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[超ノウハウ]人材アセスメント試験徹底対策【面談演習】

 いつもお疲れ様です。
 この記事を読んでいる方は、日々の職場でマネジメントに向き合い、より良いマネジメントを行うために自問自答をし、来るべき管理職試験に向けて準備を進めていることでしょう。
 管理職登用における人材アセスメント試験は、以下の4つの要素で構成されています。①グループ討議演習、②面談演習、③インバスケット演習、④分析発表演習です。
 本日は、これらの演習の中で特に②面談演習の対策について解説していきます。一緒に頑張りましょう。


面談演習とは

 人材アセスメント試験とは、実際の職場を想定したシチュエーションを用意し、被験者に過度なストレスをかけつつ、その環境下で被験者の現状備わっているマネジメント能力の棚卸し(炙り出し)を行います。
 この評価は主にテクニカルスキル、ヒューマンスキルや、コンセプチュアルスキルなどの側面で行われ、評価項目は通常、企業の要望に合わせて10~12のディメンションで評価されます。
 企業はこれらのディメンションを使用して、個々の候補者の強みや成長の機会を評価し、マネジメントポジションへの適格性を判断します。

 本日の議題である面談演習では、仮想部下を相手にして約10分間の面談を行います。
 1対1場面での被験者の振る舞いを評価されます。単に10分間のおしゃべりをすれば良いのではありません。シチュエーションとして与えられた場面に対して、あなたはマネージャーとして立ち振る舞わないといけません。時には相手を鼓舞し、時には問題を指摘し、時には部下と未来を作り上げるのです。
 面談相手は一般的にはアセッサーと呼ばれる評価者と対面で行います。アセッサーはあなたがマネジャーとして立ち振る舞えるかどうか部下役として面談を受けながら、分析を行うのです。
 次のセクションから、どのような準備を進めるべきか一緒に考えて来ましょう!

準備の前に

 面談演習ですが、はっきり言います。付け焼刃の準備は役に立ちません!
 一般的に「アイスブレイクを入れましょう」「共感性が低いので相槌や目合わせを増やしましょう」などと教えられますが、普段出来ていないのに、試験当日に急に出来るわけがありません。それに考え方が少し異なります。
 仮に、アセスメント当日に普段よりも相槌や目合わせが出来たとしましょう。しかし、その共感性だけ発現しても意味が無いのです。共感性を発現した際に他のスキルや特性が同時に変化しなければ、アセッサーにとって不自然に感じられ、共感性が強いとは受け取ってもらえません。アセッサーは、各評価パラメータは独立ではなく密接に連動していると捉えて評価します。その連動の動きが被験者のキャラクターを構成し、マネジメントスタイルを構成していると見なすのです。
 ですから、急にその場しのぎの共感性だけ発現しても違和感でしかありません。同様にイニシアティブや、計画性、論理性、創造性と言ったパラメータも同様です。能力改善するのであれば、普段のマネジメントスタイルを修正していくか、もしくは全体の能力パラメータを底上げする必要があるのです。

1.自己分析

 そういう意味では、「自分のマネジメントスタイルをよく理解する」これが超重要です。
 自分の強いところ、弱いところをよく理解し、弱いところを強くする。そうすると自分のマネジメントスタイルはどう変化していくのか、普段から試行錯誤を行い、出来るマネジメント範囲を増やしていくのです。そうすることで、多面性が養われ、共感性が高い場面と共感性が低い場面を使い分けてマネジメントできる将来有望なマネージャー候補が出来上がります。
 例えば、ある瞬間では非常に部下に共感を持って接し、話を聞いてくれる、寄り添っている上司でありながら、ある瞬間では共感を下げても上司として毅然とした態度で振る舞う様な上司が出来るのです。

 と言いながら、上記対策は年単位での能力開発が必要です。
「そんな悠長なこと言ってられないよ!来月試験なのに」という皆さんのために来月に人材アセスメントを控えた状態の皆さんがやるべき施策ではありません。演じることも出来ますが、中途半端な演じ方だと能力と見なされません。リスクが高いのです。
 ということで、今日は試験対策ということで即効性のある方法をご紹介します。

2.実際の面談演習準備

 それは、試験自体をよく知ってよく試験対策をするということです。
 冒頭に人材アセスメントとは高圧縮されたストレス環境での試験と言いました。人材アセスメント研修では普段の余裕のある振る舞いが出来ないように環境設定されています。部下面談も試験問題が渡されますが、制限時間が設けてあり、十分理解が追い付いていない状態で、面談開始されます。
 しかし、入念に準備をすれば、落ち着いて自分のいつものスタイルを表現でき、全体の底上げに近い効果が得られると考えます。相槌を打つ練習、目合わせをする練習をしなくても良いのです。

