えんぴつは便利で楽しいツール(後編)
皆さまこんにちは!ヒューマングループnote 編集担当 朝永です(^-^)
今回のヒューマントークは、先週ご紹介した株式会社ペンシル創業者 覚田 義明様との対談 後編です!
まだ前編を読んでない!後編の前に読み返したい!という方は下記のリンクからご覧いただけますので、ぜひチェックしてくださいね(^o^)/
前編では、覚田様がコンピュータの世界に進まれた経緯や、”実績”や”価格競争”の解決策などをお話していただきました。後編ではどんなお話が聞けるのか・・・早速後編を読んでいきましょう♪
※対談の本文は、2006年10月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。
えんぴつは便利で楽しいツール 後編
<ヒューマンニュースレターVOL.27(2006年10月発行)より転載>
株式会社ペンシル 社長 覚田 義明 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲
内海:実績と価格競争、どうやってこの二つの問題を解決したのですか?
覚田:実績がないから大手のHPの仕事は請けられない。これは信頼がないということです、更に安くしか請けれないというのは知名度が低いからだと思います。信頼や知名度というのは今でいう「ブランド」ですね。
これらをどうやって打破しようかと考えて、そしてできたのが福岡の検索サイト「福岡WEB」です。福岡の会社とかお店を紹介するホームページで、今でいうYAHOO!みたいなものです。地道にコツコツつくっていると、九州で一番アクセスが多いWEBになり新聞に紹介されたりして、それで名前がちょっと売れたんですね。
そこでこれがペンシルの実績となりました。そこで、福岡の大手会社の中で一番で、いいなと思っていた「ふくや」の社長に会いに行ったんです。
そうしたら社長が「頑張っているんだね、応援しているからホームページを作ってごらん!」というお返事をいただいて作らせてもらうことになりました。そして、これが本当の実績につながっていきました。
次の問題は価格競争です。そのころはHPの価格がドンドン安くなっていました。これは何か解決しないと、売上があがっても利益がでない。そして、今後益々価格競争になり同業者と衝突すると思いました。どうやったら衝突を避けれるか僕らしい解決方法って何だろうなと思ったときにある考えに至りました。
僕は、オーディオとか車が好きで、いいものを買いたいといつも思っています。安い商品は大量生産され値引きされていますし、さらに他社との値引き合戦となっています、しかし、いい商品は値引きがありません。ブランドのしっかりしているものは値引きせずに定価で売っています、そして宣伝をしなくても売れている商品があります。
そこで僕が作るHPはこのような付加価値の高いブランド力があるものを作ろうと考えました。
内海:ブランド力ですか、具体的にはどのようにされたのですか?
覚田:福岡ではHP制作は60万円くらいが相場ですが、あえて「200万円以上のHPしか作りません」と断言しはじめたんですよ。通常の3倍の料金です、そうすると「200万のHPって何?」って問い合わせがきて、200万の受注がきたりとかしまして・・・不思議でしたね、言っただけなのに。
3倍の費用を頂くことで、じっくりと時間をかけて取り組むことができました。さらに仕組みや仕掛けを考えることができ、そして専用のシステムを開発することもできました。そのために大幅に目標を超えることができ、ある企業のHPでは、半年間で3個しか売れていなかった商品が、1年間マーケティングしたら1ヵ月で1万個も売れたのです。
この仕事がきっかけで、ぺンシルが作るHPはちょっと高くて、付加価値も高くて結果的には利益が出せる戦略的なHPだというふうになったんです。
1997年、そこから戦略的HPという考え方が始まって、そのための理論を考えたり、さまざまなシステムを開発したり、開発できるスタッフを集めたりするようになって、普通のHP制作会社とは異なるビジネス展開を行ってきました。
内海:このころは開発のために相当研究費がかかったのではないですか?
覚田:そうですね。利益のほとんどを研究開発につぎ込んでいましたね。クライアントの利益がでるようなホームページを作り上げるしくみやシステムにまわしていきました。HP制作会社ですが、HPの販売をするのではなく、クライアントのHPのアクセスを増やし、利益がでるにはどういったことができるか研究したり、開発したり、そういったことをずっとやり続けていることが、同業者との一番の違いではないかと思います。
内海:色んな実績を積まれて、営業をしなくても逆にお客様のほうから来ていただけるようになられたんですね。
覚田:そうですね。一番最初のお客様以外にはこちらから営業に行ったことはないですね。口コミで来て頂いたり、またセミナーを行っていますので、そこからセミナー受講された方がお客様になって頂いています。セミナーでは研究成果や成功事例、成功に導いた手法や技術などを発表しています。
セミナーでノウハウを公開することは情報がもれて損をするように思われますが、セミナーの準備をする中でノウハウや考えをまとめることで洗練されていきます。さらに公開することで広くWEBについて知って頂き、理解してもらうことができます。また情報公開することで実は情報が集まっていきます。
内海:最終的にはセミナーでお客様を集めるということですか?
覚田:そうですね。実はお客様が集まるだけでなく、パートナーも集まるし、協力会社も集まるし、スタッフも集まります。さらにセミナーを聞いた人が、「君に会わせたいおもしろい社長がいるから一度会ってみない?」といって会わせてもらえるんですね。そこで出会う人はすごく多いですね。今回、内海社長とお会いできたのも、あるセミナーで講師をやらせていただいたのがきっかけですが、僕がセミナーをやっていなかったら、あの場所での出会いはなかったですよね。僕はセミナーをやっていることで出会った友人や仲間がたくさんいます。
セミナーは、情報を伝えていると思われるかもしれないけど、自分の考えや思いを不特定多数の方へ伝えると、終わったあとから情報が集まってくる素晴らしいものだと思います。
内海:セミナーは何回くらいされてこられたんですか?
