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時速200km出るマシンに乗ってた人が、ベタ踏みしても50kmしか出ないマシンに乗った時にどう勝つのか

ブランド運営をする中では日々思うことがたくさんあって、たまには日記のようなことで、思いついたことを書き留めておきたいと思います。

「大手企業で"ブランディング"をしていたが、地域活性化を目的にコンサル業として独立起業した。HUISさんにお話を聞かせて欲しい。」

みたいなご相談が案外昔からたまにあって、なかなか忙しい中でそうした時間をとるのも難しいのですが、どうしてもお断りしづらい方経由などでのご相談だと少し時間をとってお話を聞くことがあります。

で、(直接言わないけど)残念ながら難しいだろうなって方が多かったりします。
もちろん大手企業出身で素晴らしい力を持って独立され、しっかりと実績を作っている方も多いはずなので、たまたま僕がお話を聞いた方が、ではありますが、歯がゆく感じることが多い。

例えばの例で言うと、コピーを考える時にありふれた言葉に置き換えようとしてしまう。
人に刺さる言葉と、耳触りの良いきれいな言葉は、全く違うものです。まだブランド力がなく売り場を与えられてない商品に当たり障りのないコピーを使っても、売り場でもネットでも埋もれてしまいます。(生産者さんが話す言葉の中に、人に刺さる言葉のヒントがあったりもします。)

あるいは、自分が売れると思うものを作らせようとしてしまう。前職で分析し・売れたものを、小さな会社が新しくはじめる事業の中に置き換えても、その多くは市場の中で歯が立ちません。

こうした、良かれと思って言ってることが、改悪の方向に向かってるようなケースがけっこうあります。

もともと軽く踏めば時速200kmでるマシンに乗ってレースに勝ってた人が、ベタ踏みしても50kmしか出ないマシンに乗った時にどんなアイデアを出せるか、と言うのが、今の立場です。

もっとアクセル踏ませるとか、200km出せるエンジンに改良させようとすることではなく、50kmしか出ないけどそのマシンにしかない強みをまず整理し、それを最大限に活かせる戦略を練ってレースに勝とうとするのが必要なこと。

TOYOTA GAZOO RACINGより

ブランド運営や経営の道のりは、きれいに舗装されたサーキットではなく、クロスカントリーのように悪路や障害物がたくさんあるレースです。

大手のように予算もないしブランド力もない中で、資源を整理し、優先順位をつけ、限られた人手と時間と予算の中で最大の価値を生み出せるように導いてあげるのが中小企業のブランディングです。


一方で、遠州にかぎらずのことですが、講演やセミナーなどの際に、繊維関係者の方から、「何か新しいことをしないとと思って悩んでいる」というご相談を本当によくいただきます。

聞くと、「自社ブランドを作るなど何かを始めなければと思い、コンサルタントの方に頼んだけど、うまくいかなくて行き詰まってる」というケースがこれも多い。往々にしてかなりの費用をかけていて、切ない気持ちになります。

HUISの周りでは、こうしたことを突破してきている中小企業さん、ブランドさんがいくつもあります。

そうした方々の活動の中にこそ、ヒントがあると思います。

現状を瞬時に打破する便利な特効薬、はありません。
まずはベンチマークとインプット。それを続けられることが、何か新しいことをはじめるためのスタートになると思います。

■農産物と同じはずの“繊維産地”が、ほとんど知られない理由
https://note.com/huis_masaki/n/ncc00eb05a96b

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