(1)マネジメントスタイルの定義

 まず、自身のマネジメントスタイルを明確に設定しましょう。具体的な言葉で表現できるようにし、「私はチームワークを個の力よりも重要視し、成果を出すマネジャーです」であったり、「私は成果を規律よりも最重先して、他人のアイデアを積極的に活用します」と言ったように、自分のマネジメント特性を言葉にしましょう。
 これを行うことで、どのようなシチュエーションに直面しても自信を持って対応できます。まるで空手のように、自分のマネジメントの型をしっかり持っておき、それに基づいてアセスメント研修の当日も行動するのです。
 そのためには、普段の自分のマネジメントスタイルを振り返る必要がありますが、自分自身では気づかない部分も多いかもしれません。同僚や上司にヒアリングして、客観的なコメントを収集することも行いましょう。
 そして、繰り返しになりますが、「私は〇〇のために、〇〇を大事にするマネージャーです」などと自身のマネジメントスタイルを定義し、自分の弱いところ強いところを理解把握しておきましょう。そのうえで、後で説明する面談シミュレーションにおいて、このシチュエーションであれば自分はこう対処するというように、繰り返しトレーニングしていきます。トレーニングではディメンションを意識し、強い部分はより強く、弱い部分は改善する工夫を行いましょう。そして、アセッサーから見て違和感なくディメンション全体が底上げされている状態を目指します。

(2)文書(活字)を読む練習をする

 スキル的な練習も行っておくことで効果を発揮します。具体的には問題を読むスピードを上げましょう。実際の試験では、制限時間5~10分で読み込みなさいと指示があります。この設定は高圧縮の負荷を加えるためにわざと短く設定してあります。そこで、5分設定であれば、半分の2~3分で読み込めるように活字慣れしましょう。そうすると、残りの時間で面談の構成をどうしようか、最初の切り込み方をどうしようなどと、余裕が出てきます。この余裕が勝利の鍵です。ストレス耐性が高いと評価されます。
 この特訓には新聞や文庫本を読むことも良いですが、実際のケーススタディ文書を読むことをお勧めします。もし、面談演習のケーススタディ文書の入手難しい場合は、Amazonなどで入手可能な、一般的な人生相談のQ&Aがテーマの本をお勧めします。この類の文書は短いですが、人間関係に関する多くの問題が含まれており、面談演習に近い要素があります。本に記載された相談者の相談内容をストップウォッチを片手に1~2分で頭をフル回転させて読む練習をしてみてください。もちろん、単に読むのではなくどのように回答するかを考えながら読み進めてください。

(3)演習問題の傾向を知っておく

 次に演習問題のお題自体への備えも行いましょう。
 実は面談演習で出題されるテーマは、一般的な企業で実際に発生しそうなシチュエーションに基づいて構成されています。そして話題の中心は、必ず上司と部下です。普段から職場マネジメントをしている皆さんは知っているはずです、一般的な企業における部下vs上司間のトラブルトピックスはそれ程種類が無いことを。そしてその要因は狭い範囲で限られていることを。いくつかパターンを押さえておけば、場慣れすることが可能です。
 ここで押さえておくべきは、①問題パターンと、②要因パターンです。
 ①は試験問題そのもののパターンであり、例えば「製造と顧客に挟まれた部下からの相談」や、「指示通り動いてくれない部下への教育」、「はたまた部下同士の人間関係」などです。
 ②は問題状況を発生させている本質的な原因のパターンです。問題に対する要因ですので、それはご自身で普段仕事をしている悩みに近いと思います。例えば「上司が話を聞いてくれない」「上司が業務の中身を理解してくれない」「上司が仕事しか見てくれない」と挙げていくと、矛先は大体上司になってしまいますね・・・。
 つまり、部下が抱えている問題は、あなた(マネージャー)が本質に気付くことが出来れば、解決できるもしくは悪化を防ぐことが出来るのです。
 このような部下を取り巻く問題に対し、①問題パターンと、②要因パターンをあらかじめ書き出しておき、前のセクションで決めた「自分のマネジメントスタイル」では、どのように対処するのかシミュレーションしておきます。
 そうしておくことで、試験本番で「あぁ、このパターンね」という様に余裕が生まれ、引き出しから練り込まれた、ご自身の必勝パターンで解決に導くのです。

3.面談演習のトレーニング方法

 最後に①②パターンを押さえると同時に練習も行いましょう。
 実際の面談演習では上司役に与えられる文書がシチュエーションの一部分しか記載されていないこともあり、どこが問題の真の要因なのか巧妙に伏せられています。ここが原因ですよ~。などと、誰も教えてくれません。
 つまり、部下との短い対話の中で、部下の心情を察し、部下は何に引っ掛かって問題行動および問題状況に陥っているのか、真の要因を調べなければいければいけません。もちろん要因が分かった後は必勝パターンで状況打破です。
 このトレーニングは実際の人との対話でしか上達しません。
 実際に近い面談演習の問題を用意して、上司もしくは同僚に部下役になってもらい、練習することをお勧めします。ご自身の職場部下との1on1も良いのですが、部下のキャラクターと問題の種類が偏ってしまいます。また、アセスメント研修の高圧縮された環境を再現するには、面談演習問題を使用して練習を行いましょう。
 部下役になっていただく方には、問題の本質である②要因パターンを毎回変えて頂きトレーニングすることをお勧めします。
 そして、部下役の方が演技が得意であれば、部下特性もいくつか想定しておけば、さらに試験対策ができます。例えば、「規律を重視して柔軟な対応ができない部下」「プライドが高く能力が低いことを隠す部下」「過去の栄光にすがる部下」「結果だけ重視してその他をおざなりにする部下」など、職場にいそうなトラブルメーカーをイメージしていただけると良いでしょう。

 トレーニングには私が用意した試験対策問題も(有料ですが)参考にしてください。

以上です。皆さん、頑張りましょう!tao

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