覚田:もう400回以上ですね。8000人の方に聞いていただいています。2000年に学校と研究所を作ろうと思っていたのですが、ペンシル自体が学校みたいになっているということと、研究もR&Dという事業部でやっており、僕が1990年に「10年後の僕は今度は与える立場になりたい」と思っていたのが、まさに達成できていると思います。
内海:一番大切な部分はスタッフの人の問題ですね、クリエイティブに想像する世界で「もの」が無いわけですから、教育とか、どのようにされているのですか?
覚田:教育にはペンシルのノウハウを集めたガイドブックというものを作り、活用しています。さらにセミナーのDVDなどがあり、勉強してもらいます。そして各部署のリーダが直接ノウハウについては教える体制になっています。だからそういう意味では教育体制というのはかなりできてきていますね。ペンシルは物を売っているわけではないので仕入れは発生しないので、人材が仕入れみたいなもので重要です。他の会社の方からはいいスタッフがたくさんいますねとよく言われます。今後は更にいい意味でのブランド戦略というのをやっていきたいと思います。さらに自然にいいスタッフが集まってくるような会社にしていきたいですね。
内海:ところで、上海にも会社があるのですね。中国のマーケットっていうのはどういったところから始められたのですか?
覚田:昨年3月に上海にオフィスを開設しました。ペンシル自体のビジネスというのはBtoBなのですが、うちのクライアントというのは、BtoCで一般のお客様に販売している会社が多いです。
ところが少子化の問題があって10年後にはこのC(カスタマー)は半分になってしまう。とくにクライアントのお客様は、20歳代、30歳代、40歳代がほとんどなので、いい商品といいホームページがあれば売れるはずなのですが、市場(人)がなければどうにもできないですね。そこで、人がたくさんいるところにいかなきゃいけないですよね。
中国は今から20年間は人口が変わらないんです。インターネットユーザーだけでも今は日本の1.5倍ですが、将来的には5倍はいるんですよ。日本は5年後には半分近くになるので、クライアントが将来困ったときにお手伝いできるように今から中国でのマーケティングをしておこうと思ったんですね。僕から見れば今の中国というのは12~3年前の日本と同じくらいと思うんですね。だからこそ今ビジネスをやり始めるんです。それをやって最終的には僕らのクライアントが困ったときに手助けができればいいんじゃないかなって思いますね。
上海でもセミナーをやっているのですが、そこでもいろんな方々との出会いがあって交流が深まっています。
内海:そこまで考えてやられているのですね。では、これからどのように進んでいかれるのですか?
覚田: これから、もっと福岡の街を豊かにしたいと思っています。福岡のなかでどんなにビジネスをたくさんやっても、福岡でお金を回すだけでは福岡は豊かにならない。福岡で研究開発したものや作り上げたサービスを、もし日本中に売ることができれば、そこから情報と仕事とお金が連動してきて、福岡以外から入ってくることになり、福岡が本当の意味で豊かになるのではないかと思っています。新しいソリューションとかソフトウェアとか販売していくわけです。そんなことをペンシルはやっていきたいですね。
またレベルの高い、そして収益もあがるようなビジネスとクリエイティブの環境を構築していきたいですね。これからは、昔、恩師の社長が僕にチャンスを与えてくれたように、僕も次の世代にチャンスを与えたいと思っています。
ですから全国の色んなクリエイターの人がペンシルに集まってくれて一緒に成長していけたらいいなぁとそんなふうに思っています。
覚田 義明様プロフィール
株式会社ペンシル創業者
1995年「株式会社ペンシル」設立。通常のWEBサイトから戦略的WEBサイト、番組的な高アクセスなポータルサイトなどコンセプトワークから、調査・企画・提案・開発・制作・運用・プロモーションまでトータルにコンサルティングを行う、インターネットコンサルティング会社として今日に至る。
CONCEPT
真っ白な紙の上にえんぴつが転がっていると、なにか落書きしたくなりませんか?えんぴつにはそんな不思議な魔力があります。様々な形や色があってもその使い方はどれも同じ。使う人の職業、国籍、年齢も一切問わない、まさに全世界共通の最高に洗練されたツールです。私たちは、テクノロジーの先端に立つコンピューターこそ、えんぴつのように簡単で便利で楽しいツールでなくてはならないと考えています。
朝永のつぶやき
ここまでご覧頂きありがとうございます!ここからは担当が今回のトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです(^-^)
今回は、株式会社ペンシル 創業者 覚田 義明様と弊社社長 内海との対談を2週に渡ってお送りいたしました!皆さまいかがだったでしょうか?
後編ではペンシルがブランド力をつけるための行った戦略や覚田様の今後の展望などをお話していただきました!
「200万円以上のHP」・・・文字だけでもすごいインパクトがありますよね(^o^)
これは思わず調べてしまいそうです(笑)
私もまだまだチャンスを与えていただくばかりですが、いつかは自分でもチャンスを生み出せるくらいに「とにかくやってみよう!」の精神でどんどんアクションを起こしていこうと思います!!
それでは今回はこの辺で、また次回お会いしましょう♪
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