVE理論についての詳細は下記にまとめていますので、ご参照ください。

「得たい感情」に蓋をしてしまう原因

私達が「仕事では自分の感情は満たせない」と気づくのは早い人では高校や大学を出て、働き始めたタイミングです。つまり「こども」から「おとな」になってしまう分岐点です。
子供の頃は自分の好きなことに夢中になり、将来について夢を描けていたと思います。しかし、高校や大学を卒業し社会人としての一歩を踏み出す時には、「こども」から「おとな」への移行とともに、自分の「得たい感情(LOVE)」ではなく、他の条件で仕事を選ぶようになります。
その原因は大きく分けて「感情面の原因」と「思考面の原因」があります。

■感情面の原因

【原因1】感情をないがしろにしている
人は重要な判断をする際、右脳で感じたことを左脳で思考することにより、適切な判断が可能になります。しかし、職業選択のような場面で多くの人は、右脳で感じたLOVEを無視し、収入や福利厚生、企業の知名度などを左脳で理性的に考えて判断します。その結果、無視されたLOVEが、時間が経つにつれて「違和感」として現れ始めます。

例えば、2024年に入社した新社会人について、入社からわずか数週間で退職を決意する者が後を絶たない状況が報じられました。これは、自分の得たい感情を無視した結果、外発的動機だけでの就職が原因と考えられます。

また、2024年の新入社員が入社初日にSNSに投稿した内容によると、「入社初日にもう辞めたい」「初日で辞めたい。自分じゃない感がすごい」といった投稿が多数寄せられています(4/24 Yahooニュースhttps://news.yahoo.co.jp/articles/bf644a6188a26e28c16a3ec62a7273cf5d7229d6)。
これは仕事選びの際に、どのようにして自分が仕事を通して「得たい感情」を得るかよりも、ライスワークに適した企業を年収や業績、福利厚生などで選んだ結果、外発的動機で働くことに嫌気が差したのかもしれません。

【原因2】直感を信じていない
「サイエンス」という科学雑誌に掲載された研究で、直感的または理性的なアプローチのどちらが正しい判断を下すかが検証されました。
この研究では、参加者をよく考えるグループと直感的に決断するグループに分け、複数の選択肢から選んでもらいました。その結果、複雑な情報を考えるほど誤った選択をし、直感で選んだ方が正しく選択できることが明らかになりました。具体的には、直感は理性よりも2.4倍も正確に判断できたという結果が得られました。
このことから分かるように、自分のLOVEを探求する際、たくさんの条件や情報をもとに考えるよりも、直感的に感じる選択を信じることの方が大事です。直感的な「なんとなく」はこれまでの経験や知識の集大成であり、無意識のうちに蓄積された経験から派生するため「やりたいこと」を見つける強力な武器になります。

■思考面の原因

【原因3】日本社会で蔓延する「正解主義」の影響を受けている
日本社会は現在、「正解主義」が蔓延しており、「幸せ=良い大学を出て安定した一流企業に入ること」「好きよりも得意を仕事にした方が成功する」などといった「世間の正解」のルートを辿ることが当たり前になっています。自分の「正解主義」とは世間や他人が決めた「良い」選択をすることを正とする価値観が主流になりがちです。
私達はその「正解主義」の影響をダイレクトに受けているため、子供の頃に夢中になっていたことや、心が躍るような情熱を大人になっても追求することを躊躇します。周囲からは「正解ではない」と見なされることが多く、自らの本当の「LOVE」を抑圧する結果となります。

