嵯峨野綺譚 ~古墳の樟~
「オマエら!なんヤァ~!」
「あっちぃ!いけぇ!」
「Gyeaaaaaaaaaaaa!」
おかるは喚き続ける。
怪鳥のような叫び声をあげて。
垢にまみれて茶色がかった紅白の着物で、白髪混じりの髪を振り乱して。
「オマエら!なんヤァ~!」
「あっちぃ!いけぇ!」
「Gyeaaaaaaaaaaaa!」
おかるは喚き続ける。
食べ残した残飯を投げつけつつ、怪鳥のような叫び声をあげて。
「オマエら!なんヤァ~!」
「あっちぃ!いけぇ!」
「Gyeaaaaaaaaaaaa!」
おなじフレーズを同じ口調で。
遠目にもわかる燃えるような、刺すような視線で、威嚇と恐怖をこめて。
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