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福祉ニーズ アセスメントの仕方とは

ニーズはどのように把握すればいいのか。そもそも、福祉ニーズとは?

・そもそも、福祉ニーズとは何か


人々の生活は、様々な要素で形作られている。健康状態や身体機能、人間関係や社会活動、生きがい意欲など。生活を取り巻く事は人によって異なり、それらがその人固有の人生や生き方を構成している。

人は特に支援を必要としない状況であれば、自ら行動し生活を送っている。しかし、生活に困りごとが生じ、介護などの支援が必要になったとき、どのような方法で困りごとを解決していくかを本人と支援者が一緒に考えることとなる。

福祉ニーズとは、『生活するために必要なもの』を意味し、福祉サービスによる支援が求められる。ニーズには、本人から求められるものもあるが、健康で文化的な最低限度の生活水準を維持するために、専門家などの視点から導かれるニーズもある。

ニーズの捉え方は一通りではなく、研究者や福祉専門職によっても分かれることとなる。本人や支援者が気づかないニーズを専門的な知見で見つけ出し、支援に繋げることも重要となる。

・ニーズの把握(アセスメントとは)


福祉職員が福祉サービスの計画を立案するにあたっては、利用者の心身の状態や取り巻く環境、福祉サービスの利用状況や希望する生活など、利用者の情報を総合的に把握することが必要である。その、利用者の状況や今の姿を把握することを『アセスメント』という。

アセスメントを進める際には、利用者の心理面、身体面、生活環境など多角的にくみ取ることが重要となる。また、現状に加えて、生活歴や将来像を見据えてアセスメントすることも忘れてはいけない。アセスメントには、情報を収集する段階、情報分析する段階、分析結果から支援計画を作成する知見を導き出す段階がある。

・アセスメントの実際


【事例】特別養護老人ホームで職員に暴言を吐いたり、暴力を振るうA様。他の入居者と変わらない支援を行っているにも関われず信頼関係を築く事ができないでいました。

【アセスメント】A様の生活歴を振り返ってみると、元医師で、病院では他職種を含めて束ねるようなリーダー的な存在でした。退職後もA様が決めたことや希望に反対する人は少なく、亭主関白で威厳のある父親であった事が分かりました。

【対応】職員はA様の生活歴を見て、接する際の対応を変えてみました。声掛けをより丁寧に、些細なことでもA様の意見を聞いて物事を決めていくようにしました。そうした対応を続けていくと、A様の暴言や暴力は影を潜め、穏やかに施設での支援を受け入れるようになりました。
A様は入所後、自分の思い通りにならないことがあったり、自分が支援の必要な『高齢者』として扱われることがストレスとなっていたようです。A様を中心とした物事の進め方をすることで、自分らしさを取り戻され、結果として問題となっていた行動が収まり、穏やかに生活を送れるようになりました。

【まとめ】
このように、アセスメントはただ情報を集めるだけではなく、分析し、更に結果を統合することによって利用者の理解を深め、支援方法の工夫に繋げることが出来ます。

・利用者の情報収集


支援を始めるまえからその利用者についての情報が体系的に揃っていることは少ない。福祉職員は利用者との日々の関わりや面談、何気ない関わりを通して、あるいは家族や関係者、関係機関と連携を取るなどして、利用者についての情報を集めることが必要である。
利用者の周りにちりばめられた情報のピースを集め、一つの状況が見えてくればアセスメントは機能したと言える。

・エコマップを活用


情報を基にサービスを検討したり、支援の計画を立てたりする為には、集めた情報を分かりやすくまとめることが必要である。見開きのページに図を書いて整理でき、直感的に利用者の状況が分かるエコマップを活用する方法がある。
『エコマップ』は利用者本人と本人を取り巻く家族や関係機関、関係者などの状況を示すものである。
利用者の取り巻く生活環境を上空から眺めることができる。
福祉サービス利用者には家族も福祉サービスを利用している場合もあるが、エコマップはそのような家族がどういった支援をうけているのか、複合的なサービスを把握する上でも役立つ。

・まとめ


お一人おひとりにとっての福祉ニーズは異なっており、それに対する福祉サービスも支援方法も違ってくる。その方にとって、最善のサービスが提供できるよう、日々観察や情報収集することが必要である。

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