先崎彰容.Wegde23年11月号.角川書店,2023,26p

【原因4】コントロールできない自分の外側にあるものを基準にしている
多くの人々が「やりたいこと」を見つけようとする過程で、自分自身の外側にある基準、すなわち他人の評価や社会的期待に依存してしまいます。私たちはしばしば、他人から褒められたり、認められたりすることに価値を見出し、そのために行動してしまいます。このような行動は、アンコンシャス・バイアスという無意識の偏見による、自分自身に対する誤解や思い込みが原因です。このため、心から求める感情(LOVE)を理解することが難しくなり、自分の真の願望を見失ってしまいます。
さらに、私達は社会的枠組みにとらわれ、自分の感情を満たすことをどこか妥協する場合があります。それは、「やりたいこと」を既存の職業から選ばなければならないという思い込みに縛られているのです。
自分の感情(LOVE)を満たす職業が既存の選択肢にない場合、新しい仕事を創造することも選択肢の一つです。
例えば、キャンプともの作りが好きな私の友人は、大学卒業後に彼のLOVEを生かせる就職先がなかったため
自分で事業を創出する道を選びました。「キャンピングカー×DIY」という独自の組み合わせで、顧客の旅のスタイルによってカスタマイズされたキャンピングカーを製造・提案する事業を立ち上げたのです。
このように、自分の感情を満たす仕事が既存の職業にあると思い込むことなく、オープンな発想で新しい可能性を探求する勇気を持つことが、真にやりたいことを見つける鍵となります。

「得たい感情」を得られていない状態から抜け出せなくなってしまう原因

LOVE理論によると、LOVEに蓋をして働き続けてしまった結果、40代50代を迎える頃には「オッサン」という状態になりfixed mindsetから抜け出せなくなってしまいます。
fixed mindsetの持ち主は何事も保守的に考え、「頑張っても変化することはできない」と考えるため、新しいチャレンジには抵抗や嫌悪を示します。この考えが根付くと、異質なものや新しいものを排他的に捉える傾向が強まります。
具体的には、新規事業の提案を「前例がないから」と言う理由で拒否したり、DX化導入の提案を「今のままで十分」と内容を理解しようともせず却下する上司を想像してみてください。これらの人々は、固定観念に縛られ、組織の中で敬遠されがちです。
では、「おとな」から「オッサン」にこじらせてしまう主な原因は何でしょうか?以下に、行動心理面と出会い面での原因を掘り下げます。

■行動・心理面

【原因5】コンフォートゾーン(安定領域)に居続けるから
人は自分の心地よい領域、すなわちコンフォートゾーンにいることを好みます。これは精神的に安定し、ストレスが少ない状態です。しかし、コンフォートゾーンいることで新しい挑戦や学びを避けることに繋がるので成長できません。特に、「オッサン」はfixed mindsetにより常に安定を求めるため、成長の機会を自ら放棄してしまいます。
なので、LOVEに蓋をしていても、LOVEの探索のために行動をすることや今の仕事環境を変えることはせず、現状維持で留まろうとします。

■出合い面での原因

【原因7】他者からの刺激がなく、自分を客観視ができていないから
「オッサン」と呼ばれる年代になると、同じように固定観念を持つ人々が周囲に多く存在し、お互いの行動や価値観が固まりがちになります。
周囲にいる人たちが全員同じような思考を持っていると、異なる見方や新しいアイデアに触れる機会が減少し、自分を客観的に見ることが難しくなります。
自分自身の「LOVE」を探求しようとする時、これらの固定観念が障壁となり、本当にやりたいことや新しい可能性に気づく機会を自ら遮ってしまいます。変化を恐れることなく、自分自身の可能性を信じ、積極的に新しい挑戦を受け入れることが、おとなからオッサンへと変わる過程を避ける鍵です。

私達はどうやったら「得たい感情」にフォーカスできるのか?

上記で様々な原因についてお伝えしましたが、「外発的動機」から「内発的動機」で仕事ができるように自己分析と行動を繰り返して検証していく必要があります。自分の「得たい感情(LOVE)」が明確になったら、次はそのLOVEを起点に行動していくだけです。
仮にトライした仕事が自分の感情を満たせないと分かったとしても、今やっている仕事から違和感のある作業を減らしていけば徐々にやりたい仕事に近づいていきます。「なんか違う」という小さな違和感を集め「やりたいこと」を見つける強力な手がかりにすればいいのです。

社会的な「正解」に縛られず、自分の内側のLOVEにフォーカスすることで、fixed mindsetから抜け出し、外発的動機から内発的動機で仕事ができる未来に近づきます。
次回「やりたいこと」の見つけ方第3弾では現ライスワーカー(おとな・オッサン)でも「やりたいこと」を見つけられるプログラムを紹介します。


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